カタログスペックから選ぶPC電源


 80Plus認証を取得したPC電源リストの中から、カタログスペック(性能)のみで選別したリストです。耐久性や故障率などは未調査ですが概ね良好と思われる物を選んでいます。

 筆者が自分で買う場合にどれにしようか?と考えて選んだリストでもありますが、電源購入では毎回の事ですが国産ニプロンを選ぶか?それとも他の電源から選ぶか?で悩み、とりあえず最初にニプロンのカタログから合致する物を探して、希望に合致するスペックが無ければ他から探すパターンが多いです。今までは Seasonic の 80Plus Platinum SS-1000XP (終息) を選ぶ事が多かったですが、現行品からリストを作ると Super Flower が圧倒的に多いです。自作用で Super Flower はあまり聞かないかもしれませんがメーカー製PCやサーバに採用されている事が多いメーカーです。

選別基準:
 ・80Plus Titanium 認証取得
 ・同じ出力で効率が最も高いもの
 ・AC100V(50-60Hz)対応を明記しているもの
 ・販売終息品は除外
 ・AC波形が綺麗なもの

POWERCHOICE6.png

 力率と効率の違いに付いてはこちらの記事を参照下さい。

 参考として picoPSU-160-XT を掲載しています(この品は多くの偽物が出回っているので御注意下さい)、表中では10%負荷時のACアダプタの力率を25%として掲載していますが力率25%は推測値です。データシートに10%の計測値が掲載されていなかった為、負荷25%で力率48%(0.485)の記載を元に筆者が推測したのですから、本当はもう少し良い値かもしれません。

 ブレーカ欄は、皮相電力を元にブレーカのアンペアを概算したもので、どのコンセントに挿すか?を考える際に参考にする為に設けました。UPSを選定する際にも皮相電力やブレーカのアンペアは必要になる情報です。

 リストにして判ったのですが、500W品の100%出力時の損失と、1000W品の50%出力時の損失を比較すると、やはり高出力品を選択して50%くらいで利用するのが(発熱が少なく、その為ファン回転を抑え静音に出来るので)良さそうです。50%負荷時の12V出力のワット数を基準に電源を選択するのが手っ取り早いと思います(CPUとGPUのTDP合計を電源の12V50%出力に合わせると最も効率よく低発熱で静音に成ると思います)。

 筆者は、概ね下記の様な構成が多いです。
  CPU 100W × 2個 定格
  GPU 250W × 2個 ダウンクロック
 GPUをダウンクロックしている為、最大負荷を掛けても概ね500~600Wで、電源は冒頭に書きましたSeasonic 1000W品を搭載した機体が多いです。

 普段GPUをダウンクロックしているのは90℃を超える様な使い方は短命に成りますので負荷を掛けても70℃以下に成る様に設定している為で、ちょうどR9-FuryXを買ってR9-nanoの様な設定に変更して利用していると思えば御理解頂けるのではないかと思います。R9-nano登場以前は、こういった使い方はなかなか理解してもらえません(ミドルレンジのGPUを買ってオーバークロックした方が安くて性能も良いという意見が多い)でしたし、筆者自身も以前はこんな事をしていましたが、この後、GTX580が登場した際に3枚購入しまして、そのうち2枚を13号機に搭載してダウンクロックして利用しています。

 表中のAC波形は筆者個人の主観によるランク付けで、波形が綺麗な物(つまりノイズが少なく力率が高い物)をAランクからFランクまでランク付けしてDランク以下を選択から削除しました。
 概ね、下記の様な基準です。
 Aランク:電流の波形が概ね電圧波形に近い綺麗な正弦波
 Bランク:若干位相がズレているけれども、それ以外はAランクと同じ
 Cランク:小刻みなブレや歪みが有る
 Dランク:かなりよれている
 Eランク:大きくよれている
 Fランク:酷くよれている

 Aランクの例としては FSP Technology の FSP400-60AGTAA です。これはLenovoのOEM品として採用されている品ですが単品販売されているか?不明(未調査)です。Lenovoの保守パーツとして(従ってLenovoのパーツ番号で)流通している可能性はあると思います。

 Bランクの例はAndyson International の AD-700yyZZZ です。綺麗な波形ですが、若干位相がズレています。とは言え一般的なPC電源と比べると超優秀で、ニプロン電源Seasonic電源の多くはこれに似ていますが位相のズレがもう少し多い印象があります(それでもDランク以下の物と比べたら優秀です)。位相のズレは雷サージ保護回路に起因する物かもしれず、特にニプロンは0A出力対応に加え保護回路が凄く、各種保安基準や検査に合格させた物が多いので、その影響ではないか?と。その意味ではAランクの綺麗過ぎる電源には雷サージ保護は付いてないかも?しれません。

 Cランクの例は Enhance Electronics の ATX-1850 です。この品は玄人志向のOEM品 ( KRPW-TI500W/94+ ) に採用されていると思われ、国内でも比較的容易に入手出来ます。この品も 80Plus Titanium認証取得品ですから、普通に考えれば超優秀な電源です。SUPER FLOWER製電源の多くも似た印象の物や、もう少し小刻みに歪む物が多いですが SUPER FLOWERは効率が非常に(圧倒的に)高い=発熱が非常に少ないのが特徴と言えそうです。SUPER FLOWER でも1600Wのハイエンド品は筆者基準でAランクで、この品はEVGAが SuperNOVA 1600 T2 という型番で $400 くらいでOEM販売していますが AC115V仕様でしたのでリストには掲載していません。

