OSのライセンスに付いて考えてみる

前置きが長くなりますので、気の短い人は赤字で書いた所から読んで下さい。

この記事を書いたキッカケですが、筆者は既に数十台のPCを自作しており、それに比例してOSのライセンスも大量に購入しておりまして WindowsXPとWindows7だけでも20個以上のDSP版ライセンスが有り、他にもボリュームライセンスやMSDNの開発者用ライセンスなども有り、収拾が付かなくなって来た為に一度整理しようと思った訳です。

写真は手の届く範囲にあったパッケージを並べてみたのですが、倉庫の奥にはもっと大量に(古くはフロッピー版のWindows95なども)あります。
DSC01824.jpg
左端が Visual Studio .NET Enterprise Architect MSDN DX 優待版とそのアップグレード版ですが60万くらい支払った様な記憶があり、毎年更新料が必要でした。こいつにはサーバを含むMS製の全OSと全ソフトの全エディションがセットに含まれていて開発用途限定ですが全て使う事が出来ました(毎月大量のDVD-ROMが郵送されてきたが途中からISOファイルのダウンロードに切り替えた)。中央はXPと7のDSP版Ultimate/Professionalで、各2万くらいですから、ざっと20万は超えてます。32Bit/64Bitの両方を買ってマルチブートにしたりもしました。右端はVista Ultimateのパッケージ版、他にDSP版も多数持ってますが倉庫の奥です。あと右下は窓辺ナナミちゃんのCDですが何に使うのか知りません、OSを買うと付いてきます。そんな訳で、たぶん対MSのお布施は合計100万を軽く超えてると思います。

ボリュームライセンスで一括して管理という手段もありますが、そう単純なものでもありません。作りかけのまな板上で仮組みした物や、実験目的で頻繁に構成変更するものなどもあり、台数を正確にカウントする事は事実上無理だという事情もありますし、一度に大量に自作するのではなく年数台を作りつつ増えてゆくので、一括購入でライセンス数は?と聞かれても流動的で回答出来ない訳です。

さて本題ですが、OSやその他のソフトウエアのライセンスは、一般的に製造元からの貸与つまりレンタルです。
利用者はOSやソフトを購入するのではなくレンタル利用料金を支払う代わりに、利用する権利を得ます。
ライセンス購入とも言いますが、これはOSやソフトそのものを購入するのではなく「利用する権利」を購入する事になります。
最近はあまり起きなくなりましたが、NICのテストなどで頻繁にカードを交換する時など以前は構成をちょっと変えただけで再アクティベーションに成り電話対応で疑われて長電話に成ったりしていました。こんなにお布施してるのに・・・と腹の立つ事もありました。

本来の意味での購入、つまり、著作権などを含めたOSやソフトウエアの全権利を買う場合、数千万↑が一般的で、Windowsの全権利ともなると国家予算レベルの金額に成ってしまい、とても個人で易々と購入出来る代物ではありません。なぜそんなに高額なのかと言うと、ソフトを1本開発する行為は、企画立案・マーケティング・設計・プロトタイピング・製造・テスト(バグ取り)・販売・保守と色々な段階を経ており、他のもので例えるなら大河ドラマやSF映画の製作に似ているかもしれません。映画なら数百~数千円を払って1回視聴する訳ですが、それは視聴料であって著作権料ではない事と似ています。

これに対して無料OSや無料ソフト(フリーソフト)も世の中に数多く存在します。無料と言っても個人で利用する権利を無料で行使できるだけですが、代表的なものとして Linux や OpenOffice が有り、これらがMicrosoftの最大の敵と言えるでしょう。何故無料なのかと言うと、著作権を持っている人が無料で配布する事を希望しているからという単純な理由です。つまり、無償でボランティア活動に参加している人達が居て、彼らの努力の成果を無償で公開している訳です。有り難い事です。但し注意が必要なのは無料といいつつ使っているうちに後で請求されるソフトも多々有りますので注意が必要です。明らかな詐欺もありますし、詐欺との区別が難しいくらい巧妙に合法的に電話料金と一緒に知らず知らずに請求される場合もありますので、契約書は熟読する事をお勧めします。読んでいるうちに利用しない方が良いと判断したソフトも過去にいくつかありました。例えば「無料で利用する代わりに個人情報を広告宣伝の為に各企業に提供し利用する事に同意します」などと書かれている事があります。あと、無料で有名な Linux や OpenOffice でもパッケージとして有料で売っている事もあり、それが何故有料なのか根拠を正しく理解するのは困難です。

話を戻しますが、一般的にOSのライセンスは1ライセンスでPC1台ですが、では、その1台ってどういう基準なのか?という疑問が沸いてきます。
 疑問1:パソコンを廃棄する場合のライセンスは?
 疑問2:パソコンを改造した場合のライセンスは?
 疑問3:パソコンを自作した場合のライセンスは?
 疑問4:仮想PCのライセンスは?


