暴走・・・古いパソコンでフルハイビジョン動画を楽しもう!

今回の記事では、某巨大掲示板で筆者が書込みをしてしまった事が切っ掛けとなり、440BXチップセットと言う前世紀末に登場した主要部品を使った古いパソコン(Celeron533MHz/メモリ256MB)でもフルハイビジョン(解像度1920x1080、60フレーム/秒、48kHz-5.1ch音声、H264圧縮)の動画を視聴できるまでに至った経緯を書いておきます。(タイトルから自作erじゃない人も来る可能性を想定して自作PC用語を減らし極力初心者でも判り易いように努力してみました)
DSC00481.jpg
※サウンドカードはISAスロットのSoundBlaster 16/Proです。

気の短い方向けに結果を先に書き、そこに至る過程を後半に書きます。

結論として、以下の①~⑤を満たす事でフルハイビジョンが視聴出来ます。

PLX社のブリッジを搭載したGeForce8xxx以上(VP3世代以降推奨)のnVidiaGPU/ドライバ
  例:EVGA GeForce8400GS PCI ドライバ258.96 (Win2000は197.45)
ロシア製らしきコーデック http://www.cccp-project.net/
  ※:コ―デックに対し後述の設定変更が必須です。
  ※:Windows7では、このコーデックは不要です。
Pentium3世代以降の533MHz以上のCPU (PentiumII/K6-2+では異常終了します)
256MB以上のメモリ
Win2000-SP4/WinXP-SP2以上/Windows7 (Windows2000では動作しません、Vistaは未検証です)

フルハイビジョン動画を再生中の負荷状況@Celeron533MHz(CPU-Zのロゴが間違ってますねw)
533MHz.jpg

解説①
 一言で言うと相性がキツイです。
 なぜPLX社のブリッジが重要かと言いますと、GeForce系GPUのPCI版で一般的に利用されているPERICOM社製PI7C9X110ブリッジチップが440BXと相性が悪いらしく、動作(POST)しない為です。但しP3B-Fでは動作したという情報も有る為440BX自体に原因が有るのではなく440BX世代のBIOSに原因があるのかもしれません。440BX以降のPentiumIIIを使った比較的新しい(初めから1GHzクラスのCPUが入ってるような)PCの場合は後述する6号機の様にブリッジに拘らなくても難なく導入出来る可能性が高いと思います。
 但し、440BXでも後述の4号機の様にPOSTの途中で停止したり、年代が古いとPCIスロットに3.3Vが供給されてない事例が有り、その場合はマザーボードの改造などが必要です。
 そして、nVidiaがあまり積極的には公表していない動画支援の細かな世代としてVP1~VP4があり、そのうちPureVideoHDはVP2以降を指しますが、PureVideoからPureVideoHDに世代交代したのがVP2からという情報とVP1でもGeForce7xxxシリーズの途中からという複数の情報が有りますが、VP2世代までの動画支援ですと重たい動画で描画遅れや音跳びが発生する事があります。VP3以降の製品はリネームによって非常に判り辛いのですが、VP3はG98コアとIONにしか採用されず、VP4はGT21x/GF1xx系コアに採用されています。またVP4には一部バグが残っている物が有る様ですからG98コアのGPUを搭載したグラフィックカードがフルハイビジョンの視聴にはベストチョイスかもしれません。しかしながら繰り返しになりますがリネームによってG98コアの製品を特定する事は困難です。具体的にはGeForce 8400 GSはG86コアの製品とG98コアの製品と最近GT218が追加され3種類のコアが有ります。他にG98コアの採用されている製品はGeForce 9300 GS(オンボード)とGeForce G100及びQuadroNVS450/420/295の様です。ですがGeForceG100やQuadroNVS450/420/295はPCI版が有りません。自分でも何を書いているのか判らなくなってくるくらい複雑怪奇なネーミングです。VP4世代のGPUを搭載したPCIグラフィックボードは現時点で筆者が知る限りAlbatron PCI G210のみですが、日本では入手ルートがないと思われ、個人輸入に限られますし、ブリッジチップが不明ですので、相性が判りかねます。
 この記事を書いた後に登場した、こんな製品を使うという手段もあります。x16スロット品の方はブリッジチップが440BXと相性の良いPLX製を使っています。
 更にこんな商品も登場 ZOTAC GT520(VP5)PCI ブリッジ仕様は判りませんが、マザーからPCIスロットが消えつつある中、PCI版グラボの新製品が登場してくるのも感慨深いですね。

