カタログスペックから選ぶPC電源


 80Plus認証を取得したPC電源リストの中から、カタログスペック(性能)のみで選別したリストです。耐久性や故障率などは未調査ですが概ね良好と思われる物を選んでいます。

 筆者が自分で買う場合にどれにしようか?と考えて選んだリストでもありますが、電源購入では毎回の事ですが国産ニプロンを選ぶか?それとも他の電源から選ぶか?で悩み、とりあえず最初にニプロンのカタログから合致する物を探して、希望に合致するスペックが無ければ他から探すパターンが多いです。今までは Seasonic の 80Plus Platinum SS-1000XP (終息) を選ぶ事が多かったですが、現行品からリストを作ると Super Flower が圧倒的に多いです。自作用で Super Flower はあまり聞かないかもしれませんがメーカー製PCやサーバに採用されている事が多いメーカーです。

選別基準:
 ・80Plus Titanium 認証取得
 ・同じ出力で効率が最も高いもの
 ・AC100V(50-60Hz)対応を明記しているもの
 ・販売終息品は除外
 ・AC波形が綺麗なもの

POWERCHOICE6.png

 力率と効率の違いに付いてはこちらの記事を参照下さい。

 参考として picoPSU-160-XT を掲載しています(この品は多くの偽物が出回っているので御注意下さい)、表中では10%負荷時のACアダプタの力率を25%として掲載していますが力率25%は推測値です。データシートに10%の計測値が掲載されていなかった為、負荷25%で力率48%(0.485)の記載を元に筆者が推測したのですから、本当はもう少し良い値かもしれません。

 ブレーカ欄は、皮相電力を元にブレーカのアンペアを概算したもので、どのコンセントに挿すか?を考える際に参考にする為に設けました。UPSを選定する際にも皮相電力やブレーカのアンペアは必要になる情報です。

 リストにして判ったのですが、500W品の100%出力時の損失と、1000W品の50%出力時の損失を比較すると、やはり高出力品を選択して50%くらいで利用するのが(発熱が少なく、その為ファン回転を抑え静音に出来るので)良さそうです。50%負荷時の12V出力のワット数を基準に電源を選択するのが手っ取り早いと思います(CPUとGPUのTDP合計を電源の12V50%出力に合わせると最も効率よく低発熱で静音に成ると思います)。

 筆者は、概ね下記の様な構成が多いです。
  CPU 100W × 2個 定格
  GPU 250W × 2個 ダウンクロック
 GPUをダウンクロックしている為、最大負荷を掛けても概ね500~600Wで、電源は冒頭に書きましたSeasonic 1000W品を搭載した機体が多いです。

 普段GPUをダウンクロックしているのは90℃を超える様な使い方は短命に成りますので負荷を掛けても70℃以下に成る様に設定している為で、ちょうどR9-FuryXを買ってR9-nanoの様な設定に変更して利用していると思えば御理解頂けるのではないかと思います。R9-nano登場以前は、こういった使い方はなかなか理解してもらえません(ミドルレンジのGPUを買ってオーバークロックした方が安くて性能も良いという意見が多い)でしたし、筆者自身も以前はこんな事をしていましたが、この後、GTX580が登場した際に3枚購入しまして、そのうち2枚を13号機に搭載してダウンクロックして利用しています。

 表中のAC波形は筆者個人の主観によるランク付けで、波形が綺麗な物(つまりノイズが少なく力率が高い物)をAランクからFランクまでランク付けしてDランク以下を選択から削除しました。
 概ね、下記の様な基準です。
 Aランク:電流の波形が概ね電圧波形に近い綺麗な正弦波
 Bランク:若干位相がズレているけれども、それ以外はAランクと同じ
 Cランク:小刻みなブレや歪みが有る
 Dランク:かなりよれている
 Eランク:大きくよれている
 Fランク:酷くよれている

 Aランクの例としては FSP Technology の FSP400-60AGTAA です。これはLenovoのOEM品として採用されている品ですが単品販売されているか?不明(未調査)です。Lenovoの保守パーツとして(従ってLenovoのパーツ番号で)流通している可能性はあると思います。

 Bランクの例はAndyson International の AD-700yyZZZ です。綺麗な波形ですが、若干位相がズレています。とは言え一般的なPC電源と比べると超優秀で、ニプロン電源Seasonic電源の多くはこれに似ていますが位相のズレがもう少し多い印象があります(それでもDランク以下の物と比べたら優秀です)。位相のズレは雷サージ保護回路に起因する物かもしれず、特にニプロンは0A出力対応に加え保護回路が凄く、各種保安基準や検査に合格させた物が多いので、その影響ではないか?と。その意味ではAランクの綺麗過ぎる電源には雷サージ保護は付いてないかも?しれません。

 Cランクの例は Enhance Electronics の ATX-1850 です。この品は玄人志向のOEM品 ( KRPW-TI500W/94+ ) に採用されていると思われ、国内でも比較的容易に入手出来ます。この品も 80Plus Titanium認証取得品ですから、普通に考えれば超優秀な電源です。SUPER FLOWER製電源の多くも似た印象の物や、もう少し小刻みに歪む物が多いですが SUPER FLOWERは効率が非常に(圧倒的に)高い=発熱が非常に少ないのが特徴と言えそうです。SUPER FLOWER でも1600Wのハイエンド品は筆者基準でAランクで、この品はEVGAが SuperNOVA 1600 T2 という型番で $400 くらいでOEM販売していますが AC115V仕様でしたのでリストには掲載していません。

 Dランク以下は、あえてここでは掲載しません。あくまで筆者の主観ですから御了承下さい。負荷変動時にどの様な変化をするか?など興味はありますが、それを知る為には入手して自分でテストしないとですね(そういったデータを自社Webサイトで公開している例もあります)。

