ファンレスPC電源@14号機 #1

14号機での利用を想定して、ファンレス電源を2個、購入しました。
ここに至る経緯は、以前、14号機の消費電力を測定した時の記事に詳しく書いてあります。

一つは、こういった製品の代表格として picoPSU の新モデルで 160W 対応の picoPSU-160 です。

picoPSU-160
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こいつは、平滑コンデンサに OS-CON の中でも特別に耐久性を強化した長寿命モデルのSVPSシリーズを4個使っていて基板の両面にぎっしりと部品が詰まっています。

もう一つは、「新技術つくば」という筑波大学の学生起業家が作った様な名前(実際はどうか知りませんがw)の昨年設立されたと思われる合同会社(昔の有限会社の様なもの)が作った・・・と言うか交渉?して特別に UP150SET-M3 ベースの高出力の試作機を売って頂きました。
μ-PUNIT100(200W改:試作機)
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こちらは、2ピース構成の製品で、picoPSUの本体に相当する部分・・・と言いますか、機能的にはそっくりのパーツと、PCケースのATX電源取り付け部分に螺子留めするAC-DC(AC100V→DC12V)部分に別れています。
分割した理由はメーカーHPに詳しく書いてありますが、配線を延長する事による電圧降下を防ぐ為らしいです。だとすると構造的にpicoPSUの方が若干有利ですが・・・
あと、picoPSUもそうなんですが、無造作に設置してしまうと特に12Vの電源ラインが大きなループになりそうなのでツイストペアに加工してしまおうと思っていますが、ツイストしてしまうとクランプを挟むのには不都合なので測定が終わるまでは、とりあえずタイラップで束ねておきます。

AC-DCはTDK-Lambda VS150E-12という既製品と思われるモジュール品を、レーザーカットした鉄板にリベットナットを付けて螺子留めして入力フィルターとスイッチを取り付けただけの物です
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通気孔の開き方が若干気に成ります・・・が、この件は次の次あたりの記事で明らかにしてゆこうと思います

本体?部分を見ますと、
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裏側にはセラコンらしき物が1個付いてるだけで、電解コンデンサは1つも無く、平滑コンはセラミックコンデンサ(と超小型のタンタル?)のみです。

試作機だからか?切り落とし忘れ?らしきバリというか余分な基板が簡単に取れる状態で付いていましたので、取っちゃいましたw
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二つを比較しますと、
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パーツの実装面積は、ほぼ同じですが、電解コンデンサが無いぶん片面と両面の違いがあります。
picoPSUは3層基板で5Vが中層になっていますが、試作機の基板(μ-PUNIT100)は両面基板なのでパターンが追い易いです。

試作機の方は、試作らしく3つあるコイルのうち2つが二階建ての並列構造(残る1つは5Vsb用)になっていたりしますが、とても綺麗にハンダ付けされており、まるでメッキして磨いたような光沢を放っていてフラックスの残渣なども全く見当たりません。
対してpicoPSUは鉛フリー半田特有の?ちょっと酸化したようなハンダになっていて光沢は無く若干残渣が有るようです。
(ハンダ表面の酸化の有無で鉛フリーかどうかを判断する事は出来ません。理由は窒素充填で酸化防止しながらハンダ付けをする方法などが有るからです)

どちらの品も、簡単に言ってしまうとDC12Vの単一入力を、ATX12V電源規格Ver2(24pin)の電源に変換する物で、これだけコンパクトで150Wクラス以上の出力が出来るATX系電源は、この二つくらいしか見付かりませんでした。両者とも5Vや3.3Vはスイッチング方式で降圧していますが12Vは入力をそのままMOSFETでON/OFF制御しているだけです。そして両者とも5Vsbは独立したコントローラが有り常時供給され、その他はPS-ONに連動して動作する中央のICで4つのMOSFETをコントロールして5Vと3.3Vを生成しているようで、つまり、大雑把に言うと仕組みもそっくり同じです。唯一の大きな違いは大容量電解コンデンサの有無くらいでしょうか・・・と思ってみていましたら、これは何でしょう???
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ICの型番CY8C211からデータシートを漁ってみますと「PSoC Mixed-Signal Array」と言うのが出てきまして、Harvard Architecture Processor ???どうやら、ワンチップマイコンを搭載している様で、こいつは内部にCPUやFlashメモリを搭載しており、想像ですが、利用状況のログを蓄積しているのではないかと思われ、回収した際に、利用状況を分析するのに使うのではないかと思われます。
空きパターンは外部とI/F接続する際の端子取り付けか?
あやうくMOSFETと勘違いしてスルーしてしまうところでしたが、なんだか、意外な物を発見したような新鮮な驚きがありましたw(とはいえ、PC用電源といえば多かれ少なかれ何らかのコントローラが必要ですから普通なのかもしれません)
HPにも故障した場合は返送して頂ければ修理しますといった記載が有りましたので、たぶんそうじゃないかなぁ・・・


