ATX電源とATX12V電源とEPS12V電源とWTX電源とAT電源と・・・

最近、PC電源の事で色々ありましたので、規格やデザインガイドを眺めておりました所、下記の様な事が判ってきました。

ピンアサインの比較は、この記事を参照下さい。
各ピンの意味や用途に付いては、この記事を参照下さい。
6-Pin や 8-Pin の PCI-Express補助電源に付いてはこの記事を参照下さい。
ActivePFCの事や効率と力率に付いてはこの記事を参照下さい。

複数の規格に適合させた製品も有りますので、ご注意下さい・・・

AT電源 = PentiumMMX世代までの電源(今回は割愛)後段に追記しました。
ATX電源 = PentiumIII世代までの電源でAux(+5V/+3.3V)補助電源と-5Vが特徴。広義には以下の総称
ATX12V Ver1 = Pentium4世代の電源でCPU用+12V4pin補助電源が特徴
ATX12V Ver2 = Core2世代以降の電源でEPS12V電源と同じ24pin互換コネクタ
EPS12V = 複数CPU/複数GPU搭載のサーバ/ワークステーション向け+12V8Pinが特徴
WTX電源 = 上記EPS系電源が主流になる前にIntelが定めたワークステーション用電源
EATX12V = 調査中ですが、AsusのマニュアルにEPS12Vの誤植?として登場?
EATX 2.0 = 調査中ですが、AsusのマニュアルにEPS12V Ver2.0の誤植?として登場?

以下、各規格の詳細です。



・ATX電源(正式名:ATX Power Supply)
PIN-ATX-V1-2.jpg
※+3.3Vのリモートセンシングを行っている場合はメインコネクタの11pinが茶色になります。

ATX電源と言うと、今現在販売されている電源もATX電源だと思っている方が多いと思いますが、ちょっと事情が異なる様です。

ATX電源は基本的に・・・
1)主電源が 20pin
2)補助電源はAuxと言うタイプの+5Vと+3.3VのAT電源から引きついだ形状
3)-5V出力が有る
4)+5V出力が中心的な位置付け(TTL回路主体)
5)短絡保護は各出力毎に0.1Ωを検出して強制シャットダウン
です。

掲載ドキュメント(年代順)
※電源に付いて定めたドキュメントとATX仕様全般に付いて定めたドキュメントが有り、この2つのドキュメント間で整合性が取れていない記載がいくつか有りましたが、この問題は「ATX Specification 2.1 June 2002」にて、基本的には電源のデザインガイドを参照せよというニュアンスの記載に変わった事で一応の解決をみたと思われます。このブログでも基本的に電源のデザインガイドを優先します。
・ATX Specification 1.1 1996(未確認)
・ATX Specification 2.01 Feb. 1997
 IEEE1394用のオプション電源コネクタ追加(必須ではない)
 PWR_OKのタイミングが100ms~2000ms

・Intel ATX Power Supply Design Guide Version 0.9 Sep. 1998
 Auxコネクタ追加
 IEEE1394用のオプション電源コネクタに関する記載無し
 PWR_OKのタイミングが100ms~500ms

・ATX Specification 2.02 Oct. 1998(未確認)
・ATX Specification 2.03 Dec. 1998
 IEEE1394用のオプション電源コネクタ記載有り(必須ではない)
 PWR_OKのタイミングが100ms~2000msでデザインガイドと不整合

・ATX Power Supply Design Guide Version 1.0 Feb. 2000(未確認)
・ATX/ATX12V Power Supply Design Guide Version 1.1 Aug. 2000
 「ATX12V Power Supply」が追加になり+12V4Pinコネクタが定義された
 IEEE1394用のオプション電源コネクタに関する記載無し(以降のドキュメントは全て記載無し)
 PWR_OKのタイミングが100ms~500ms

・ATX/ATX12V Power Supply Design Guide Version 1.2 Jan. 2002
・ATX Specification 2.1 June 2002
 電源に付いては個々のデザインガイドを参照せよという記載に変わり、詳細が割愛された。



・ATX12V Ver1(正式名:ATX12V Power Supply)
PIN-ATX12V-V1-3.jpg
※+3.3Vのリモートセンシングを行っている場合はメインコネクタの11pinが茶色になります。