それぞれ、マイクロソフトに問い合わせた回答を書こうと思いますが、現時点では今までの筆者の認識と過去に問い合わせた時の回答の記憶などを書いておき、後ほど正式な回答を待って順次更新してゆきます。

疑問1:パソコンを廃棄する場合のOSライセンスは?
 通常、購入したパソコンを廃棄する場合、ライセンスも一緒に廃棄する事に成ります。PC本体は廃棄するけれどもOSのライセンスだけ手元に置いておき別のPCを買った時に使うといった事は出来ません。これは市販PCのOSは、そのPC本体とセットで使う事を前提とした契約だからです。
 もし、リサイクル業者がリサイクルする場合、そのまま販売するか、再生中古PC用のライセンスを新たに購入してセット販売する事に成ります。再生中古PC用ライセンスとは、廃棄されたPCを再利用出来るように改修して型遅れOSではなく最新OSを入れて再販する時などに使われるライセンス形態です。

 
疑問2:パソコンを改造した場合のライセンスは?
 メモリの増設程度なら経験のある方も多いと思いますが、他にCPUをアップグレードしたり、光学ドライブをBluRay対応に交換したり、ゲーム目的でグラフィックボードを交換したり、地デジチューナーを入れる人も居ると思います。まぁ、この程度なら改造というより部品の増設や交換ですから、あまりライセンスに対する疑問は沸かないと思いますが、OSの入っているHDDをSSDに変える場合は若干躊躇しますよね?HDDにはOSが入っている訳ですが、それをアンインストールする訳でもなく別のSSDに再度インストールするので、これって大丈夫なんだろうか?と・・・もっと凄い例だと、筐体以外のパーツを全て交換してしまう場合や、中身を取り出して筐体を変えてしまう場合です。市販品はライセンスの番号が書いてあるシールが筐体に貼り付けてありますので、中身を全て入れ替えても大丈夫な気もしますが、それって既に別物ですよね? 逆に筐体のみを交換した場合、PCとしては全く同一の機能ですが見た目が変りシールも張ってありません。シールは上手に剥がさないと判読できなくなりますが、元の筐体から判読出来る状態のまま剥がして新たな筐体に貼るとOKなのか?どうなのか?MSに聞いてみようと思います。筆者の記憶では筐体とライセンスが一対で中身を入れ替えてもライセンス的にはOKだった気がします。そうでないと、メモリ交換->CPUアップグレード->グラフィックボード交換->SSD化->と少しづつアップグレードしていった時に、どの時点でライセンスが無効に成るのか(或いは成らないのか)判断が難しいですよね?
 この件に関するMSの回答:
 「基本的には、パソコンメーカーの判断によります。」
という回答でした。
 つまりメーカーに丸投げですが・・・
 パッケージ版の場合、MS対個人の契約ですが、メーカー製PCに当初から入っているOSの場合、ライセンスはメーカー対個人の契約になるらしく、契約条項をメーカーに問い合わせるのが筋という事に成る様です。
 細かな話は割愛しますが、CPUを交換しただけでライセンス違反に成る可能性も有り、逆に、全てのパーツを交換してもOKかもしれず、その判断基準はパソコンメーカに委ねられていて、個々の状況に付いてMSは回答出来ないという回答でした。HDDやSSDの交換は問題ないけれども、最終的にはメーカーに問い合わせる必要が有る・・・つまり、そんな細かい事はMSに聞くなという事の様です。メーカーのみならず機種によっても判断基準が異なるらしく、個々の機種に付いてメーカーに問い合わせる必要が有るらしいです。
 では、そのメーカーが潰れて既に無かった場合は?と問い合わせたところ「自動認証が出来なかった場合には電話で認証窓口に問い合わせて下さい。その時に回答させて頂きます。」という回答でした。つまり自動認証で通過すれば問題無い様です。「念の為、メーカーが潰れた場合のサポートはどうなるのかをメーカーが潰れる前に予め問い合わせて下さい」と2回も言われたので、買う時には聞いておいた方が良いのかもしれませんが、失礼な話ですよね?


