4-Port (内2/外2) USB3.0 カードを比較してみる

※この記事に掲載されております4K-QD32の速度やCPU負荷は最大で40%程度の誤差が有ります。詳しくは双発電脳とUSB3.0プロトコルオーバーヘッドの記事を参照下さい。(シーケンシャルアクセスは2~5%程度の誤差です)


ブラケット側に2ポート+内側ピンヘッダ(2ポート)の合計4ポートを備える下記の4製品を比較してみます。

DSC02003.jpg

1:AREA Over Fender 2
 Chip:VLI(VIA) VL800
 I/F:PCIe Gen2 x1

2:Speed Dragon EU306C
 Chip:Renesas μPD720201
 I/F:PCIe Gen2 x1

3:HIGHPOINT RocketU 1142A
 Chip:PLX PEX8609ASMedia ASM1042 × 4
 I/F:PCIe Gen2 x4

4:SilverStone SST-EC04
 Chip:TexasInstruments TUSB7340
 I/F:PCIe Gen2 x1

追加で、11月15日発売のETRON製チップ1個で4ポートかつPCIe x4に対応したArea SPORT QUATTROという製品がありますので(内2/外2ではありませんが)比較用に購入して検証してみました。結果、マシンへの組み込みはドライバ成熟まで待ってみる事にしました。

接続デバイス
 接続するデバイスはSATA3対応が明記されたUSB3.0変換経由でIntel SSD 330を4台同時接続して計測します。

1:Owltech OWL-EGP25/U3
 Chip:ASMedia ASM1051E
 ※:この製品はメーカーHPではSATA2ですが製品の箱がVerUPしていてSATA3対応です。

2:玄人志向 KRHK-SATA3U3
 Chip:ASMedia ASM1051E

3:玄人志向 KRHC-SATA3/U3
 Chip:ASMedia ASM1053

4:Silverstone SST-RVS02B
 Chip:ASMedia ASM1051

※:今のところASMediaチップに偏っているのでRenesas μPD720230搭載品も試してみたいところですが、搭載品に巡り会えていませんorz

動作環境
 動作環境は後述します17号機(Z9PE-D8 WS)です。
 このマシンを動作環境に選定した理由はCPU直結のPCIe Gen3 x16が4本有るためデバイスの潜在能力を最大限活用出来る可能性が一番高いと思ったからです。



結果@Windows7縛り

 接続デバイスとしてネット注文したSilverStone SST-RVS02Bは入荷待ちですが、他の3種で試してみました。入荷次第、追試します。Silverstone SST-RVS02B の代わりに裸族のお立ち台USB3.0を使って4台接続してみました。裸族の現行品はSATA2までの対応の為、若干速度が低いです。

 計測中は常にDVDを再生していましたが、映像や音が飛ぶ事はありませんでした。他に、各製品に共通している事としてDPCLatencyも特に目立った突き上げは無く終始穏やかでした。CPU負荷も速度比では差が無い様に思われます。

 VIA(VLI) VL800を搭載したAREA OverFender2は、未だドライバが未完成なのか、それとも相性問題なのか(特に接続したOwltech OWL-EGP25/U3が時々フリーズ)、とにかく高負荷を掛けると不安定で、頻繁にデバイスを見失います。この現象は個体差や初期不良ではなく、複数のAREA OverFender2で試して同じ症状が出ますので、製品自体が問題を抱えていると思われます。対して他の3製品は全く問題無くスムーズに動作しましたし他の3製品とであればOwltech OWL-EGP25/U3も軽快に動作します。

 Renesas μPD720201を使ったSpeed Dragon EU306Cが、SSDを1台接続しての計測では最速でした。

 ASMedia ASM1042を4個搭載したPCIe x4のHIGHPOINT RocketU 1142Aは、SSDが1台では上記Speed Dragon EU306Cより若干遅いですが、チップを4個搭載しているだけあって4台同時計測時は圧倒的に高速です。