・両者の仕様です。

picoPSU-160
 変換効率(DC12V→EPSATX24pin) 92%~96%(但し、AC-DCを含めるともう少し悪い)
 12V 8A(Max) 15A(Peak) 8mΩ-MOSFETによるON/OFF制御
  5V 8A(Max) 10A(Peak) ±1.5%
3.3V 8A(Max) 10A(Peak) ±1.5%
5Vsb 1.5A(Max) 2A(Peak) ±1.5%
-12V 0.05A(Max) 0.1A(Peak) ±1.5%

μ-PUNIT100(市販モデルの仕様、筆者所有の試作機とは異なります)
 変換効率(AC100V→EPSATX24pin) 85%~87%(80PLUS SILVER と同程度)
 12V 8.3A 10A(ヒューズ) → 試作機はヒューズ仕様不明でFETが二階建て並列改造16A?
  5V 5A(typ) 5.5A(過電流保護) → 試作機は8A(コイルが二階建て並列改造
3.3V 5A(typ) 5.5A(過電流保護) → 試作機は8A(コイルが二階建て並列改造
5Vsb 1.7A(typ) (電圧垂下型過電流保護) → 試作機も特に変更が無く5Vとは別回路
-12V 0.01A(typ)

最大出力は、大雑把に言えば使っているMOSFETの上限とコイルの巻き線の太さに依存すると思います。

・試しに、市販のATX電源テスターユニットを使って、チェックしてみました。

picoPSU-160 全て正常値を示しています。
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μ-PUNIT100(200W改:試作機)
PG信号が正常に検出できないようで、警告音が鳴っていますが、PCに接続した場合は正常動作すると思われます。(て言うか動作してくれ!)
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PWR-OK/PWR-GOODの信号線は先述のワンチップマイコン周辺まで配線が引っ張ってありますので、もしかしたら、マイコンのプログラムがコントロールしているのかもしれません。

追記:
μ-PUNIT100の製造元に問い合わせてみましたところATX電源の規格で定められた100ms~500msのうち最短値100msに設定してあるらしく、このATX電源テスターの測定限界がちょうど100msなのでギリギリ測定出来ずに0ms表示になっているようです。通常、100ms以上ですと数値が表示された上で警告なのですが、今回は0ms表示だったのでどういう事だか判らなかったのですが、ジャスト100msでPG信号を出していたとは面白いですね。こういう変り種は変態の筆者が大好きなアイテムですから、できればこのまま100msで使いたいと思います。筆者なりにATX12Vのデザインガイドを読んでみました所、このPWR-OK/PWR-GOOD信号とは、各電圧が規定の電圧の95%に達した時を起点として、そこから安定した電力が出力出来る様になるまでの時間の様です。
また、注意点として、PWR-OK/PWR-GOODが100msと言う事は、起動時間を最短にする一つの手法として考えられますが、オーバークロックと似たようなもので、限界までチューニングしてしまうと、マザーボードによっては起動出来ないような事態にもなりかねないと思っておりましたが、測定の内容等をお伝えしましたら、今後出荷するものは基本的には全て250ms設定で出荷するように修正する事にしたそうです。ですから、今後出荷するものは手元の試作機の様に警告は起きないと思います。また、要望の有る方は連絡すれば100msで特注も出来るそうですし、出荷済みの100ms品を250msに無償で修正もしてくれるそうです。

参考までに・・・
ATX電源の規格では100ms~500msですが、EPS電源の規格では200ms~1000msと倍の値が明記されていて、かつ+3.3Vで対応すべきキャパシタ(電解コンデンサなど)の容量も同じく倍の12000μFが記載されています(出典:EPS12V Power Supply Design Guide, V2.92)のでEPS電源指定のマザーボードの場合は100msのままですと規格外入力になってしまいます事を留意下さい。

ATX12V電源の24pin とEPS電源の24Pin の違い・・・
大雑把に書くと出力容量でATX電源とEPS電源を別けているようですが、一概にそうとも言えないようです。
デュアルソケットばかり扱っている筆者は、7号機ではWTX仕様を謳う専用電源、8号機以降の全てにEPS電源を使っていましたのでATX系統の電源は久しぶり(約十年ぶりw)だった訳ですが、今回の14号機はEPS電源と形状が同一の24Pinであってもマニュアルを参照しますと200WのATX電源Spec2.02(ATX power supply Specification 2.02)が指定されておりまして、かつ 12V 8Pin のコネクタが付いていて 12V 8Pin 補助電源が必要とも書いてあります(但しこのマザー用のSuperMicro純正電源は補助電源が4Pin仕様ですw)
ですから、14号機ではPWR-OK/PWR-GOOD信号は100msでOKな筈ですし、補助電源も4PinでOKな筈です。

ここは改めて別の記事でATX電源とEPS電源の差異に付いて掲載しようと思います。


他には、両方とも+12V2が+12V1よりも0.2V低いので、測定機側の誤差(もしくはコード長からくる電圧降下)かもしれません。試しにEPS24pin側を40cm延長してみましたが+12V1と+12V2の0.2V差には全く変化がありませんでした。

次回、実際に14号機に取り付けて動作状況を見てみます。変換効率が実際にはどの程度なのか実測もしてみます。
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DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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