Windows 8 で USB3.0 の UASP を ENABLE(有効) にする方法

結論:
 UASP(USB Attached SCSI Protocol)で動作しない場合には、基本的にはWindows8側の設定でどうにかなるものではない様です。例外的にBOTドライバを更新するとUASドライバに切り替わるケースが有りましたが、原因はホストコントローラ側のFirmwareでした(この件の詳細は記事の最後に書いてあります)。
 以前のOSとは異なりWindows8の基本は「設定しないで全自動認識する」というポリシーというかフィロソフィー的なものが有る様です。つまり、より利用者側の立場に立って使いやすいOSを目指した、詳しくない人でも簡単に使える様にした、言い方を変えるとゲーム専用機に近付いたのだと思います。スマートフォンに対抗したOSなので全自動が当たり前かもしれません。とは言え発売まもないのでマダマダ対応しきれていないケースが多々有りそうですね。

前提条件・・・
1:接続するデバイス
 USB3.0対応の外付けHDD/SSDケースやSATA-USB3.0変換を購入する際にはUASP対応が明記されている製品を選択する必要が有る様です。
 冒頭の結論で書きました様に基本的に全自動認識なのでUASP対応デバイスでないとどうにもならないという事です。
 購入後にFirmwareを更新しないとUASPとして動作しない商品(例:玄人志向KRHC-SATA3/U3でFirmware更新)もありますが、今後は全自動で認識しない場合はUASPの文字などをパッケージに記載出来ない様な決り事が出来るかもしれません。視点を変えて一般ユーザの視点で見ると当然の事ですが、筆者の様にPCの歴史を最初から知ってる人にとっては大きな改革とも言えます。自作erの楽しみが減ったとも言えるかもしれません。
 逆に、UASP対応が明記されていなくてもUASPとして動作する事も有り得るとは思いますが、UASP対応品を選択するのが無難というか確実でしょう。記載が有れば動かなくてもメーカーが対応してくれると思います。
 技術的には、SATA3(6GBps)対応のUSB3.0変換チップが必ずしもUASP対応しているとは限らず、具体例としてAsmedia ASM1051E と ASM1051U の違いなどが有り、UASP対応を仕様に明記したSATA-USB変換チップは、Renesas μPD720230/Asmedia ASM1051U/ASM1053などが有る様ですが、ASUSだけは個別にUSB3.0 Boostというツールで独自のやり方で対応している様です。

2:ホスト側(PC側)の対応
 Windows8+UASP対応デバイスが必ずしもUASP動作するとは限らない様です。
 結論で書きました様に、基本的に全自動認識なので、UASP対応したUSB3.0ホストコントローラ&Firmwareとの組み合わせでないとどうにもならないという事です。つまり、パソコン本体やUSB3.0増設カード側もUASP対応している必要がある様です。
 ハードウエア的にチップ自体が対応していてもFirmwareやDriverが未対応の場合が有りえますので、USB3.0ホストコントローラ用のFirmwareやDriverの最新版をチェックしてみると良いかもしれません。但しDriverは基本的に自動認識のWindows8標準ドライバを使ってUASP動作しますので、結局のところユーザが頑張って対応するとしても出来る事はFirmware更新かUASP対応品に交換するかの二択という事に成ると思われます。

検証結果:@17号機(Asus Z9PE-D8 WS)
※動作検証は基本的に同じPCの同じPCIeスロットと同じUSB3.0ケーブルで行っています。
WIN8USPFRMETC.png
この様に数十パターン試してUASP認識したのは8パターンのみでした。

デバイスマネージャの状態
 UASPで認識された場合は青矢印の様に「USB接続SCSI(UAS)マスストレージデバイス」という表示に替わります。対してUASPに未対応(又は対応が不完全)な場合は赤矢印の様な表示のままで、これをBOT(Bulk Only Transfer)と云う様です。
Renesas_UASP.png

同じPCに同じデバイスを接続した場合でも、USB3.0ホストコントローラ(のチップ又はFirmware)がUASPに未対応(又は対応が不完全)ですと、この様にUASP対応には成りません。
VIA_UASP.png

UASPの効果:
※この記事に掲載されております4K-QD32の速度やCPU負荷は最大で40%程度の誤差が有ります。詳しくは双発電脳とUSB3.0プロトコルオーバーヘッドの記事を参照下さい。(シーケンシャルアクセスは2~5%程度の誤差です)
詳細は別の記事で紹介していますが、下図の上側3製品がUASP対応ホストコントローラ、下側3製品がUASP非対応(BOT:Bulk Only Transfer)ホストコントローラです。但しHIGIPOINT RocketU 1142Aは代理店よりUASPに対応しているという回答が有りましたので、デバイスとの相性かもしれません

CDM1D1_UASP2.png

この様に筆者が試した環境ではシーケンシャル速度には殆ど差が無く、どちらかというとチップ自体の性能差が優位ですが、ランダムアクセスのQD32ではUASP効果が顕著に出ています。

最後に・・・
 4ポートUSB3.0の記事を書いてから10日間ほど4ポートUSB3.0にどっぷり浸かっていた筆者ですが、最後に感想を書いておきます・・・

 左はUASPが無効で性能が出し切れていないUSB3.0、右はUSB2.0です。どちらも13号機で計測しています。
USB32.png
 この様にUASPが有効に成らなくてもUSB2.0と比べれば10倍近い速度差が有りますし、4ポート同時に負荷を掛けた場合に最も速度が遅かったカードであっても、この様に全てのポートでUSB2.0の速度を遥かに上回っています。
SilverStone_4台同時
 どのカードを選択してもUSB2.0より圧倒的に高速ですから、実用的な視点で見ますと安定性重視でカードを選択するのが良いと言うのが最終的な感想です。500円~1000円程度の差額が有ったとしても取り付けた後にトラブルで長時間無駄にしたうえデータが壊れる可能性を考えれば最も無難な選択はRenesas(NEC)製チップを搭載した製品が最良と思いますが、Renesas製でも比較的新しいμPD720201以降が良いかもしれません。
 筆者がRenesas(NEC)製のチップを勧める理由は安定度にあります。USB3.0の様に超高速なシリアル転送では高周波のデジタル信号で通信していますが、送信側が出力する信号のアイパターンが明瞭な程に安定しますし、受信側はアイパターンの判読が正確な程に安定します。USB3.0はデジタルでありながら高周波のアナログ的な精密性が高度に要求されますが、この点でRenesas品が優れているのではないかと思います。具体的にはケーブル接触不良やノイズの影響や信号減衰によるエラーの起き難さとして現れると思いますが、2週間近い検証の結果Renesasチップ採用品がそういった点で最も安定していました。(もちろんチップのみならずデバイスとの相性や製品の作り込みやPC本体も関係してくるとは思いますが)

※筆者は基本的にDualSocketな自作しかしませんのでUSB3.0にネイティブ対応したチップセット搭載マザーは未だ触っていません。USB3.0対応チップセットでどうなるのか?ご存知の方がいましたらコメントなど頂ければ参考にさせて頂きたいと思います。

※BOTドライバを更新するとUASドライバに切り替わる件
該当製品:AREA OverFenderR
対処方法:μPD720201用のFirmware 2.0.1.8以降に更新
コメント:AREA OverFenderRはOEM元と思われるSpeed Dragon EU306Cと同じ製品ですがFirmwareのみ異なる様で(もしくは出荷時期で異なる?) Speed Dragon EU306Cでは元からUASドライバに成りますので、この現象が発生しませんでしたが、AREA OverFenderRに当初から入っていたFirmwareでは高確率でUASP対応デバイスをBOT認識してしまう現象が発生し、その都度BOTドライバ更新->UAS認識していましたがFirmware更新により全く発生しなくなりました。

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DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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