 TI TUSB7340を搭載したSilverStone SST-EC04は、CPU負荷が最も低かったのですが、それに比例してベンチマークスコアも最も低かったので、極限性能は追求しないがCPU負荷は低い方が良いという場合に重宝するかもしれません。具体的には4コア以下のCPUを搭載するシステムで利用する様な場合に他の製品を使うとCPU負荷が100%に成ってしまいUSB3.0を利用中に他の事が出来なくなってしまう可能性が有りますが、この製品ならそう成り難いと思われます。

 11月15日発売のETRON製チップ1個で4ポートかつPCIe x4に対応したArea SPORT QUATTROという製品もありますので(内2/外2ではありませんが)後ほど比較用に購入してみようと思います。

以下、スクリーンショットや環境や背景など。
※:SSDの性能測定ではなくUSB帯域の測定が目的ですから常に0FILLで測定しました。

AREA OverFender2 + SSD4台同時測定
AREA-OverFender2_4台同時

Speed Dragon EU306C + SSD4台同時測定
SpeedDragonEU306C_4台同時

HIGHPOINT RocketU 1142A + SSD4台同時測定
HIGHPOINT_4台同時
速度に比例してCPU負荷も他の製品の時より高いです。

SilverStone SST-EC04 + SSD4台同時測定
SilverStone_4台同時

AREA OverFender2 に接続したSSDを1台づつ個々に計測
AREA-OverFender2_1台づつ計測

Speed Dragon EU306C に接続したSSDを1台づつ個々に計測
SpeedDragonEU306C_1台づつ計測

HIGHPOINT RocketU 1142A に接続したSSDを1台づつ個々に計測
HIGHPOINT_1台づつ計測
単体で若干遅く感じるのはブリッジを経由している為でしょうかね?

SilverStone SST-EC04 に接続したSSDを1台づつ個々に計測
SilverStone_1台づつ計測

AREA OverFender2 4K-QD32 時のCPU負荷
AREA-OverFender2_4KQD32時のCPU負荷

Speed Dragon EU306C 4K-QD32 時のCPU負荷
SpeedDragonEU306C_4KQD32時のCPU負荷

HIGHPOINT RocketU 1142A 4K-QD32 時のCPU負荷
HIGHPOINT_4KQD32時のCPU負荷

SilverStone SST-EC04 4K-QD32 時のCPU負荷
SilverStone_4KQD32時のCPU負荷
このチップ用のドライバ・ワーカスレッドのみCPU負荷が低い様です。製品(SST-EC04)としては保護回路が無い点が筆者的に気に成りますがチップ側(TUSB7340)にプロトコル変換をハード処理出来る仕組みが内蔵されているのではないかと思われるCPU負荷の低さ(後ほど暇があればデータシートを見てみます)が好印象です。仮にハード処理しているとしても残念ながらCPUで処理するより若干遅いハード処理の様ですが、とは言えコア数の少ないシステムで利用する場合や、CPUを他の処理に全力であたらせたい現場ではCPU負荷の低い良チップと言えそうです。



開封:
1:AREA OverFender2(SD-PEU3V-2E2IL)
DSC01941.jpg
 この製品のOEM元は未調査ですが付属CDのデザインが後述のSpeedDragon製品と一緒です。チップにはVLI(VIA) VL800 (PCIe x1 <-> USB3.0)を使っています。
DSC01942.jpg
 USB2.0世代のVIAチップはCPU負荷が高くて不評でしたがUSB3.0世代ではどうなったのか?割り込み応答性や音のドロップアウトなども含め検証してみます。

2:Speed Dragon EU306C(FG-EU306C-2-BC01)
DSC01938.jpg
 この製品は近々AREAからOverFenderRという名前で発売される様ですが筆者はOEM元?から先行入手しました。ロープロ用ブラケットは付属していませんがAREAブランドの場合は付属するのかもしれません。
 チップはRenesas μPD720201 (PCIe x1 <-> USB3.0)を使っています。USB3.0ではデファクトスタンダードと言われてきたRenesasチップですから比較対象として適していると思っています。
DSC01939.jpg
Renesasでありながら中国製なのが少々残念ですが・・・ていうか円高どうにかして欲しいですね。最近は円高歓迎としている意見が多くマスコミ報道されていますが、その根拠は円高が一部の輸出企業にしか影響しないとか・・・実態として国内需要も外国製の安価な商品に駆逐され壊滅して行く事に触れている意見があまりない事に違和感を感じています。

3:HIGHPOINT RocketU 1142A
DSC01931.jpg
 筆者的にはこの製品への期待度が最も高いのですが懸案事項もあります。
 構造的にはPCIe x4 <-> PEX8609ブリッジ <-> ASMedia製ASM1042コントローラ×4個という豪華な構造です。
DSC01932.jpg
 つまりUSBポート1つに対して1個のチップが専属対応しますので、複数ポートに機器を接続した際にも個々のポートの速度が低下しない様に配慮されていて合計帯域20Gb/sをうたっています。
DSC01934.jpg
 電源も他社製品と比べると豪華で、単純に補助電源からの5Vをそのまま出力するのではなくPCIeスロットから給電される12Vを降圧する事で最終的にUSBポートから5Vが出力出来る様に成っていると思われます。これが何を意味するかといいますと補助電源の5Vを保護回路経由でUSBポートに出力しますと電圧降下で4V近くまで下がってしまう事がありますが、それを回避して常に5Vを出力する事で安定動作を目指していると思われます(USBの規格上は5V±0.25Vで4.75Vが必要最低電圧です-> USB3.0の最新規格では4.45Vに成っていました。更にデバイス側は電圧降下を考慮してか4.0Vで動作する様に書いてありますので現状を考慮して修正したのかもしれません。
 つまり、価格競争の為に部品点数を極力削減した他社製品とは異なり、価格より性能や安定動作を追求した豪華仕様の製品です。
 にもかかわらず筆者が懸案事項をあげていますのは、ブリッジを介している事で構造が複雑に成っていますので、複雑な構造故に何らかのトラブルのもとに成り易く、レイテンシやリソース衝突などが気に成ります。
 インストールしてみましたところ、早速ブリッジで問題・・・というかコントローラのドライバは正常ですが、ブリッジのDMAドライバが入りません。色々調べてみましたらPLX社がドライバ開発者向けに提供しているSDKに開発者向けドライバとソースコードが含まれていましたが一般利用者向けには公開されていない(もしくは筆者が容易には辿り着けない場所にある)と思われます。筆者は開発者向けドライバをインストールしましたがBSODが発生し・・・BSODの原因はASUSが配布しているIntelのRAIDドライバでしたorz。クリーンインストール後にASUS配布のRAIDドライバを入れない様にしましたところ今のところ特に問題なく動作しています。
 BIOS/UEFIの設定を色々変えて試した結果、この製品はIOMMUに未対応かも?しれません。MacPro用を謳う製品なのでブリッジのDMAドライバが入らない事と合わせて考えるとDOS/V互換機では本来の性能を発揮しきれないのかもしれません。

4:SilverStone SST-EC04
DSC01976.jpg
 見て頂くと判りますが、この製品は最も部品点数が少なくバスパワー用のバックアップコンデンサを1個しか搭載していない(規格では1ポートに1個設置が推奨されているので本来は4個搭載すべき)など、製造コストに注力した製品と言えそうで、上記のHIGHPOINT品の対極に位置する製品と言えそうです。
 チップは、あまり見掛けないTexasInstruments TUSB7340を使っていますのでこれも特徴と言うか、このチップにFirmware用のEEPROMなどが内臓されている様で、部品点数を最小限に出来る様に考慮した設計のチップの様です。基板表面を見ても電源部とクロックとパスコンやカップリングコンデンサだけの非常に簡単なものですし、裏面にもコンデンサが少し付いているだけです。
DSC01978.jpg
 部品点数が少ないという事は、構造が単純で壊れ難い側面もありますが・・・
DSC02016.jpg
 この赤線は5Vバスパワーですが、4ポート全て直結で保護回路が入っていません・・・
 バックアップコンデンサが1個しかない為、利用中にUSBポートに機器を接続すると、他のポートに接続したデバイスが不安定に成る可能性が有り、保護回路が無い為、最悪は他の機器も含めぶっ壊す可能性が有り得ます。というか10種類以上のUSBカードを試してきた筆者はバスパワーに保護回路無しのUSBカードを見たのは初めてです。USB規格でもバスパワーへの保護回路設置がうたわれていますので規格違反じゃ?一般的にはPTCサーミスタによる過電流保護が入っていますし逆流防止のダイオード入りも有ります。
以下は規格での記述です。
Universal Serial Bus 3.0 Specification May 1,2011
11.4.1.1.1 Over-current Protection
The host and all self-powered hubs must implement over-current protection for safety reasons,

そこで筆者は改造して各ポートに保護回路とバックアップコンデンサを入れる事にしました。
直結の基板パターンを全て切断してみましたが、内部2ポートは中層で補助電源コネクタの5Vに直結している様で表のパターンをカットしただけでは駄目でした。
DSC02112.jpg
外側2ポートは基板表面のパターンカットで切断出来ましたので下の様に過電流保護の積層PTCとバックアップコンデンサを追加しました。このサイズで規格を満たす電子部品は村田製作所の積層セラミック製品しか見当たりませんでした。GRMシリーズ積層セラミックコンデンサの5V印加時のDCバイアス特性は数%減程度で顕著な減少はなさそうです。
DSC02114.jpg



比較検証環境

検証環境1  17号機(Asus Z9PE-D8 WS)
DSC01945.jpg
  CPU:XEON E5-2603 x2
  MEM:DDR3-1600 ECC Registerd 4GB x8
  PCIe#1(Gen3 x16):nVidia Quadro 4000
  PCIe#3(Gen3 x16):nVidia Quadro 4000
  PCIe#5(Gen3 x16): <- このスロットを使って試します。
  PCIe#7(Gen3 x16):Areca ARC-1882i
  OS:Windows7 Ultimate 64Bit
  ※ ASMedia ASM1042 USB3.0 OnBoard -> DISABLEで検証

比較検証に利用するツール
  DPC Latency Checker
  Windows Media Player 12
  CrystalDiskMark 3.0.2c
  タスクマネージャ



経緯:
筆者は今までこの写真の様にして8~9台のPCを積み上げていましたので、下段にあるPCの内部へアクセスするのが非常に面倒で構成変更が大変でしたが・・・
DSC01750.jpg

ようやくラックマウント・・・ではなくメタルラックにして下段PCもメンテ出来る様にしてみました。
DSC01975.jpg
今までは排気口を塞いでいたケーブルの束もラックに固定することで改善しています。
ケーブルの総重量が10Kg程あり重量バランスが厄介です・・・

ラックに入れてメンテし易く成りましたので、今までやろうとして中々手を付けられなかったUSB3.0の入れ替えとFDDエミュに挑戦してみようと思います。FDDエミュは今更感満点ですが少し前のマザーではBIOS更新やRAIDドライバのインストール用に必須です。その体験記?を2部構成で1回目はUSB3.0、2回目はFDDエミュに付いて掲載してみます。

で、タイトルに有ります様に今回は4ポート(内部2、外部2)のUSB3.0カードを4種類購入して比較検討する事にしました。内2外2にした理由は、やはりケース前面からのアクセスが出来ると便利ですし、なんとなく背面にも有った方がという欲張りな?性格の為です。
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プロフィール

DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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