ATX電源のデザインガイドVer1.1で追加に成った規格で、現在販売されているPC用電源の多くは、この系統になります。この時点でATX電源とATX12V電源は別物だという記述になっていましてデザインガイドの名前も「ATX Power Supply Design Guide.」から「ATX/ATX12V Power Supply Design Guide.」に変更になり、後にATX電源がVer1.3で廃止になり題名も「ATX12V Power Supply Design Guide.」にVer1.1~Ver1.3の間に変更されてゆきます。

ATX12Vの誕生は、Pentium4 CPU が今までのPentiumIIIよりも大電力を必要とした為、それに合わせてCPU専用に補助電源コネクタを追加した事によると思われます。

ATX12V Ver1 の特徴として・・・
1)+12V 4pin の補助電源が追加に成った。
2)Aux 補助電源は基本的に廃止の方向。
3)-5V は基本的に廃止
4)160W~300Wを想定(EnergyStarの項に400W以上の想定もある)
5)+5V主体から+3.3V主体への移行期(TTLからCMOS回路主体への移行)
6)短絡保護は各出力毎に0.1Ωを検出して強制シャットダウン
7)Ver1系の最終Ver1.3でSATA電源が追加になった。
※基本的にという書き方が多いのは、この時点ではまだデザインガイドには記載が残っている為です。

掲載ドキュメント(年代順)
・ATX/ATX12V Power Supply Design Guide Version 1.1 Aug. 2000
 「ATX12V Power Supply」が追加になり+12V4Pinコネクタが定義された
・ATX/ATX12V Power Supply Design Guide Version 1.2 Jan. 2002
・ATX Specification 2.1 June 2002
・ATX12V Power Supply Design Guide Version 1.3 Apr. 2003
 「ATX Power Supply」が廃止になり「ATX12V Power Supply」に一本化
 SATA電源追加(オプション)
 -5V廃止

 EMC対策として、日本では JEIDA MITI に対応



・ATX12V Ver2
PIN-ATX12V-V2.jpg
※+3.3Vのリモートセンシングを行っている場合はメインコネクタの13pinが茶色になります。

現在、自作PC向けに販売されている電源の多くは、この規格の製品の様で、Ver2では PCI-ExpressスロットやSATA電源へ対応する為の仕様が盛り込まれています。

特徴として・・・
1)主電源コネクタが 20pin から EPS12V電源と同じ 24pin に変更
2)SATA 電源コネクタが必須
3)Power-OK 信号が 200ms~500ms のタイミング(規格上は100ms~500ms)
4)-5V及びAux補助電源は完全廃止
5)180W~450Wを想定(実際の製品は1200W以上も存在する)
6)PCI-Express GPU用 +12V 6pin/8pin 補助電源はデザインガイドに記載が無い
7)+5V/+3.3V主体から+12V主体への移行(低電圧化に伴うオンボードDC-DCの発達)
8)短絡保護は各出力毎に0.1Ωを検出して強制シャットダウン

掲載ドキュメント(年代順)
・ATX12V Power Supply Design Guide Version 2.0 Feb. 2004(履歴上はFeb. 2003)
 主電源コネクタが20pinから24pinに変更
 Auxコネクタが廃止
 SATA電源コネクタが必須に変更された(Version1.3ではオプション扱い)

・ATX12V Power Supply Design Guide Version 2.01 June 2004
 +12Vの2系統目のリプル許容範囲が200mVから120mVに変更
・ATX Specification 2.2 2003-2004
・ATX12V Power Supply Design Guide Version 2.1 Mar. 2005
・ATX12V Power Supply Design Guide Version 2.2 Mar. 2005
・Power Supply Design Guide for Desktop Platform Form Factors Revision 0.5 Jan. 2006
 ATX12Vを含む全てのPC電源のデザインガイドを統一(CFX12V, LFX12V, ATX12V, SFX12V, TFX12V)
・Power Supply Design Guide for Desktop Platform Form Factors Revision 1.0 June 2006
・Power Supply Design Guide for Desktop Platform Form Factors Revision 1.1 Mar. 2007
 Capacitive Loadの容量が倍増
 「Flex ATX Power Supply」が追加

・Power Supply Design Guide for Desktop Platform Form Factors Revision 1.2 Feb. 2008