 Dランク以下は、あえてここでは掲載しません。あくまで筆者の主観ですから御了承下さい。負荷変動時にどの様な変化をするか?など興味はありますが、それを知る為には入手して自分でテストしないとですね(そういったデータを自社Webサイトで公開している例もあります)。

 低出力品でありながら波形が物凄く綺麗な電源は、概ね大手のメーカーPCに搭載する為のOEM品である事が多く、そういった品は外見に拘りが無く安っぽく見えます。逆に外見が綺麗に塗装されていて自作用として単品購入出来る電源は波形が汚い物が多いです。表には掲載されていない200~350Wの良質な電源を探そうとするとOEM品ばかりで自作用としては販売されていないものばかりで、そういった品はオークション等で状態の良い物が出るのを待つしかないかもしれません。例えば2011年製の Delta DPS-300ADV などは非常に魅力的に見えるのですが、これと同等スペックの現行モデルで単品販売されている物は探しても見当たりませんでした。

筆者自作機の12V概算最大消費電力推移

POWERTRANSITION.png
ネトバ + VLIW の組み合わせが急速な消費電力増大に繋がった様です。AMD Zenで組む機体も700W前後に成るか?それとも・・・

00号機①:50W
 CPU Pentium w/MMX 233MHz TDP17W / MaximumPower22W ×2
 GPU GeForce 6200A PCI ×1 (12Vは最大6W)
 合計 22W x 2 + 6W = 50W

00号機②:26W
 CPU K6III+ @600MHz MaximumPower20W ×1
 GPU GeForce 8400GS PCI ×1 (12Vは最大6W)
 合計 20W + 6W = 26W

04号機:82W
 CPU PentiumIII-S @1GHz MaximumPower32W ×2
 GPU Parhelia 50W以下(うち12Vは最大12W) ×2
 合計 32W x 2 + 12W + 6W = 82W

05号機:340W
 CPU Athlon MP 2800+ MaximumPower60W ×2 (但し片側VRMは5V入力)
 GPU GTS250 GreenEdition + PCI下駄 140W ×2
 合計 60W + 140W x 2 = 340W

06号機:68W
 CPU PentiumIII-S 1.4GHz MaximumPower32W ×2
 GPU GeForce8600GT PCI 55W以下(うち12Vは最大6W) ×1
 合計 32W x 2 + 6W = 68W

07号機:254W
 CPU XEON MP 3GHz TDP85W / MaximumPower97W ×2
 GPU HD4670 TDP60W(MAX) ×1
 合計 97W x 2 + 60W = 254W

09号機:202W
 CPU Opteron 290 TDP95W ×2
 GPU Quadro NVS 280 12W ×1
 合計 95W x 2 + 12W = 202W

10号機:658W
 CPU XEON 5050 TDP95W / MaximumPower139W ×2
 GPU HD4890 TDP190W(MAX) ×2
 合計 139W x 2 + 190W x 2 = 658W

11号機:472W
 CPU Opteron 290 TDP95W ×2
 GPU 9800GTX+ 141W ×2
 合計 95W x 2 + 141W x 2 = 472W

12号機:172W
 CPU XEON L5240 TDP40W / MaximumPower70W ×2
 GPU GT730 23W ×1
 合計 70W x 2 + 32W x 1 = 172W

13号機:638W
 CPU XEON X5675 TDP95W (TURBO-OFF) ×2
 GPU GTX580 TDP224W ×2
 合計 95W x 2 + 224W x 2 = 638W

14号機:84W
 CPU XEON LV TDP31W ×2
 GPU GT730 23W ×1
 合計 31W x 2 + 23 = 84W

15号機:638W
 CPU Opteron 2387 TDP115W ×2
 GPU GTX285 204W ×2
 合計 115W x 2 + 204W x 2 = 638W

16号機:不明(実測最大消費電力40W)
 CPU VIA QuadCore
 GPU Chrome640IGP

17号機:770W
 CPU XEON E5-2670 TDP110W / MaximumPower135W ×2
 GPU GTX780ti 250W ×2
 合計 135W x 2 + 250W x 2 = 770W

18号機:772W
 CPU XEON E5450 TDP80W / MaximumPower133W ×2
 GPU HD5870 Eyefinity6 TDP228(MAX) ×2
 合計 133W x 2 + 228W x 2 = 772W

19号機:730W
 CPU Opteron 4184 TDP95W / MaximumPower115W ×2
 GPU HD6970 250W ×2
 合計 115W x 2 + 250W x 2 = 730W

20号機:730W
 CPU Opteron 6380 TDP115W ×2
 GPU HD7970 250W ×2
 合計 115W x 2 + 250W x 2 = 730W


 筆者の自作機2台を1個のコンセントに接続して最大負荷を掛けると、ブレーカのギリギリまで皮相電力が上昇し、そのコンセントと同系統のコンセントで何か他の機器を使うと・・・という事が判りますし、力率の悪い電源の場合は2台の負荷だけでブレーカ断されてしまう可能性が高いと思います。
 
 
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プロフィール

DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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