 低出力品でありながら波形が物凄く綺麗な電源は、概ね大手のメーカーPCに搭載する為のOEM品である事が多く、そういった品は外見に拘りが無く安っぽく見えます。逆に外見が綺麗に塗装されていて自作用として単品購入出来る電源は波形が汚い物が多いです。表には掲載されていない200~350Wの良質な電源を探そうとするとOEM品ばかりで自作用としては販売されていないものばかりで、そういった品はオークション等で状態の良い物が出るのを待つしかないかもしれません。例えば2011年製の Delta DPS-300ADV などは非常に魅力的に見えるのですが、これと同等スペックの現行モデルで単品販売されている物は探しても見当たりませんでした。

筆者自作機の12V概算最大消費電力推移

POWERTRANSITION.png
ネトバ + VLIW の組み合わせが急速な消費電力増大に繋がった様です。AMD Zenで組む機体も700W前後に成るか?それとも・・・

00号機①:50W
 CPU Pentium w/MMX 233MHz TDP17W / MaximumPower22W ×2
 GPU GeForce 6200A PCI ×1 (12Vは最大6W)
 合計 22W x 2 + 6W = 50W

00号機②:26W
 CPU K6III+ @600MHz MaximumPower20W ×1
 GPU GeForce 8400GS PCI ×1 (12Vは最大6W)
 合計 20W + 6W = 26W

04号機:82W
 CPU PentiumIII-S @1GHz MaximumPower32W ×2
 GPU Parhelia 50W以下(うち12Vは最大12W) ×2
 合計 32W x 2 + 12W + 6W = 82W

05号機:340W
 CPU Athlon MP 2800+ MaximumPower60W ×2 (但し片側VRMは5V入力)
 GPU GTS250 GreenEdition + PCI下駄 140W ×2
 合計 60W + 140W x 2 = 340W

06号機:68W
 CPU PentiumIII-S 1.4GHz MaximumPower32W ×2
 GPU GeForce8600GT PCI 55W以下(うち12Vは最大6W) ×1
 合計 32W x 2 + 6W = 68W

07号機:254W
 CPU XEON MP 3GHz TDP85W / MaximumPower97W ×2
 GPU HD4670 TDP60W(MAX) ×1
 合計 97W x 2 + 60W = 254W

09号機:202W
 CPU Opteron 290 TDP95W ×2
 GPU Quadro NVS 280 12W ×1
 合計 95W x 2 + 12W = 202W

10号機:658W
 CPU XEON 5050 TDP95W / MaximumPower139W ×2
 GPU HD4890 TDP190W(MAX) ×2
 合計 139W x 2 + 190W x 2 = 658W

11号機:472W
 CPU Opteron 290 TDP95W ×2
 GPU 9800GTX+ 141W ×2
 合計 95W x 2 + 141W x 2 = 472W

12号機:172W
 CPU XEON L5240 TDP40W / MaximumPower70W ×2
 GPU GT730 23W ×1
 合計 70W x 2 + 32W x 1 = 172W

13号機:638W
 CPU XEON X5675 TDP95W (TURBO-OFF) ×2
 GPU GTX580 TDP224W ×2
 合計 95W x 2 + 224W x 2 = 638W

14号機:84W
 CPU XEON LV TDP31W ×2
 GPU GT730 23W ×1
 合計 31W x 2 + 23 = 84W

15号機:638W
 CPU Opteron 2387 TDP115W ×2
 GPU GTX285 204W ×2
 合計 115W x 2 + 204W x 2 = 638W

16号機:不明(実測最大消費電力40W)
 CPU VIA QuadCore
 GPU Chrome640IGP

17号機:770W
 CPU XEON E5-2670 TDP110W / MaximumPower135W ×2
 GPU GTX780ti 250W ×2
 合計 135W x 2 + 250W x 2 = 770W

18号機:772W
 CPU XEON E5450 TDP80W / MaximumPower133W ×2
 GPU HD5870 Eyefinity6 TDP228(MAX) ×2
 合計 133W x 2 + 228W x 2 = 772W

19号機:730W
 CPU Opteron 4184 TDP95W / MaximumPower115W ×2
 GPU HD6970 250W ×2
 合計 115W x 2 + 250W x 2 = 730W

20号機:730W
 CPU Opteron 6380 TDP115W ×2
 GPU HD7970 250W ×2
 合計 115W x 2 + 250W x 2 = 730W


 筆者の自作機2台を1個のコンセントに接続して最大負荷を掛けると、ブレーカのギリギリまで皮相電力が上昇し、そのコンセントと同系統のコンセントで何か他の機器を使うと・・・という事が判りますし、力率の悪い電源の場合は2台の負荷だけでブレーカ断されてしまう可能性が高いと思います。
 
 
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picoPSU-160-XT のパチモン3種

 以前、14号機を組む際に利用したpicoPSU-160-XTVIA QuadCore-E 2.0GHz で組む為に追加購入しようと思い(但し、組もうとしたマザーは20pinでした)、ネットで検索してみましたら2014年頃からパチモン(偽物・模倣品)が氾濫していますね。もしくはライセンスを受けた二次製品?なんて事が有るでしょうか?米国特許番号 7,539,023 : Monolithic plug-in power supplyは2005年出願ですから未だ有効ですが、米国のAmazonやeBayで手軽に入手出来る形で販売されていても法的には問題無いのか?不思議に思います。それともリスクを冒してでも販売したい中国の貿易商などが活動しているのか?
 日本国内では米国特許だけでは効力が無いのか?国内のAmazonやYahooオークションや楽天などで米国特許を侵害している製品を堂々と販売している中国業者が暴利を上げていても問題無いのかも?しれず、けれども、注文したら違法な商品として通関で差し止めされ処分されるのかも?しれず、、、その辺りが正確に判断付かないですね。いづれにしろ中国製のパチモンには過去に何度か痛い目に遭った経験がありますので、特別な理由が無い限り筆者はもう手を出さないと思います。
 Mini-BOXの国内正規代理店があれば、国内で何らかの対策をするのでしょうが、そういった行動を起こす法人なり個人なりが居ないと野放しにされるのかもしれませんね。米国国内でも対策に苦慮されているのではないかと思います。パチモン故に半額以下ですが、安いなりの質ですし、商品名を真似ていたり、ブランド名を真似ていたり、或いは社名を公開しないで販売していたりと、あのてこのてでコピー品を売ろうとしている様です。逆に言えば真似したい程にpicoPSU-160-XTは人気商品なのでしょう。