解説②
 コ―デックとは圧縮された動画ファイルを再生する時に、再生ソフトの裏で再生支援(その動画の圧縮方式に対応した変換)をするソフトですから、GPUの再生支援機能をどれだけ有効活用できるかは、コ―デックに懸っています。今回利用した物より、もっと効率の良いコ―デックが有るかもしれませんが筆者は知りません。

 コーデックの設定でDXVAのH264のチェックがデフォルトでは外れているので、ここをチェックしておきます。他にも設定変更で音跳びの低減や最適な設定などが有るかも知れません。(筆者はH264のチェックを入れたのみです・・・恐らく)
CC.jpg

 加えて、FFDShowのDXVAに関する設定変更を行います。FFDShowはCCCPをインストールした時に自動的にインストールされています。
FFD3.jpg

 変更するのは、動画支援のPost processingの設定で、これを"Disable"に設定します。こうする事でGPU負荷を低減しPureVideoHDへの受け渡しボトルネックが解消されると思います。
FFD4.jpg
 筆者は、なかば無意識にこういう設定をどんどんやってしまうので、後で何をしたか忘れてしまう事が多々あります。お気付きの点が有りましたら、気軽にコメント下さい。

解説③
 FSB66MHzのCeleton533MHzでの動作を確認しています。但し、特定の動画の特定の部分(某掲示板で登場した涼宮ハルヒ動画の開始後50秒あたり)で音飛びが発生する可能性が有ります。FSB100MHzのPentiumIII 800MHzでも、この現象は非常に発生率が下がりますが、稀に発生する事が有ります。FSB100MHzのPentiumIII 1000MHzであれば問題無く再生出来ます。セキュリティーソフトを導入している場合は、PentiumIIIクラスですと2個のCPUが必要になるかもしれません。(セキュリティソフトにもよる)

解説④
 動画再生中のメモリ使用量が222MBでしたので、256MBより少ないメモリでは快適な再生は望めません(但し不要なサービス等の常駐ソフトを停止するなどのチューニングで改善する可能性は有ります)セキュリティソフトを導入する場合は1GB必要です。(セキュリティソフトにもよる)

解説⑤
 Windows2000はビデオドライバが古い物しか導入出来ません。加えてコ―デックの取説にWin2Kでは正常動作が望めないといった趣旨の記載が有ります。
 Windows2000では下記の順でインストールする事でXP以降と同様に再生出来ました。
 ⑤-1)Win2000クリーンインストール
 ⑤-2)SP4 適用
 ⑤-3)DisplayDriver 197.45 (Win2000には非公式対応です)
 ⑤-4)DirectX 9.0Cインストール
 ⑤-5)ロシア製らしきコーデック http://www.cccp-project.net/をインストール
 ⑤-6)上記の解説②の様に設定変更
 ⑤-7)WindowsMediaPlayer 9 インストールWindowsMediaPlayer6でも再生出来ました。
 ⑤-8)WindowsMediaPlayer はハイビジョン動画の読み込み時にCPU負荷がしばらくの間100%になるので、一旦再生を停止してCPU負荷がゼロに戻ってから再生ボタンを押すようにしないと映像と音が最初から少しズレてしまう事があります。
 WindowsXPでは、当初はSP3でしか確認できませんでしたが、SP2でも動作する事を確認済みです。SP1aはビデオドライバがインストール出来ませんでしたが古いドライバなら出来るかもしれません。
 Windows7では、CCCPは不要ですが、パソコンがWindows7を実行出来る余力が必要です。

--------------------------------------------------
以下は某掲示板での経緯です。
 初め私は、ある方がPCI版RadeonHD4350を使ってハイビジョン(720p)の動画ファイルが視聴出来ないか試しているという趣旨の書込みを読んで思いました。

 はたして、私の自作PCではどうなんだろう?