 
疑問3:パソコンを自作した場合のライセンスは?
 これが筆者にとって最も厄介な問題です。通常DSP版と呼ばれるライセンス(冒頭の写真中央)形態のOSを購入する訳ですが、これはパーツとセット購入し、そのパーツを使って自作したPCへのライセンスに成ります。では、構成を変える場合にどうなるんでしょう???筆者は毎回フロッピードライブとセット購入していますので、筆者の自作PCには必ずフロッピードライブが付いています。これを取り外すとライセンス違反です。逆にフロッピードライブさえ付いていれば(わざわざフロッピードライブを単体購入しないので)ライセンス違反には成らない様に思いますが、では、マルチブートの場合はどうするんでしょう?OSの数だけフロッピードライブを接続するのでしょうか?USB接続にすれば不可能ではありませんがナンセンスです。パッケージ版も併用してますし、MSDNの開発用ライセンスも有ります。ボリュームライセンスだって持ってます。しかもPCの構成は時々変ります。マザーボードを入れ替えたり、HDDをSSDにしたり、そんなのは日常です。まな板上の仮組みPCはフロッピードライブのケーブルを外した瞬間にライセンス違反に成るのでしょうか?だとすると故障時の切り分け作業が困難です・・・簡単に言うと既に収拾がつかない状態に成っています。唯一つ言える事は、稼動状態のPC台数より、ライセンス数の方が多いという事くらいで、どれがどれと対応してるかなんて既に誰にも判らない状態です。まぁ、シールの脇に購入時に使うCPUアーキテクチャを書くようにしているので、概ね対応がとれる様には成っていますが・・・
 この件に関するMSの回答:
 「DSP版に付いては、販売店の判断によります。」
という回答でした。
 つまりライセンス条項も販売店に丸投げですが・・・
 パッケージ版の場合、MS対個人の契約ですが、DSP版の場合は、ライセンスが販売店対個人の契約になるらしく、契約条項を販売店に問い合わせるのが筋という事に成る様です。
 細かな話は割愛しますが、「基本的にはDSP版とセット購入したパーツを接続してさえいれば、PC構成を頻繁に変更しても構いません。」という回答でしたが、個々のケースに付いての判断基準は販売店に委ねられていて、個々の状況に付いてMSは回答出来ない」という回答でした。
 私の質問は「マルチブート用に複数のDSP版を購入する場合、セット販売のパーツは1個でも構わないか?」というものでしたが「最終的な判断は販売店に委ねられています」という回答でした。
 「販売店によって異なる回答が有った場合は、再度MSに問い合わせて下さい。」と言われましたが、販売店が自分に都合の良い回答をしてくれたのであれば、それで構わないと言う回答も頂きました。この辺から電話対応も若干投げやり気味な回答になってきました。MSにとってはライセンスだけが飯の種なのにそれで良いのか?という気もしますが、そんな細かい事は国家予算に匹敵する巨大なMSにとって、もうどうでも良い事なのかも知れません。自作erなら都合の良い回答をくれる店員を確保しておくのも一つの手かもしれません。


 
疑問4:仮想PCのライセンスは?
 筆者はVMwareのライセンスも複数かつ多数のバージョンを持っています。元々は開発したソフトのテスト用でした。その為、各種OS(Linux/BSD/Solaris/DOS-J/旧Win各種その他)を入れた状態で保存してあり、いつでも各種OSが使える様に成っています。最近は初めて使うソフトのテスト用の砂場として使っています。ところで、Vistaでは確かXPモードっていうのが有りました。では、Vista上のVMWareで仮想PCを起動しXPをインストールする場合には、どんなライセンスが必要なのでしょうか?DSP版とセット購入したフロッピーを仮想PCに接続する事が可能ですが、それはOKなのか?そのVistaを7にアップグレードしたら仮想PC上のXPのライセンスはどうなるんでしょうか?更に仮想PCはファイルですから、コピーが簡単です。コピーしたらどうなるんでしょう?移動したらどうなるんでしょう?
 この件に関して、筆者はMSDNの開発用ライセンスを使っています。仮想マシンのファイルはRAID-1を組んだHDD上に置いてあり、そのHDDはリムーバブルケースに入っているので、簡単に別のホストPCへ移動出来る様に成っています。こういった形態の場合は仮想PC上のセキュリティーソフトのライセンスが厄介なのですが、仮想PCはMS製のセキュリティーソフトで統一したので、たぶん問題無いと思います。けどMSDNのライセンスを持ってない人はどうするのが妥当なんでしょうかね?
 この件に関するMSの回答:
 「Windows7(Pro/Ultimate)付属のXPモードはVirtualPCとXPのセットであり、他の仮想環境では利用出来ません。」
という回答でした。つまりVMWare上ではXPモードのライセンスは利用出来ません。
 ではVMWare等の仮想PC上でDSP版のOSが利用出来るか?という問い合わせに対しては「販売店の判断によります。」という回答でした。一般ユーザが仮想PC上にOSをインストールする場合は、別途(仮想PC専用に)パッケージ版を購入するのが基本だとも言われました。


 
参考までに・・・
普通の人がOSを単体購入する場合、パッケージ版が最も妥当な選択かもしれません。理由はMSのサポートが受けられるからで、逆を言うとDSP版はMSの直接サポートが受けられません。
また、筆者の様にソフトウエアやハードウエアの開発&テストに限った用途であれば、やはりMSDNが最も安価に購入出来ます。OSのみ(MSDN OS)であれば参考価格9万円で各種OSを入れ放題です(あくまで開発・テスト・評価目的に限定)。

今回、ライセンスに付いて誰と契約しているのかを始めて認識する様に成りました。パッケージ版はMSと契約、OEM版はメーカーと契約、DSP版は販売店と契約、じゃあ、海外購入した場合はどうなるんでしょうね?その辺を機会が有れば再度聞いてみます。
ところでMSとの契約っていうのは米国本社との契約なのか日本MSとの契約なのか?あえて聞きませんでしたが、どっちなんでしょうね?

今回の記事につきまして、電話で真摯に対応して頂きました日本MSの電話サポートの方々に感謝致します@2012/6/13
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DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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