 とは言え、初めて、この手の商品を買おうとして探した人は、恐らく何も判らず値段だけで判断して安価なパチモンを買ってしまうのでしょうね。
 
 コネクタの色が黄色のパチモンも有りますから御注意下さい。Mini-BOXのホームページで商品を確認してからの購入をお勧めします。


こちらは、筆者所有のオリジナル picoPSU-160-XT です
picoPSU160XT.jpg
型番picoPSU-160-XT
ブランド名Mini-BOX
変換効率:95%(出力により±2%)
動作環境:-20~+85℃
実売価格:$40~$47
 以前から(筆者の知る限り5年以上前から)販売されているモデルで、ROHS対応のNEWバージョンが販売中です。ロングセラー商品として、或いは長期供給品として、それなりに実績も有ると思います。電界コンデンサにOS-CONの長寿命タイプを採用していて信頼感があり、筆者も2個購入し14号機で使っています。


パチモン1
pachi1.jpg
型番:Pico ITX 180W その他類似の名称など
ブランド名:不明・・・eBayでは中国の業者が取り扱っています
変換効率:93~97%
動作環境:-20~+85℃
実売価格:$17~$20
 カタログ上の仕様はpicoPSU-160-XTを上回る性能で、使っている部品もOS-CONやTDKのコイル等、信頼性の高い部品を利用していますが、出力側コンデンサ容量がpicoPSU-160-XTが470μFであるのに対し、こちらは220μFですから半分以下の容量です。よく見ると判りますが、コンデンサの径がオリジナルより小さく、グレードも出力側は二段低い標準品を使っています。出力側の容量は負荷応答性能に関係し、容量が多い方が負荷変動に対して安定した電力を供給し易く、逆に言えば容量が少ないとPCの動作が不安定に成る可能性が高くなり、相性問題が起きやすいのでは?と思われます。
 裏面の部品配置はpicoPSUとは異なりますが、利用している部品は同等品・互換品を配置変更しただけですから、回路設計も真似またはコピーしていると思います。


パチモン2
pachi2.jpg
型番:DC-ATX-160W その他類似の名称など
ブランド名:不明・・・eBayでは中国の業者が販売しています
変換効率:92%~
動作環境:0~+40℃
実売価格:$14~$16
 こちらは、裏面の部品配置がパチモン1と同じですから、パチモン1の更にパチモンかもしれませんが逆の可能性や同じ業者の可能性も有り得ます。動作環境が0~40℃なので、電界コンデンサが安価な電解液タイプと思われ、他の部品も含め原価を極限まで下げたコピー商品と言えそうです。絶対に買いたくない一品で、マザーボード側を壊すのじゃないか?と心配に成ります。コンデンサが赤色のタイプもあります。


パチモン3
pachi3.jpg
型番:Z2-ATX-160W
ブランド名PICO-BOX
変換効率:不明
動作環境:不明
実売価格:$20~$25
 社名がMini-BOXと混同しそうですし、たぶん多くの人が混同するでしょう。Mini-BOXのpicoPSUを意識したパチモンの為の社名とさえ言えそうですが、ホームページのデザインなどが本物っぽい所が厄介です。
 入力側のコンデンサが省略(又は裏面にある積層セラミックコンデンサで代用)されていますが、出力側は330μFが乗っています。全体的に部品点数を極限まで減らす事で、部品そのものの質を落とさずに製造原価を抑えているのだと思いますが、出力側の5Vsbはスイッチングレギュレータではなく、3端子レギュレータ(シリーズレギュレータ)を使って降圧している(もしくは、5V出力とのコンバインかもしれない)様です(裏面にコイルが無いので、5Vと3.3V出力以外はシリーズレギュレータのハズです)から変換効率が悪く発熱もするハズです。もし5Vsbをシリーズレギュレータにしているなら待機電力で発熱する事を意味します。PC電源OFF状態でUSB給電する設定でうっかりUSB機器を挿したままにすると、この品の一部が局所的に爆熱に成ると思いますし、壊れる可能性もありそうで怖いです。

 
 コネクタの色が黄色のパチモンも有りますから御注意下さい。Mini-BOXのホームページで商品を確認してからの購入をお勧めします。

 
 

電源ユニットの効率と力率の違い

電源の力率効率に付いて、自分の中のもやもやを改善する為に調べてまとめました。電源に付いては他にピンアサインピン機能電源規格などに付いてもまとめていますのでよろしければ参考にして下さい。

少なくともPC電源に付いては
力率 = 利用した電力(W) ÷ 流れた電力(VA)
効率 = 電源モジュール以外で利用された電力(W) ÷ 利用した電力(W)

英語では
力率 = Power factor
効率 = Energy efficiency

つまり力率効率は全くの別物です。

専門用語では
流れた電力(VA) = 皮相電力(単位:VA ボルトアンペア)
利用した電力(W) = 有効電力(単位:W ワット)
利用されなかった電力(Var) = 無効電力(単位:Var バール)
となります。