簡単に申しますと、上記のATX12V電源と後述のEPS12V電源の両方に対応した電源がATX12V Ver2です。

ATX12V Power Supply Design Guide Version 1.3 2003で廃止された筈の「ATX Power Supply」という記述がドキュメントのいくつかの箇所で残っていますが、これらは修正漏れと思われます。

24pinに関する最初の記述はATX12V Power Supply Design Guide Version 2.0 2003-2004の1.2.3. Main Power Connectorに2x10から2x12に変更したという記述が最初の様で、細かい修正は有るのものの、現在の最新情報と思われるPower Supply Design Guide for Desktop Platform Form Factors Revision 1.2 February 2008の12項 ATX12V Specific Guidelines 2.31 でも24pinのままです。

GPU補助電源(IntelではGFX2x3pinと言う呼称の様です)の記載が無いのはデザインガイドをIntelが単独で製作している(現時点でGPU補助電源を必要とするGPU製品をIntelが作っていない)為と思われますが、Intelが検証済みATX12V電源としてリストで紹介しているHPには800W超クラスの電源も掲載されていますし、他のページには「ATX12V for high-end discrete graphics cards」と言う形で450W~600Wの電源も紹介しているため、ATX12V電源でのGPU補助電源も認めていると思われます。GPU補助電源はEPS12Vのデザインガイドには明確に掲載されています。
規格上はCPU補助電源が+12V-4pin1本のみですが実際の製品はEPS12V電源と同じ8pinのCPU補助電源を備えた物が多く存在しますし、GPU用の6pin/8pin補助電源を備えた製品も多数あります。
その為、筆者もそうでしたが、EPS12V電源と混同しておりましたし、もっというと同時にATX12VとEPS12Vへの対応を謡った製品も多数存在する為、実際の製品では違いが全く判りません。
規格上のEPS12V電源との大きな違いは、Power-OKのタイミングですが、ほとんどのATX12V電源Ver2の製品は(たとえ1000W超クラスであっても)EPS12Vの上位互換(つまり200ms~500ms)となっている様です。
また、デザインガイドに掲載されているワット数は180W~450Wの範囲(ATX12V for high-end discrete graphics cards では450W~600W)ですが、実際の製品では60W以下~1200W以上まで幅広いラインナップが存在します。
EPS12V電源専用マザーで利用する際に困る可能性が有るのは、総ワット数では満たしていても、EPS12V専用の電源に比べて+5Vと+3.3Vの出力が若干不足するケースが有りそうです。



・EPS12V(正式名:EPS12V Power Supply)
PIN-EPS12V292.jpg
ATX系の電源と非常に似ていますが、全く別系統の電源の様で、デザインガイドを製作しているのも別の組織の様です。
ATX/ATX12VはIntel単独でドキュメント化、EPSはIntel/HP/IBM/Dellなど複数の企業メンバーによるSSIフォーラムという団体がドキュメント化している様です。

特徴として・・・
1)主電源コネクタが 24pin
2)CPU補助電源が +12V 8pin/4pin 2~4個程度
3)Power-OK 信号が 200ms~1000ms のタイミング
4)550W~950Wを想定(実際の製品は1200W以上も)
5)PCI-Express GPU用 +12V 6pin 補助電源を明記
6)ATX/ATX12Vと比較して、全体的に1.5倍~2倍の出力
7)短絡保護としては記載が無く、最大出力の110%~150%で強制シャットダウン

Power-OK信号は馴染みの薄い方も多いかもしれませんが、ATX電源/ATX12V電源の場合は100ms~500msですから、この部分がATX/ATX12Vとは非互換です。
この信号はキャパシタ(電解コンデンサなど)の充電に掛かる時間を想定している様で、ATX/ATX12V電源と比べて出力の多いEPS12V電源では、より充電時間を多くとった為に非互換になっている様です。
規格制定当初はSATA電源やGPU補助電源が無い製品も多かったのですがデザインガイドにもワークステーションが明記されてハイエンドGPU用の補助電源仕様などが併記されています。(出典:SSI EPS12V Power Supply Design Guide V2.92)
他にワークステーション向けには5Vsbの強化が謳われ、それまで3Aだったのが最大6Aまで強化されています。5VsbはWOLの様な機能の他に、サスペンド状態でメモリに電力供給を行う為にも使われていますが、メモリを大量に搭載したワークステーションをサスペンドした場合、サスペンド中もメモリへ電力供給し続ける為には3Aでは不足と判断されたのだと思われます。メインメモリ以外にもGPGPU用にGPU側のメモリへも電力を供給するケースも有るかもしれません。
8Pin Processor Powerは規格上では+12Vが2系統に別れています。CPU側もコア電圧以外に複数電力を要求されますので、個々に別系統を確保していると思われます。
4Pin Baseboard PowerはPCI-Expressスロット側からPCI-Expressカードに送電する為に追加された様です。

