IntelがOpenCL SDK (Alpha版) を公開

この記事の執筆時点では未だAlpha版ですが、OpenCL1.1に完全準拠している様で、いよいよ大御所が重たい腰を上げた様ですね。
http://software.intel.com/en-us/articles/intel-opencl-sdk/

ただしこのSDKには、詳しくは後述しますが、過去に中小IT企業を倒産にまで追い込んだ悪夢を再現させる要素が盛り込まれています。

それは何かと言うと“使い安い独自仕様”が盛り込まれている事です・・・

具体的には、

 cl_intel_printf

 cl_intel_overloading

という2つの独自仕様を追加している事で、前者はデバッグ用に随所に埋め込まれると思いますので無作法な人が組むと後々目も当てられません。ですが、もっと決定的なのは後者で、これが有るが為に移植性を著しく低下させています。とは言え人海戦術で時間と労力を掛ければ修正できそうではありますので致命的なレベルでは無いかもしれませんが注意していないと予想外の損失が発生するかもしれません・・・

全員が良識有るプログラマなら問題は起きないと思いますが、プロジェクトの中には新人も居れば後先考えず新機能を試したいという理由だけで埋め込んでしまうような人も必ず居て、よほどPMに統制力が無い限りは収拾がつきません。一旦埋め込んでしまうと、もうそれはIntelでしか高速には動かない物になり、nVidiaのGeForceやQuadroやTESLAを搭載したPCのパフォーマンスは低下し、AMDのRadeonやFireGLやFireStreamやFUSIONを搭載したPCに至ってはパフォーマンスの低下のみならず誤動作や動作しない可能性すら有ります。BulldozerとRadeonやFireGLを組み合わせると相乗効果で圧倒的な並列演算能力に成る事実を知っている技術者なら無難にIntelとAMDどちらでも動作するコードを書いた後にチューニングで個々の環境に合わせた最適化をしてゆくと思いますが、そこまで出来る技術者は少ないでしょう。

独自仕様が両者ともOpenCL1.2で正式に取り込まれる事を前提に先行導入したと言うなら未だ被害は少ないのですが、このまま独自な事を進められると苦労するのは良識有るプログラマや納期直前のPMで、最終的に痛い思いをするのはIT業界関連の経営層で、その痛みの分だけ得するのが大御所ですよ。

Javaに独自仕様を追加したM$もそうですが、それを判っていてマーケットの囲い込みを目的に意図的に組み込んでいるのがみえみえです。

ちなみにJavaの時は独自仕様に付いて法廷に持ち込まれながらも独自仕様を強化していったM$が法廷では負けたのですが、負けた時点で突然M$が供給を停止して駆け引きとかやりはじめて現場は大混乱。IT関連企業の損失額も莫大で、これが原因で倒産したIT企業も有ります。その結果としてクライアントサイドのJavaを絶滅に追い込み、代わって.NETが市場を席巻。裁判に負けて実益で勝った訳です。

この様な事を繰り返さない為にも独自仕様を辞める様に今の段階から圧力をかける団体が必要です。そうでないと、将来の混乱は必然的に訪れます・・・

もし、貴方がプログラマで、かつ独自仕様が有っても良いじゃないかと思ったなら、それは大きな間違いです。
新しい機能が必要に成ったのならば、次のバージョンの正式仕様に盛り込むのが先で、その仕様に則った物を出荷すべきなのです。それをしないのは交通ルールを守らずに歩道を車で暴走して快適だよと言っている事と同義です。

Alpha版の段階で未だ本体が未完成なのですから、あとからとって付けたような独自仕様の追加にパワーを注ぎ込むのではなく本筋の完成を最優先にして欲しいものです・・・けれども、現実はきっと独自仕様部分の完成度が非常に高く使い安いようになっていて、甘い誘惑にかられたプログラマがそれを使ってしまう様に出来ているんだろうなぁ・・・と思います。実際、私もこの2つの独自仕様は有ったら便利だと思いますし、すぐ使ってしまいそうです・・・
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DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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