力率改善
電圧と電流のタイミングを合わせようとする事を力率改善と言い英語ではPFC(Power Factor Correction)と言います。

電圧と電流が一緒に仕事をしないと良い仕事が出来ませんが、力を合わせて仕事すると能力を最大限に発揮出来ます。もう一つの効果としてノイズ対策が有ります。電圧と電流がバラバラな仕事をすると、それがノイズに成ってコンセントを経由して家中の機器に悪影響を与えるからです。
PAPFC13.png
図中の電圧と電流の波形のズレは家中の電源コードをノイズとして無駄に通過して他の機器に悪影響を与え、誤動作やコイル鳴きの原因に成り、利用されないまま電力会社に戻ってゆきます。
※:図の波形はあくまでイメージであり実態は個々の電源で異なります。

80Plus認証では力率0.9(90%)以上が必須条件なので、80Plus認証を取得した電源であれば必然的にPFCを搭載していて力率0.9(90%)以上です。80PlusとActivePFCはセットと考えて良いと思いますが例外的にはPassivePFCで力率0.9(90%)以上を達成しているものが有る様です。
近年のActivePFC搭載電源では力率99%以上の物も多く、これ以上の改善が難しい所まで来ています。

効率改善
電源モジュール自身の消費電力を削減する事を効率改善と言います。

個々の電子部品の持つ電気抵抗に電流が流れる事で生じる熱が低い程に効率が良いと言えます。つまり大雑把に言うと抵抗を下げつつ電流も抑えるのが最良ですが、そんなに簡単では無いと思われます。

1:コンセントの100V交流(AC)を直流(DC)に変換する整流回路に一般的な整流ダイオードを利用している場合はダイオードの性質上、両極のダイオードに概ね0.65V(±0.1V程度の範囲)の電圧が掛かる為、100Vの電力から概ね0.65V×2個ぶんを消費(熱に変わる)し、大雑把に言って整流ダイオードだけで0.65V×2個=1.3%効率が悪化します。これはダイオードの性質(並列にしても抵抗器の様に抵抗が減る訳ではなく、ほぼ一定の電圧が維持される)ため整流ダイオードを利用する限りは、この部分を改善する事は困難と思われます。
ACDC整流2
この部分を改善できる可能性として同期整流回路が有りますが、同期整流用のコントローラにも一定の消費電力があり、特に負荷が低い時に効率を悪化させる要因に成ります。また、同期整流には後述のMOSFETを使ったスイッチ動作に成りますのでMOSFETのオン抵抗が効率悪化の要因になります。

2:スイッチングに利用されるMOSFETは出力に直列に接続されますが、半導体の宿命として少なからず電気抵抗が有りますので、これが熱に変換されて出力に比例して効率が悪化します。オン抵抗の低いMOSFETや、多数のMOSFETを並列にしてオン抵抗を下げようとすると部品が高額に成る為、この部分の効率は原価と直結しています。

3:電源の脈流を平らにする平滑コンデンサにはESRと呼ばれる内部抵抗が有りますが、ここを流れる電流×ESRが熱に変換され効率が悪化します。つまりESRの低い電解コンデンサは効率を上げる事が出来ますが、同時に単価が高額ですから、この部分の効率改善も原価と直結しています。但しESRを下げると漏れ電流が増える傾向にありますので悪化させる可能性も有ります。

4:パソコンの電源モジュールは出力タイミングの同期やスタンバイ制御等の為に概ね制御用の小型マイクロプロセッサを搭載しています。制御チップを含む制御回路の消費電力は出力とはあまり関係なく固定的に発生しますので、消費電力の少ない制御チップを選択することで主に低負荷時の効率を改善できます。

5:電源に内蔵されている冷却ファンは電力を消費しますので低消費電力な物にする事で効率を改善できます。電源回路自身の効率が悪いと発熱が多くて必然的にファンの回転数も上がり、ファンの消費電力が増え、電源モジュールとしての変換効率を更に悪化させます。逆に変換効率の高い電源回路は発熱も少ない為にファンの回転数を抑える事が出来て効率改善の相乗効果が期待出来ます。ちょっと調べて判ったのですが高性能FANメーカーとして有名なSANYO DENKIのファンは他社製ファンの半分程度の消費電力で同じ風量を達成しているモデルが多々あります。寿命・静音・風量・消費電力などから適切なファンを選択して交換してみるのも良いかも?しれません。

6:上記以外でも電子部品は多かれ少なかれ個々に消費電力が有りますので、それらの合算値で電源モジュールの変換効率が決まります、



記事を書く発端となったのはYahoo知恵袋のベストアンサーです
例1:効率の高い電源ユニットほど、少ない力率で出力が可能
例2:80Plus電源の力率は80%以上
例3:力率とは、効率です。
これらの回答は、部分的に正解であったり間違いだったり、結局のところ間違いを拡散しているように思いました。(筆者も間違っている所があるかもしれませんが・・・)ブログなら見つけた間違いを訂正出来ますが、Yahoo知恵袋はベストアンサー確定後に訂正する手段が無く、たとえ誤った情報であっても長年に渡り掲載され続け、しかも検索上位に表示され、口コミで更に誤りが拡散されてしまいます。

ネットで力率を検索すると色々な計算式が登場しますが、いずれも真実であり、かつPC用電源モジュールの実情とは異なる様です
日々変化している物の実情を計算式で表現する事は困難です。

パソコンでは利用した電力(W)は殆ど全てが熱に変換されますが利用されなかった電力(Var)は熱に変換されずに電力会社に戻ってゆきます。
例えば理想的なDRAMメモリは構造的にコンデンサの充電で記憶しますので容量性負荷といって熱に変換されず利用されなかった電力(Var)として電力会社に戻ってゆくはずですが、実際のDRAMでは殆どが利用した電力(W)として熱に変換されてしまいます。

力率0.9(90%)で効率80%の電源モジュールを使った場合は流れた電力(VA)のうち10%が利用されなかった電力(Var)として熱に変換されずに電力会社に戻り、残り90%の利用した電力(W)のうち20%が電源モジュール内部で熱に変換されます。そして、

  力率90% × 効率80% = 72%

つまり流れた電力(VA)のうち72%をパソコン本体が利用出来た事に成ります。但し殆どのパーツには個々の電子部品の定格電圧まで電圧を下げる為の降圧回路が内蔵されていますので、厳密には、これらの変換効率も考慮する必要があります。

日本の個人住宅では流れた電力(VA)ではなく利用した電力(W)に対して課金される為、力率が低くても電気の利用料金には影響しませんが、力率が低いと同じ仕事でも無駄に流れる電流が多く成る為、ブレーカーが落ち易く成り、その結果ブレーカーのアンペア契約を上げてしまい基本料が高く成る結果につながりそうです。

逆に効率は電気の利用料金に直結しています。効率90%と効率80%では10%ぶんの利用料金と、その発熱ぶんのエアコン代が利用料金に直接反映されます。冬は暖房代と差し引きゼロくらいですが夏の冷房代は跳ね上がるでしょう。

企業向けには流れた電力(VA)が電気代に関わるケースも有る様ですから、その対象となっている企業では力率を改善する事で固定費の大幅削減につながると思われます。




書き掛け・・・

間違いを含んでいる可能性があり、見付けた方は気軽にコメント下さい。
専門家向けの情報では無く、あくまで筆者(素人)向けに判り易くまとめたものとして書いています。

EATX 2.0 PSU ( Power Supply Unit) とは?

現時点の結論として、EATX 2.0 PSU とは、Asusの独自規格もしくはAsusの誤記、もしくは筆者の調査不足です。つまり公開されたドキュメントとして規格書/デザインガイドが存在しない(Google先生も知らない)規格です。恐らくEPS12V Ver2.0以降でOKだと思われ、それをAsusが誤って記載していると思われます。

可能性としてEPSの頭文字EがEATXの略なのかもしれないと思い調べました。つまりEPSはもしかしたらEATX PSUの略なのか?と思ったわけです。
 EPS = Entry chassis Power Supplies (出展:SSI EPS12V Power Supply Design Guide Version 2.92)
参考までに・・・
 EATX = Extended ATX

つまり、全く異なる意味でした。

SSI が EPS12VのEをEntryにしている理由は、EPS12Vとは「リダンダントを想定しないエントリーレベルのサーバ向けデザイン」だからです。原文 "This specification defines a non-redundant power supply that supports entry server computer systems."
つまり電源故障に対しての冗長性を確保しない前提の電源だからEntryなのであって、Extendedとは無関係でした。

ちなみにEPS12Vの規格適合電源にも以前はリタンダント対応品が有りましたが、最近は殆ど見掛けません。
ブレードの場合は電源ダウン=ブレード全体を交換の様な運用が多いと思われます。3U以上のSuperMicr●のケース付属電源はリタンダントが標準的ですが出力はEPS12V互換であっても形状は専用設計と思われます。

なぜこんな事を書いてるかと言いますと Asus Z9PE-D8 WS ( LGA2011 DUAL マザー ) のマニュアルに"This motherboard supports EATX2.0 PSU or later version"の様な記載が数箇所ありまして、Asusは他のマザーのマニュアルでも似たような表記をしており、これは具体的にどんな電源なのかを調査しているという経緯です。

筆者は以前、電源のトラブルに遭ったときに、PC電源の規格について相当しつこく調査(1 2 3)しましたが、EATX2.0という電源規格を定めたドキュメントにはたどり着けませんでした。

もっとも、電源規格を定めているSSIやIntelが2008年以降は資料を一般には非公開?にした為、2009年以降に新たな規格が制定されていたとしても筆者が知り得ていないという事情もあり、断言できないところが辛いところです。

EATX12V というのも Asus の独自規格(もしくはAsusの誤記、もしくは筆者の調査不足)かもしれませんが、既に言葉として一人歩きしているのかもしれず、こちらはGoogle先生も曖昧な情報を沢山提供してくれました。
EATX2.0EATX12Vがどこから発生したのか?というとAsusマザーのマニュアルかもしれません。というかその可能性大です。

CPU用に12V 8Pinコネクタを複数備えたEPS12V Ver2.0以降の電源の事をAsusが間違えてEATX12VEATX2.0と表記している可能性が高い様に感じます。

ていうか、EPS12Vの電源規格を制定しているSSIフォーラムのメンバーにはAsusも入ってるんですけどね・・・
それともAsusの主張が通ってSSI内部でも最近はEPS12VをEATX12Vに改名しているかもしれません。

他の可能性としてEPS12Vとは別系統で、ATX12Vをベースに12Vを強化し8PinのCPU電源を付けたものを誰かがEATX2.0と言い始めたのかもしれません。

ちなみに同世代のSandy-E DUALな他社製マザーでは、

Tyan:
 普通にEPS12Vを指定しています。こういう記載が有ると判り易くて安心しますね。

SuperMicro:
 ATX電源のVer2.02以降で24Pinのメインコネクタと8PinのCPU電源コネクタを2本備えた電源で、同時にSSIフォーラムの定める電源(URL参照)というように書いてあります。遠まわしな言い方ですがEPS12Vや、更に上位規格のリタンダント電源を含んでいる様です。
 ATXとEPSの両方を満たす電源は多数存在しますが、両方満たす電源の条件としてPWR_OK信号のタイミングを200ms~500msの範囲にする必要が有りそうです。(ATXは100ms~500ms、EPSは200ms~1000msなので両方満たす場合は200ms~500msに制限される)

Advantech:
 SSIの定める 24Pin と 8Pin ・・・規格の名称には触れていませんが EPS12Vや、更に上位規格のリタンダント電源を含んでいる様です。

Intel:
 特に特定の電源規格名には触れず マザーの Technical Product Specifications に電源のデザインガイドがまるごと掲載されてました
 Intelでは、このクラスのマザーではリダンダント電源を前提にしており、電源の細かな仕様をマザー側のテクニカル仕様に掲載しています。電源の仕様的には今までの電源を概ね踏襲しつつも部分的に専用特別仕様って事に成るんでしょうね。