残念な事に、筆者は未だ8pinのGPU補助電源コネクタが記載されたデザインガイドには辿り着けていません。従いましてコネクタの型番などが判りません。電気的にはCOM端子が増えただけなのですが(と言っても同系のCOMとショートしている必要が有るようですが・・・)詳細を定めた規格書的な物が有る筈なのですが規格策定団体以外には非公開な類のドキュメントなのでしょう・・・
8pinのGPU補助電源コネクタに付いては次段及びこの記事に書いています。

掲載ドキュメント
・EPS12V Power Supply Design Guide Version 1.7初版らしい(未確認)
・EPS12V Power Supply Design Guide Version 2.0 Sep. 2002
・EPS12V Power Supply Design Guide Version 2.1(未確認)
・EPS12V Power Supply Design Guide Version 2.8(未確認)
 GPU用 6pin 補助電源を定義
 SATA用電源追加
 5Vsb 2A -> 3A

・EPS12V Power Supply Design Guide Version 2.9(未確認)
・EPS12V Power Supply Design Guide Version 2.91 2002-2004
・EPS12V Power Supply Design Guide Version 2.92 2002-2004
 Dual GPU への対応を明記
 5Vsb 3A -> 6A

最新ドキュメント
・SSI PSDG 2008 Rev. 1.2 - Power Supply Design Guideline for 2008 Dual-Socket Servers and Workstations
#2009年版も存在するらしい(未確認情報)
#SSIフォーラムの参加団体でなければ最新ドキュメントは参照出来ないのかもしれない。



・PCI-Express補助電源
PIN-PCIe12V.png

このコネクタは上記のATX12VやEPS12Vのうち高出力品に追加されて販売されています。
PCI-SIG Developers Conference で発表された時のパワーポイント資料に明記されていました。
但し、8-Pinコネクタの型番は不明です。
詳しくはこの記事を参照下さい。



・WTX電源
PIN-WTX-V1.jpg
Intelがワークステーション専用電源として規格化した様です。他の電源仕様とピン配置や機能がかけ離れていた為かどうかは筆者の知らないところですが、これとは別にサーバ/ワークステーションベンダーと共同で規格を策定した上記のEPS系電源がワークステーションでも主流になり、事実上、消えてゆきました。7号機のDP-400はWTX仕様と言われていましたが、実際には全く異なる仕様の電源になって登場しました。あの当時は他のマザーボードにも専用電源や指定電源などが有り、過渡期というか規格迷走期的な感があり、それに加えて一気に市販電源の出力が倍増した時期でもありました。
その当時、変換コネクタ(ATX <-> WTX)付きの製品をいくつか見掛けましたが、今はもう探しても見付かりませんでした。

特徴として・・・
1)主電源コネクタの形状がATX12VやEPS12Vと同一で、ピンアサインが全く異なる
2)+12Vが用途別に出力系統別けされている
3)リモートセンス専用ピンが有る
4)電源ファン用ピンが決められている(ファンコネクタではない)
5)短絡保護は各出力毎に0.005Ωを検出して強制シャットダウン

参照ドキュメント
・WTX Power Supply Design Guidelines Version 1.0 Feb 1999



・AT電源
PIN-AT-n.jpg
当初は機械式スイッチで強制的なON/OFFをする仕組みだった様ですが、後期のAT電源にはソフト的にON/OFFが出来る様にATX系電源のPS_ONに相当する信号ピンと5Vのスタンバイ電源供給が出来る様になった物が存在する様で、複数の製品での採用例を確認しています。
また、同じく後期にはATX系電源のAUXコネクタと似たP10-Auxコネクタという物が+3.3V用に用意された様です。