と。

 そこで、その方の環境(PentiumIII 1.4GHz)に近いと思われる6号機をハイビジョン表示が可能な液晶モニタに接続し、同じ動画(720p)を再生してみましたところ、何の支障もなく・・・というか呆気無く普通に視聴出来てしまいました。

※6号機でハイビジョン再生中の負荷状況
(これはフルハイビジョン:1920x1080 60FPS 48kHz-5.1chを再生中の負荷状況です)
6G.jpg

 おそらく難なく再生出来てしまった理由は最近筆者が取り組んでいるOpenCL用に殆どの自作PCをGPGPUの機能が一通り正常動作する環境に整備していたからだと思います。GPGPU世代のグラフィックボードは、洩れなくハイビジョン動画の再生支援機能を搭載しているからです。

 これで、GPUの支援さえあればPentiumIIIであってもハイビジョン(720p)が視聴出来る事は確認出来ましたが、ではなぜ先ほどの方のPCでは正常に再生出来なかったのでしょうか?

筆者の環境との大きな違いは、
①チップセットがi840(但し筆者は440BXも所有している)
②グラフィックボードがGeForce8600GT(但し筆者はHD4350 PCIも所有している)
※この①は帯域に大きく関係しますし、②は再生支援に大きく関係しています。

さて、ここで一つ問題が有ります。

 筆者所有の440BXマシンである4号機は先日Linux環境にしてしまいましたし、ATI/AMD RadeonHD系のGPGPUではSSE2が必須な為、Pentium4/Athron64世代以前のCPUではGPGPUとしては利用出来ませのでPentiumIII環境でのATI/AMD RadeonHD系GPUを利用する予定は今後一切有りません。
 かと言って、筆者は4号機でのGeForce系GPUにはことごとく失敗しておりましたので、試す予定も無く、しかたありませんから430TXマシンを改造した際にGeForce8400GSが動作した例を提示して一旦、掲示板を去りました。

 数日後に、以前HD4350で試した方が、EVGAのGeForce8400GSを追加購入されたらしく、動作したけれども、YouTube動画は720pでもGPU支援が効いて正常に見れたけど、普通の動画ファイルでは再生支援が効かないという結果になりました。

 色々調べてみると、EVGAのGeForce8400GSは他のGeForce系PCIグラボとは異なりPLX社のブリッジチップを積んでいるようで、このブリッジなら筆者の4号機でも動作するかもしれないと思い、私も購入してみましたところ、4号機では残念ながら動作しませんでした。しかしながら、今までPOSTしなかったのがPOSTの途中までは進むようになり、かつ、ジャンクマザーとして部品取りや工作用に保存していたEPoX KP6-BSではBIOS画面まで正常に表示出来ました。しかしながらこのEPoX KP6-BSはVRMが貧弱で故障し易い為、常用する気が全くなく、この時はそれ以上試す気にはなりませんでした。

※EVGA GeForce8400GS PCI
DSC00478.jpg

※基板裏面にあるブリッジチップがPLX社製
DSC00480K.jpg


 それからまた数日して、先ほどの方がLinuxやWindows7で試しておられましたが、最終的に720pは再生出来るようになったけれども、フルハイビジョン(1920x1080)は紙芝居状態で快適な視聴は出来ないという結論をだしておられました。

 この報告を見て、試しに6号機で同じフルハイビジョン動画を再生したところ、当初コーデックが無い旨のエラーが出ましたが、ネットで検索して最初にヒットした無料コーデックを導入してみました。但しインストール途中でロシアの(というかソビエト時代の共産国的なイメージのある)国旗らしきマークに気付き若干躊躇したのですが、そのまま入れちゃいましたw。その結果、WindowsXP環境でも非常になめらかに再生されますので、おいおい、これはもしや?と思い・・・そこから何を思ったか?筆者の暴走が始まりますw

