筆者自身お世話に成った事のある国民機98ですが、執筆時点(2012年5月時点)でその血統が
生存確認出来ました。
既に国民機としてではなく、工場で利用されるFactoryAutomation用な訳ですが、この分野自体は国民機全盛時代からFA-9801としてスタートしており、曰く「FA9801とN88BASICは、NECが存続する限り作り続ける」と言われる程に・・・
あれ?FA-9801シリーズとは別系統なのかなぁ・・・
現場の職人さんにとって大切な事の一つが技術を磨き伝承してゆく事な訳ですが、その磨きをかける前に進化が二歩三歩進んでしまうのがコンピュータ業界、この爆発的な進化に日本的な職人文化が上手く融合出来なかったのか、それとも、そこから何か産まれたのか?
思えば2000年前後のCanopusのグラボは、まさに日本的なグラボで、筆者も数枚購入しました。
リファレンスと全く異なる独自のハード&ドライバ設計でハード面ではアナログ的な部分に磨きをかけ、ソフト面ではドライバに高速チューニングを施し・・・しかし
リファレンスデザインのまま安価で先行販売される中国製に市場を持っていかれるという点でビジネスモデルとして不利があり、丁寧なサポートも逆に経費増大と開発時間減を招いたのではないかと思うと有り難かった反面、消滅してしまった事がとても残念です。
PC-98の筐体製作をしていた星野金属も、自作ケースでスタートした頃はPC-98の筐体同様に完成度が高く日本的な良さが有りました。筆者も20台くらい持っていますが、その後、安くてアルミかつ似た様なデザインの中国製(但しバリで手を切りやすい)やiMacに端を発すると思われる光物に市場を奪われ、自作市場の縮小との相乗効果で残念な方向に向かってしまったのではないかと思います。
PCケースは電子部品からは一定の距離が有るパーツですから、消費電力増大に伴う冷却性能向上という点にフォーカスしつつ、それ以外では妥協の無い磨きを掛けてくれていたらと思うと残念でなりません。
最近では
ONKYOのWAVIOシリーズ音源ボードがまさに日本的な磨きの掛かった職人が作ったPCパーツと言えるのではないでしょうか?と書きながら欲しくなってきましたw
最新モデルはCreativeのX-Fiチップを採用しつつもアナログ部分はオペアンプではなく完全独自にディスクリートパーツのみで作り上げるという気合の入った製品です。Canopusのグラボに似た存在ですが、音源ボードという進化のペースが比較的遅い完成された分野だからこそ出来た事かもしれません。
今後も是非、磨き込まれた製品を作り続けて欲しいと思います。
こういった事が出来る日本の職人さんは中国や台湾に流れ、中国や台湾で次世代の職人育成をしている様で、残念に思うのは筆者だけではないと思います。空洞化してゆく日本、バブルの中国、次に控えるインド・・・、筆者はソフト開発で共同作業した経験のあるインドに滞在していた経験が有りますがそれはまたの機会に・・・
話がそれましたが、FA-9801がオリジナルを踏襲したまま工場で稼動し続ける様な文化とビジネスモデルが形成されていれば、日本的な磨きの掛かった技術でN88BASICを使う職人が・・・と云う事もありそうですが、そういった何か?が有ると嬉しいですよね?
技術に磨きを掛ける事と、進化と変化を追いかけ追い越す事、どちらか一方だけを追求しては、その先に衰退が待っている様な気がしますが、両者の融合を果たすビジネスモデルが確立出来れば、技術大国日本の復活もあるのではないかと?