参考資料
・AP440FX Motherboard Technical Product Specification (May. 1997 Intel)
#手持ちの実機ケーブルや複数のネット上での情報などからケーブル色を判断しました。



・PC用電源全般に付いて(省電力システム等は割愛)

PC用電源の出力は、概ね、
 6pin-PCIe無/1本 ~400W オンボードGPU~ミドルGPU
 6+2pin-PCIe 2本 ~600W ハイエンドGPU 1枚
 6+2pin-PCIe 4本 ~800W ハイエンドGPU 2枚
 6+2pin-PCIe 6本 ~1000W ハイエンドGPU 3枚
 6+2pin-PCIe 8本 ~1200W ハイエンドGPU 4枚
の様な形で+12V補助電源の出力でほぼワット数が決まり、+5Vと+3.3Vの出力は総ワット数とはほぼ無関係に製品ごとに個々に出力が異なります。
製造された時期が新しいほど+12Vに重点が置かれ、相対的に+5Vと+3.3Vの出力は減少傾向にあるような印象があります。デザインガイドに掲載されているコンフィギュレーション上もバージョンアップを重ねる毎に+12Vに重点が置かれるようになってきています。

正規のデザインガイドでは+12Vを複数系統に分割して出力する様に定められていますが、最近の傾向として+12Vを1系統に統合した製品が増えてきています。
これは、体系/出力系統が複雑化し過ぎた(エンドユーザに対して複雑過ぎる)為に、高出力電源を利用しても動作を安定させる事が出来ない自作PCユーザが多かった為ではないかと思われますが、変換効率なども関係しているかもしれません。

系統別けの主な理由は短絡保護ではないかと筆者は思うのですが、+12V80A以上もある様な電源の短絡保護がどの様な仕組みなのか興味が有ります。もしかしたら出力ケーブル単位で短絡保護が備わっているのかも?しれませんが、この辺りは後ほど調べてみたいと思います。
追記:
・ATX12V Ver2.31での短絡保護
 負荷が0.1Ω以下の場合に作動させる様に規定されていました。
 (これは出力系統ごとに別けて検出するように書いてあります)
 最大出力を超えた場合の具体的な数値は未掲載でしたが適宜シャットダウンが推奨されていました。
・EPS12V Ver2.92での短絡保護
 短絡保護としては記載が有りませんでした。
 最大出力(電流)の110%~150%の間で保護機構が動作する様に規定されていました。
・WTXでの短絡保護
 負荷が0.005Ω以下の場合に作動させる様に規定されていました。

短絡保護は、短絡(ショート)が取り除かれた場合は自動的に復活するようにと、ほとんどのデザインガイドに書かれています。

また、240VAプロテクションという保護指針の様なものが有る様で、簡単に言うと240Wを超える回路は危険なので一般の人が触れる場所に設置しない様に配慮するというものらしいです。
+12Vの系統別けは、短絡保護ではなく、どうやらこちらが当初の理由だった様ですが、12V 30A が4系統ある電源が筆者の手元に有る事を考えますと12V x 30A = 360VAですから全く当てはまらないですね・・・

他に、12V系統別けの理由として、電圧を安定させたりノイズを用途で別けるなど、色々とあるかもしれません。



・今回の問題点
今回の記事を書くキッカケを作った14号機で使っているマザー、X6DLPのマニュアルでは電源指定が ATX Power Supply Ver2.02 200W と書いてあり、かつマザーボード上の電源コネクタが 24pin + 8pin のEPS12V電源仕様だった為に混同と困惑(いつもの事ですがw)に至りました。

X6DLPは 20pin + 4pin の 160W電源を接続しても、CPU二基とメモリをフル装備(DIMMモジュール8枚搭載)状態で問題なく動作する為、言ってみれば、ほぼどんなPC電源でも動作しますよ的なデュアルソケットマザーで、省電力とファンレスを初めて試みた筆者でした。

