Tesla K80 の2倍の性能を同一消費電力で

2010年に設立されたばかりの国内企業(資本金2億4千万)が、なかなか凄い物を開発した様ですので既に御存知の方も多いとは思いますが記事にして紹介しておきます。

性能は下記の通りで、恐らく同一消費電力のTesla K80に対して単精度で1.37倍、倍精度で2.06倍のピーク性能を出している様ですから、Maxwell のハイエンド版が性能では直接の対抗馬に成りそうです。

Tesla K80 (GPU Boost時)
 単精度 8.74TFlops
 倍精度 2.91TFlops
 搭載メモリ 24GB
 消費電力 300W

PEZY-SC Quad
 単精度 12TFlops
 倍精度 6TFlops
 搭載メモリ 128GB
 消費電力 300W (写真から推測:6Pin 75W × 4個)

PEZY-SCチップは単体で倍精度1.5TFlops@60Wの性能(Tesla K20X相当の性能を60Wで実現)で、これにメモリとPCIeブリッジの消費電力などを加算すれば4チップ搭載製品として概ね300Wで間違いない(ピッタリ当たらずとも遠からず)と思います。

このチップの巨大に見えるサイズと多過ぎる様にも思える端子の数は、恐らく独自の2048Bit幅を持つ32GBのメモリI/Fに起因すると思われ、今までのnVidiaチップが最大でも512Bit幅であり容量的に見ても最大12GBであった事を考えると本気度合いが伝わってきますね。

nVidiaは重ねてきた歴史とソフト&ハード両面での資産を背景とした各種の強みが有りますが、同時にグラフィックチップであるが故の演算には不要な回路と余計な消費電力が発生してしまう面があると思います。その為、これを改善する為ではないかと思われますがKepler世代からは制御系でCPUによる補助が必要になっています。

PEZY製品は歴史が非常に浅いため過去の資産はゼロに等しいという弱みが有りますが、それ故に自由な設計や負の資産を受け継いでいないというメリットもあり、スパコン分野で活路が見出せるポジションに立っていると思いますし、事実、既に電力効率を考えた場合のスパコンTOP500では第2位につけている様ですから、後は大量に投入さえすればスパコンTOP1に成る可能性さえ秘めていると思います。※制御系は内蔵されている2コアのARMが担う様です。

PEZY製品はC/C++には対応済みの様ですがOpen-CLには未対応の様ですから、従ってリコンパイル無しに既存のプログラムやベンチをそのまま使って性能を比較することは難しそうです。しかしカスタマイズやチューニングが前提のスパコン分野では大きな問題では無いでしょう。マーケティングに成功すればGPGPUやXEON Phiなどの演算アクセラレータに十分対抗出来る製品になりそうですし、1チップ品(1スロット、補助電源不要=66W以下)の演算カードをOpenCL 1.2対応したうえで$500~$1,000程度で販売出来れば確実に販路が拡大できると思います。というか、そんな仕様なら私も2枚欲しいです。

というか、日本の技術屋が開発した物って、いつも思うのですが、マーケティング込みでプロダクト全体のマネジメントが出来る人が居れば世界規模でブランド展開した表舞台で活躍出来る様になると思うのです。PEZY-SCチップもターゲットをスパコンだけに限定している所が非常に残念で、マルチメディア産業全体に浸透させられるだけの力を秘めていながら、OpenCLの開発をチップと同時着手していない事や、学術分野以外のマーケットに十分な訴求(Tesla K20Xの性能を60Wで・・・の様なキャッチ込みで)をしていないのが残念です。
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DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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