EVGA:
 マザーのサイズも規格外ですが、電源も規格外でしたw
 マザーボードに6Pinの12V(つまりグラボ用)が有ります・・・
 標準では24Pinと8Pin×2で、OverClockをする時に6Pinも挿して12Vを強化するといった記載が有ります。
 まぁ、いかにもEVGAらしいマッドな作りですね。写真で見ると6Pin-12Vはマザー上に3個所あります。
 Intelの様に専用設計の電源が必要と言い出すのではなく、既存の電源を流用出来る様に配慮しつつも12Vを最大限に強化出来る様に考慮した結果と言えそうです。まぁケースは専用品を要求してる訳ですが・・・
  

パソコン電源の選び方

せっかちな人向けの結論を次の3行で書きますが、じっくり考える派の人は、その先も読み進めてみて下さい。

 ( CPUのTDP + GPUのTDP ) x 2倍 = PC電源の総ワット数

これで、ほぼ間違い無いと思います。簡単でしょ?

12Vは1系統に統一されている物を選択し、自分のPCケースに収まる規格/サイズであればOKでしょう。
※「12Vは1系統に統一」の意味が判らない時はショップ店員に聞いて下さい。
※CPUやGPUの消費電力が判る場合は、TDPではなく消費電力で計算しても構いません。

じっくり派の為に念のため予め断っておきますが、ハードに付いては素人の私が書くのも変な話ですが、本来の「ブログ」の趣旨と同じく自分向けにまとめたメモです。従いまして偉い先生が書いた難しい文章ではありません。筆者の様な素人の視点で書いていますので、素人の方が理解し易い様に考えて書いています。厳密には間違いな事を、判り易くする為にわざと間違えたまま書いている部分もありますが御容赦下さい。

冒頭で2倍した最大の理由は、出力の50%で利用するのが最も効率が高いからです。(と言う事にさせて頂きます)

2倍したくない場合や12Vが複数系統に別れている物を買いたい場合は、最低でも12V出力の各系統が用途毎にTDPを余裕で上回る出力の電源である事を確認しておく必要があります・・・面倒でしょ? だから面倒な人は2倍して12Vが1系統にまとめられている物を買って下さい。面倒じゃない!詳しく知りたい!という人は最後まで読んでみて下さい。

それに、TDPと消費電力は実際には異なりますので、目安程度にしかならず、余裕は多めにとる事をお奨めします。

もっと詳しい情報が欲しい人や、3TBのHDDを4台使って合計12TBのサーバを組み立てようとしている方や、筆者と同じく変態の人は、ここから先も読んで下さい。

まず、何に重点を置くかという目的を明確にする必要があります。

1:とにかく短時間で電源を選びたい。
2:安くて静かな電源を選びたい。
3:高効率で低消費電力な電源を選びたい。
4:長期安定する電源を選びたい。
5:とにかく自分にとって最高の電源を選びたい(一般には痛い人ですw)

以下、それぞれの目的別に筆者なりの電源の選び方を書いておきます。

1:とにかく短時間で電源を選びたい。
 冒頭の方法でおよその出力を計算しておき、あとは予算次第です。
 ※それだけでは満足出来ない場合はこの記事で後述する「5:とにかく自分にとって最高の電源を選びたい」を読んでみて下さい。

2:安くて静かな電源を選びたい。
 冒頭の方法でおよその出力を計算しておき、12cm以上のファンを搭載した製品の中から予算にあった電源を選択します。
 出力に余裕が有る高効率品を選ぶと発熱が少なくファン回転数を抑えやすいのですが、高出力かつ高効率品ほど金額も高額ですから、予算と相談して下さい。
 業務用やプロ仕様を買うと爆音の場合が多々有りますので、一般向けの品を選択します。
 ※それだけでは満足出来ない場合はこの記事で後述する「5:とにかく自分にとって最高の電源を選びたい」を読んでみて下さい。

3:高効率で低消費電力な電源を選びたい。
 冒頭の方法でおよその出力を計算しておき、80Plus PLATINUM 認証取得電源を選択します。
 複数買って比較すると判るのですが、低負荷時やアイドリング時の消費電力が20~30Wくらい電源で変わる事がありますので、最小負荷時の変換効率も意外と重要だったりします。
 ※それだけでは満足出来ない場合はこの記事で後述する「5:とにかく自分にとって最高の電源を選びたい」を読んでみて下さい。

4:長期安定する電源を選びたい。
 冒頭の方法でおよその出力を計算しておき、ニプロンの2世代電源を選択してみて下さい。

 長期安定には、電源選び以外に、エアフローやコンセント側も重要に成ります。

 CPUの廃熱を電源ユニットがダイレクトに吸い込む配置ですと電源にとっては負担になりますので、出来るだけフレッシュエアを吸い込み、かつ排気に負担が無いような配置が望ましいと思います。

 待機電力による発熱の処理にも気を使った方が良いと思います。具体的には風通しの良い場所に設置し、PCにカバー等を掛けて保存するのは避け、年一回くらいはPC内部の掃除をお奨めします・・・が、予備知識が無いと掃除の時に壊してしまう可能性もありますので、注意が必要です。

 ケースファンが前面重視で吸い込みが多い場合は、あまり問題無いのですが、後方排気に重点を置いている場合などで、電源ファンより強力なファンで排気していると、電源内部で空気が逆流してしまい冷気が循環せず、熱が篭って寿命が短縮してしまう恐れが有りますので、PC全体のファン性能のバランスも重要です。

 ファンを強化すると埃を多く吸い込みますので、一時的には冷却に成功しても、長期的には埃の堆積という結果になりますので、バランスが必要です。埃を防ぐフィルタを設置しますと、フィルタが詰まりますので定期的な清掃が必要で、清掃を忘れると詰まっているので冷気が入らず高温になり故障し易くなります。ファンレス電源かつ自然滞留で十分な冷却が確保出来れば埃の堆積が非常に少なく長期運用が望めますが、電力出力や廃熱とのバランスが重要で、ファンレスでの設計は難易度が高いです。

 コンセント側の問題は、AC100Vを伝わってくる他の機器からのノイズやサージです。特に古い家電や掃除機などのノイズがPC電源の寿命を削る可能性もあります。雷サージ対策もしておいた方が良いかもしれません。UPSも安物は逆効果になる可能性もありますので、安定した正弦波を出力出来る物を選択しましょう。

5:とにかく自分にとって最高の電源を選びたい
 おめでとうございます。
 ここまで読み進めた方は、筆者と同じ変態ですw(一緒にするなと言われそうですが・・・)

 変態に相応しい話題として、
 1:各電圧の出力
 2:動作環境
 3:コイル鳴き
 4:ファンの動作音や風きり音
 5:電源の構造
 の5本です。

 5-1:PC電源の各電圧の出力
  PC電源の出力が例えば400Wというのは、あくまでコンバイン出力であって、12Vの1系統単体で400Wの出力が出来る訳では有りません。従いましてTDPや最大消費電力を合算した値で電源を買ってしまうと、出力不足で過電流となり、高負荷時に強制電源OFFの事態に襲われます・・・とここまで読んだ人は知ってますよね?

  そこで、もっと詳しく知りたい人向け予備知識として、この記事この記事この記事この記事を熟読する事をお奨めします。

  12V出力が1系統に統一されている電源の出力例
  DSC01082.jpg
  この電源は、とても判り易い出力の電源ですが、1点だけ注意すべき事として個々の電圧の出力を合算しますとコンバイン出力(合計出力)を大幅に超えている事に気付くと思います。つまり、個々の電圧に余裕が有ってもコンバイン出力では不足している可能性も有り、この電源の場合、特に注意が必要なのは5Vと3.3Vのコンバイン出力ではないかと思います。

  12Vが複数系統の電源の出力例
  DSC01084.jpg
  この電源は、はっきり言って判り辛いです。12Vのコンバイン出力が個々の系統を単純に合算した値とはかけはなれていますし、W表記とA表記の混在も誤解を招き易いです。こうなってしまった大きな理由は240VA安全推奨基準に準拠した為と思われます(逆に12Vが1系統に統一された品は安全推奨基準を無視しています)。240VA安全推奨基準とは240Wを超えるような回路を一般の人には触れさせないようにしようという物で、感電等の対策です。ですが、出力700Wもありながら、この電源を使ってGPU2枚のPCを安定させる事は意外に困難だという事に気付きます。ミドルクラスのGPU2枚なら大丈夫かもしれませんが、ハイエンドGPUのSLIやCFXは難しそうです。そして致命的なのは、どのコネクタがどの系統(12V1系~4系)の出力なのか明記されていない事です。適合規格もATX12V Ver2.2 と EPS12V Ver2.91の両対応であるため、規格からコネクタと系統の対応関係を推測する事も出来ませんので、分解して調べるとか、テスターで計測して推測するとか、そういう事をしない限りは判別できません。

  話は一旦戻りまして、冒頭で書きましたCPU+GPUのTDPを2倍してもTDPと消費電力は異なりますし、それで選んだ電源は最大負荷時に12V出力が高効率で変換できそうな電源かもしれないというだけでしかありませんので、結構適当な手法なんですが、12Vに2倍の余裕が有る電源なら他の出力も含め概ね問題無いだろうとという推量です。が、ここから先は5Vや3.3Vやスタンバイ電源その他の要素も注目して行きたいと思います。

  各電圧の消費電力を求めるには、PCに組み込む予定のパーツも含め、全てのパーツの消費電力を各電圧毎に最大電力とアイドル電力をカタログやデータシート等から抽出しておきます。記載が無い場合はメーカに問い合わせるか、買って実測するか、類似品から推測するしかありません。

  既に組んだ後でしたら、筆者の様に実測してみるのも良いかもしれません。

  これに加え、USBが最大で1ポートあたり5Vを500mA、USB3.0では1ポートあたり5Vを900mA要求しますから、ポートの数分だけ加算します。具体的にはUSB3.0が2ポートあれば1.8A追加、USB2.0が6ポートあれば3Aを5V出力に追加です。これをしておかないと、USBに機器を挿した瞬間にPCが強制シャットダウンしてしまう恐怖が付き纏います。

  同様に外付け機器がPC本体側に要求する最大電力を合算しておきましょう。

  合計最大が判りましたら、その1.2倍~2倍程度の出力が出来る電源を選択するのが良いと思います。

  ギリギリの設計は思わぬ不測の事態を招きますし、逆に多すぎる出力は不安定に成る事や、起動不良の原因に成る事もあります。適切な負荷が無いと電圧を安定させられない電源もありますので、電源モジュールの最低出力に関する記載も見逃さない様にして下さい。

  加えて、高効率を目指す場合は、自分の普段の用途での各電圧の消費電流を測定(理想はロガーで記録)して、その負荷状態で最大の効率が得られ、かつ、最大負荷時にも少し余裕を持って対応してくれる電源を選択すべきです。

 5-2:動作環境
  環境には、温度、湿度、AC100Vからのノイズ、電源投入時間、電源のON/OFF間隔など色々な要素が有ると思います。
  電源の仕様にそれらが記載されていますので、PCを組み稼動させる場合に適切な環境が常時保たれている事を確認する必要が有ります。

  温度が変わると最大出力が低下する電源も有りますので、注意が必要です。

  夏場の自宅に不在の時は部屋の温度が60度くらいになったりする事もありますが、そういった時に待機電力の為に発する発熱が適切に冷却出来ているかといった事は、盲点になりがちです。その対策として夏場はコンセントを抜く事も必要かもしれませんが、その場合はボタン電池が消費されますので購入後数年経過したマザーボードではBIOS設定がリセットされる可能性もあり、予めBIOS設定を記録しておく事をお奨めします。

  逆に冬場は特に寒い地方の早朝など、動作温度を下回る室温に成っている可能性もあります。だからと言って室温を上げれば良しと言う訳でもなく、電源が室温程度に温まるのを待った方が安定動作します。逆に室温が低いまま強制冷却ファンなどで更なる冷却をしてしまうと、正常に起動しなかったり、最悪は他のパーツを破壊してしまう恐れも有ります。

  湿度も場合によっては注意が必要です。結露などはもってのほかで、電源投入即炎上する可能性すらありますので、部屋が結露している場合はPC電源を入れる前に除湿などの対策をした方が良いと思います。

  乾燥した場合の影響は、筆者は知りません。日本は湿気の多い国ですから、特殊な場所を除いて、あまり問題にはならない様な気がしますが、気になる方は別途調べてみて下さい。

  電源のON/OFF操作は、突入電流を引き起こしますので、その都度、電源が劣化してゆく事に成ります。特に、OFFした直後にONするのは良くありません。筆者は最低でも10秒のインターバルを置いてから、可能であれば15分程度おいてから電源を入れるようにしています。突入電流の点からは常時電源ONの方が良いのですが、常時ONの場合は別の理由で劣化が進行しますので、1日1回、使う時にONにして使わない時にOFFにするのが良いかと思います。サスペンドや待機状態は筆者は使いませんので良く知りません。

  通常、AC100Vの電源ケーブルは、3端子あるいはアース線付きに成っていると思います。アースを設置するのがベストですが、家屋の改造が必要な場合もあり困難かもしれません。そんな時、アースを設置せずにアース線を放置しますと、思わず事故に見舞われる事もありますので、アースしない場合は、電源ケーブルのアース線をカットしておく事をお勧めします。

  これらを総合的に考え、自分の使い方、自分の使う環境、引越し・・・等を考慮に入れ、その環境で安定動作する仕様の電源を選択しましょう。

 5-3:コイル鳴き
  コイル鳴きには電源に限った事ではありませんが、電源が関係している事が多いと思います。個体差が有りますので、類似の電源を複数購入して一番鳴きが少ない物を常用し、残りは予備で保管しておくか中古市場で処分するのが良いと思います。パーツ構成を変えると鳴き始める事も有るので頻繁に構成を変える人は予備電源を常備しておくのも良いかもしれません。

  AC100V側からのノイズで鳴く場合と、CPUやGPUの負荷変動に連動して鳴く場合とに大別されると思います。

  筆者宅では掃除機(ダイソン)をかけるとPC電源が鳴き始めますが、そこまで気にする場合は綺麗な正弦波を出力する安定化電源やUPSをコンセントとPC電源の間に入れるのが良いと思います。但し、安定化電源やUPSのコイルが鳴き始めた場合は・・・

  分解して中を見るスキルが有る人は、鳴いているコイルを伸縮チューブで固定したり耐熱シリコンで固定するのも良いかもしれません。もっとスキルの高い人は、鳴いている時の波形を測定し、その波形が重畳した原因を元から或いはフィルタで除去する等もアリかもしれません。

  他に対処療法としては部屋の外にPCを出してしまうという発想もあります・・・

 5-4:ファンの動作音や風きり音
  一般的にファンの直径が大きい方が静かです。

  問題は回転数ですが、電源の温度に合わせて回転速度を自動調整するタイプと、常に全力で冷やしてくれるタイプが有ります。手動式のファンコンを搭載した品もありますが、私はお勧めしません。手動調整は面倒ですし常に温度をチェックしてないと不安ですから・・・

  ここでは、自動で回転数を調整するタイプに付いて語りますが、要は発熱し難いエアフローやパーツ選定が重要になってきます。

  変換効率の悪い電源は、その分が熱に転化され発熱が多くなりますので、風きり音を抑えるには変換効率の高い電源を選定する事が基本に成ります。

  また、出力容量が多い品ほどMOSFETに低抵抗品を使い巨大ヒートシンクになりますので、相対的に発熱を抑えられる可能性が高くなりますが、かと言って、あまりに高い出力を選択すると、低負荷時の変換効率が悪くなり、低負荷時の発熱が増えるので逆効果に成りますので、低負荷時の変換効率を参考にしながら高出力かつ高効率な電源を選択した方が良いと思います。

  エアフロー的には、CPU等の廃熱を吸い込む配置で電源を設置すると、必然的に電源ファンが高回転に成りがちですから、外気を吸い込める様なエアフローにした方がうるさくなり難いです。

 5-5:PC電源の構造
 PCPOWDG6.png
 要点として

 1)電源モジュールのAC100V端子脇に設置されているスイッチを切ると待機電力も含め全ての電力が完全に切断されます。

 2)電源モジュールは小型の制御用マイクロプロセッサを搭載していて、リセットにはAC100Vを上記スイッチ又はコンセントから抜いて切断する必要が有ります。切断後もしばらくは内蔵キャパシタによって電力が供給され続けますが数分~数十分間放置する事で制御用プロセッサをリセットする事が出来ます。

 3)待機電力は主電源と独立しています。無風状態で待機電力を生成し発熱している事に留意下さい。待機電力を入れたままカバーを掛けて無風状態にしてしまう事は故障や劣化の原因に成りますので自然対流を妨げない様にして下さい。

 4)COM/GND端子はケースに接続しています。主電源や待機電力がPCケースに触れるとショートしますから注意下さい。通常はショートすると保護回路が働いて電源を切断します。保護回路動作の基準は0.1Ωを検知する事が規格で定められています。保護回路が動作した後のリセットは上記の2)の手順を実施下さい。
プロフィール

DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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