今回問題になった電源モジュールでの原因らしきものは、X6DLPで電源投入時に発生する+3.3Vの突入電流が電源投入直後に電圧が+2.5Vまで上昇した時点で10Aを超える事に起因している様で、電源モジュール側が10Aを超えた瞬間に強制的に電源を切断する仕様になっていた為でした。但しpicoPSU-160(3.3V 8A-Max 10A-Peak)では問題なく起動し常用出来ています。picoPSU-160の場合は過度の負荷が瞬間的にかかっても、有る程度なら動作する様になっているのか、それとも、picoSPU-160では何らかの理由で10Aを超えるような突入電流が発生しないのかもしれません。が、現時点では理由が判明しておりません。最大出力の150%を超えた時に保護回路が働くとマニュアルに明記されていましたので、10Aを瞬間的に少し超えた程度では動作し続ける様です。

Intel発行の最新と思われるATX12V電源デザインガイドVer2.31(Power Supply Design Guide for Desktop Platform Form Factors 1.2. P63. ATX12V Specific Guidelines 2.31)にある180W電源のコンフィギュレーションでは3.3Vが13A-Max、少し古いデザインガイドVer1.2にある160W電源のコンフィギュレーションでは3.3Vが14A-Maxと言う形で時代と供に+3.3V出力は減少傾向にありますので、+3.3Vが8A-Max/10A-Peakと少ないのはpicoPSU-160も含め先進的な哲学で設計されている為だと思われ、CoreMA時代の初期に設計されたX6DLPとは馴染まなかった=相性不良が起きたのだと思います。



・ATX12V電源の認証/認定機関

Intel
http://www.intel.com/cd/channel/reseller/asmo-na/eng/35829.htm

80+
http://www.80PLUS.org/

EnergyStar (80+に統合された部分が有ります)
http://www.energystar.jp/



・電磁波遮蔽に付いて

電波防護指針(10kHzから300GHzの電磁波に対する国内指針)
http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/material/dwn/guide38.pdf

国内外の低周波電磁界に関する規制値
http://www.electromagnetic-wave.net/regulation_v/

社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)
http://www.jeita.or.jp/

FCC(米国)
http://www.fcc.gov/

EN(ヨーロッパ)
http://www.cenelec.eu/



・PC電源の今後を予想
既に産業用PCのマザーボードでは+12V単一入力の物が多数出回っていますが、自作PC向けマザーボードも+12V単一入力と言う時代が来るかもしれません。理由は簡単で、マザーボード上の各パーツが必要とする電圧はさまざまで、かつ低電圧化が進んでいます。その為、これと決まった複数の電圧を電源モジュールから供給する事にあまり意味が無くなって来た事と、電圧変換回路の小型化と大容量化が進んでいる為、マザーボード上に必要な電圧を生成する回路を組み込んだ方が全体としての効率が良いからです。特に低電圧化に伴うリモートセンシングや負荷変動時のインピーダンスとも関係してくると思われます。
この状況は今に始まった事ではないと思うのですが、それでも±12V/+5V/+3.3Vの各電圧が必要とされていたのは、主にPCIスロット( TTL 5V, CMOS 3.3V, Audio±12V )に起因すると思われます。が、PCIスロットが消滅してゆく現在、その役割は終わりつつあると思われます。
またユーザー側としても現状の複数電圧かつ複数の+12V系統が有る電源では、適切な電源モジュールの選択が困難で自ずと無駄な大容量化になってしまいますが、+12V単一電源であれば個々のパーツの最大電力を単純に足し算するだけで必要な電源モジュールを割り出せるというメリットが有り、かつ構造も単純化され低価格化も期待出来ます。
今後の+12V単一電源への足枷が有るとすれば、外部記憶装置(HDD/SSD/光学デバイス)での5V/3.3V電源と言う事になるかと思われます。実はSATA3からはSATA電源をマザーボードから供給する方向で検討されていた様ですが、これは+12V単一電源への1ステップとして考えられていたのかもしれません。筆者としては多ポートの高速RAIDカードの存在が頭にありますが、対してPCI-Express接続のSSDと言う方向や、光学デバイスのUSB化などもあります。
余談ですが、クラウド化が進む現代においてなおローカルストレージに固執する筆者は、恐らく、低レイテンシ・ジャンキー(高速アクセス中毒)なのだと思います。モバイル機器の遅い動作に筆者は多大なストレスを感じてしまい、買っても使わず、かと言ってデータ漏洩を恐れて処分も出来ず・・・を何度か繰り返しています(笑)


 
 
スポンサーサイト
プロフィール

DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR