シュリンクから3Dへ

もう何年も前から、半導体の微細化は限界に来ていると言われてきました。

しかし、Intelは創業者の一人であるムーア氏の法則に従い2年で2倍の集積密度を継続的に目指し、そして概ね達成してきましたが、微細化による集積密度の向上は、もう本当に限界に来ていると思います。

今回のIDFでも、Intelがプロセッサより先に発表したのは3D-XPoint技術を使ったセル2層、配線3層の立体構造をした積層不揮発RAMでしたし、同様に3D構造のNANDフラッシュメモリによる10TBを超える様なSSDも発表されました。もちろん高速不揮発RAMでのDRAMを超える集積密度を達成した事が一番大きなトピックである訳ですが、名前が示す通り3Dを最もアピールしていて、Z軸方向への拡張が可能であり、それにより今後も計画的に大容量化を進めてゆく事が出来るとしている所が、この技術のポイントでもある訳です。

Ivy-Bridgeも3Dトランジスタが売りでしたしね・・・

競合と成りえるAMDも HBM = 3D(2.5D)積層DRAMでクロック落とす代わりにバスを広げる事で高速化と大容量化と省電力を達成する方向だと思います。既にHBMをGPUに内蔵したR9-Fury/Xを出荷していますが、来年以降に登場するZen系のAPUにもHBMやHBM2を搭載するなどして高速大容量RAM内蔵製品を打ち出してくると思われます。IntelはHBMではないにしても、シリコンインタポーザに代わる安価な2.5D構造のチップ間接続技術を公開し他社に提供する事をアナウンスしています。

和製アクセラレータでスーパーコンピュータの電力効率を競うGREEN500のトップ3を独占したPEZY-SCにも積層DRAMが採用されています。

この様に、業界の波というか、ムーアの法則(2年で2倍の集積)は、シュリンクから3D構造の時代、XY軸からZ軸方向へと集積手法を変更する方向へと大きく舵をきったのだと思います。ちょうど高クロック化から多コア化へと大きく時代が変化した時の様に今迄とは少し違った発展の仕方をしてゆくのではないでしょうか?

例えば、CPUの様な高速ロジック回路の積層には排熱の問題があると思います。GPUの様にシングルコアの性能を追求しなくてよい超並列演算機の様な製品であればクロックを下げて発熱を抑え、代わりに積層してコア数を増やす様なアプローチが可能ではないかと思いますが、CPUの様にシングルスレッド性能をある程度担保する必要があるロジック回路を積層するには困難がつきまとい、もしかしたらCPUさえも低クロック化して代わりにパイプラインを増やしてコア面積を広げて発熱を抑えZ軸方向にコア数を増やしてゆく様な時代が来るかもしれません。

これにより、シュリンクが達成出来なかったとしても、当面の2年2倍則は担保出来た事に成ります。

では、3Dが限界に来た時はどうなるのか?

それはまた5~6年後くらいに大きな転換点があるかもしれませんね。2年で2層、4年で4層、6年で8層、8年で16層、10年で32層・・・3D構造にも限界があると思います。積層ではなく真の3次元構造でZ軸方向へもシュリンクして・・・


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Re: No title

> 軍需産業でも大活躍しサイバー戦争では勝利を収める切り札にもなれば、

そうですねェ
東北の震災でモバイル機器が全く機能しなくなった時と同様か、それ以上の事態が開戦と同時に起きるんでしょうね
たぶん、有線ネットワークもインフラの心臓部は米国やイスラエルのチップが抑えているんでしょう

国産チップで置き換えてゆけると良いのですけどね

No title

30年前の日航の事故にはTRON技術者が乗っていたのは

これ以上言うと・・・

Re: No title

> 30年前の日航の事故にはTRON技術者が乗っていたのは

残念ですね
私も少しだけTRONに係わった事がありますが、モバイル端末でした
プロフィール

DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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