 先ほど書きました様に、EPoX KP6-BSはVRMが貧弱で我が家に有る様なCPUを使うと炎上するような曰く付きのマザーボードです。そこに、4号機に使っている貴重なSL5XLを2個刺しにして、PC-100 ECC Regsterd CL2 両面実装256MBという440BXで使える最高スペックの貴重メモリを贅沢に4枚刺し、更に虎の子のSoudBlaster 16/Pro ISAまで刺してしまいました。

 もう、後戻りは出来ませんw

 一気にWindowsXPをインストールし、ドライバが導入出来る様にSP3を入れ、グラフィックドライバを入れ、コーデックを入れ、そして再生してみました。

※CPUを1個に減らした後の負荷状況(併せてSL5XLからVRMへの負担が少ないSL6BYに変更)
1050MHz.jpg

 あれ?普通に再生出来るじゃん。しかも軽快・・・

 その後、CPUを800MHz1個に変更、メモリを256MBまで減らしCL3の設定にしましたが、普通に視聴できましたので、その結果を掲示板に書き込みました。

※CPUを800MHzに変更、メモリをCL3に落として再生中の負荷
800MHz.jpg


掲示板での書き込みは、ここまでです。

以下は後日談です。
 計算上520MHz程度なら再生出来そうだったので、家にある533MHzのCeleronを入れてみようとしましたが、800MHzで認識されてしまいます。おかしいと思い、マザーを眺めていると、FSBを100MHzに固定するジャンパが有りましたので、それを通常に戻し、FSB-66になったCeleron 533MHzで再生してみましたが、これも、普通です。(後ほど判ったのですが、先述の涼宮ハルヒ動画の開始後50秒~1分10秒あたりでCPU負荷が高くなり音が飛ぶ事が判りましたが、それ以外の動画は終始軽快です)

 念の為、音跳び対策としてPCI接続のサウンドカードも試してみましたが、結果、現象変わらずです。
 瞬間的にCPU負荷が100%になる為、恐らくCPUがボトルネックだと思います。
 ※もしかしたら、サウンドカードに動画と同じエンコードのエンジンを搭載したものなら快適かもしれません。
 モニタしていたら、ハルヒ動画は元が48kHz-5.1ch音声で、それを音声コーデックがPCMに変換しているようでした。

 あぁ、これが4号機ならなぁ・・・と云う残念な気持ちと伴に、動作検証が終わったEPoX KP6-BSは解体されましたとさ・・・
 4号機とEPoX KP6-BSのBIOSをトレースすれば4号機の原因と対策も判るかも知れず、それは、そのままATX586での動作につながる希望に成りそうなので、EPoX KP6-BSは、このまま保管ですね。

 それと、余談ですが、PCガイガーを使ってPCIバスの負荷状況を調べようとしたのですが、EPoX KP6-BSは頻繁にPORT-80にPOSTコードを出力していて、それはOS起動後も変わりなく継続され、負荷状況を見るためにはPORT-80への出力が停止しないといけない構造のPCガイガーではPCIバスの負荷計測が出来ませんでした。これなんとかしてくれ~~ADDRESS[08]ピンが判り易い位置に有ったので、明日マスクして試して見ます。
追記:
マスクして試したところ、起動直後はガイガーカウンターが動作しましたが、どうやらEPoX KP6-BSは機器の刺さっていないPCIスロットを休止させるようで、起動後数秒でクロックシグナルが途絶えている事が判明しました。ですから、肝心の映像を再生している間のPCIバスにかかる負荷は計測できませんでした。


追記2:
別の方が筆者とほぼ同じ環境で試したところ紙芝居状態になったと言う事で、筆者も再度OSインストールからやりなおしてみたところ、同じ様に紙芝居状態で以前の様にはなめならかな再生が出来なくなってしまいました。
現在調査中で、詳細は、この記事のコメント欄に掲載しています。調査が終わり原因が判りました。上記の解説②の後半に記載してありますFFDShowの設定で、この問題は解消出来ます。

スポンサーサイト
プロフィール

DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR