Vortex86 DX3 が面白ろそう!?


 VIAでは無い、ましてIntelやAMDでもないx86(IA32)互換CPUの最新作、今年発売っぽいです。

 スペックは 1GHz / 2Core / DDR3 / GPU内蔵(HD解像度) / H.264デコーダ内蔵

 こちらの動画筆者が見付けた時点で再生回数3回)でイメージがつかめるかもしれませんが開始後18秒辺りに見慣れたATXマザーらしき板(PBE-1000)への合体変身シーンが有ります。

 全ての機能をCPUに内蔵し、動画にも映ってますがISAバスも装備してガラパゴス的進化を遂げながらレガシーデバイスの救世主としてUSB排除に大活躍しそう(後述)な雰囲気が充満してますね。

 CPUのアーキテクチャは Super Socket7 時代の Rise mP6 を起源とする MMX Pentium 互換プロセッサで、左記の記事には掲載されていませんが1999年当時のハイエンド品は MMX-Pentium 比で 366MHz 相当、実質 2.5 x 100MHz = 250MHz ( 1Core 2.0V ) で、15年の歳月を経て1GHz/2Core(単純計算で8倍)に性能UPしています。

 しかも超低消費電力でヒートシンク無しファンレス常時稼働が可能、動作条件が-20℃~+70℃(オプションで-40℃~+85℃まで対応)、LED電球程度の消費電力ですから、SSDと組み合わせれば完全無音で常時稼働しても電気代10円くらい!?ディスプレイより消費電力低そうですよね!?

  類似の製品として ZF Micro Solutions の ZFx86 という製品があり、こちらは 486 互換 100MHz稼働 TDP1W以下で主なターゲットは産業PCの代替・交換用です。つまり、工場の生産ラインをコントロールしていた1990年代のPCが故障した場合、交換部品が既に無い為、その代わりとして導入する為の物で、ISAスロットを多数備える事が重要だったりします。

 話を Vortex86 DX3 に戻しますが、これってデュアルソケットじゃなく、SoCとして2CPUがパッケージ封入されているのですよねェ~それだけが残念(筆者的に残念というだけで、一般の人にとっては普通の2コア品です)

 Socket7時代のアーキテクチャを継承した(従ってP6以降の命令セットは装備していない様でWin8は多分ムリ)物らしいので、もしかしたらFSBをノースと共有するMCMによる2CPU構造がパッケージに封入されているのかもしれず、パッケージ内部に微細なデュアルソケットが再現されているとしたら面白そうかも?(筆者的に面白いというだけで、一般の人にとっては普通の2コア品です)といった妄想をしてます。けどCPUとGPUがノースを経由せずに直結しているブロックダイアグラムが有りますので、そこの所がどうなってるか興味あります。CPUとGPUはUMA(Uniform Memory Access)つまりCPUとGPUがメインメモリに対して均一平等なアクセスをする様です。という事は2個のCPUとGPUとノースがFSBで接続され物理メモリアドレス0xA000から始まるフレームバッファはフラットかもしれませんね?

ECCが無い・・・
 今気付いたのですが、ECCが無いですこれ。サーバにするのは厳しい事と、常時稼働と言えども定期的な(可能であれば毎日)再起動によってメモリをリフレッシュする必要が有りそうです。

セキュリティ面はどうでしょうか
1:ME-HECI
 ME-HECIはIntel製のCoreMA世代以降のCPU又はSocket775/771以降のMCHに内蔵されています。セキュリティソフトでは回避不可能な遠隔操作型の非常に危険な脆弱性と成り得る存在で、ネット越しにいつでもどこからでも攻撃できますが、Vortex86 DX3 はIntelの製品でもCoreMAでもない為、ME-HECIに対する攻撃の対象外です。
 ARMは類似の機能であるTrustZoneをARM11から導入し、AMDは昨年頃からx86のSoCにARMを組み込んでTrustZoneを統合しています。SoCではないAMD FXやOpteron或いはK10以前の既存製品には統合されていないと思いますし、TrustZoneは今の所は脆弱性が見付かっていません。とは言え今後の製品には統合されるかもしれませんし、ソーシャルハックによるTrustZone乗っ取りが行われればME-HECI同様の最も危険な存在に成り得ます。
 Vortex86はSocket7世代のアーキテクチャを継承してきたCPUですから、類似の事(セキュアにしようとして逆に強力なバックドアを埋め込む様な危険行為)は無さそうで、リーフレットにも、それらしき記載は見当たりません。
2:SMM
 SMM Rootkitは386SL/80486(又はPentiumII)からNehalem世代までのIntel製CPUで確認されている構造的な脆弱性を突いた仕組みで、潜伏後にはセキュリティソフトで発見不可能なBIOS/Firmware浸食型の脆弱性ですが、互換プロセッサ( AMD / VIA / Vortex86 )では類似の脆弱性が見付かっていませんのでIntel製品固有の脆弱性の様です。起動時にBIOSでMCHのD_LCKビットをセットすれば回避出来る様ですが、その対策が施されたBIOSが無ければ脆弱性が残っています。Intel製品は多く普及している為に発見され易い側面が有り、他社製品では類似の脆弱性が発見されていないというだけでSMMを搭載した全てのCPU(つまりオリジナルの80386以外のx86)で類似の脆弱性が発見される可能性は捨てきれません。
3:USB
 BadUSBはセキュリティソフトでは回避不可能なソーシャルハック型の脆弱性で、米国がイランの核施設を攻撃する際にシーメンス製遠心分離機のファームウエアを書き換えて回転数を変更するアプリを埋め込む用途に使われた事で有名です。遠心分離機に限らず何でも出来てしまいますからとても危険ですが、USBを使わなければどうと言う事は無いです。しかしUSBを使いたい場合はメーカー問わず全ての機器で回避策を考えねばなりません。
 Vortex86 DX3 でも USB を使う場合に問題が発生する可能性がありますが、レガシーI/F( PS/2 RS232C パラレル )などを統合している Vortex86 DX3 ならUSBを全く使わない運用が可能ですから、USB信号線のハードワイヤーを完全に切断した状態(要改造)でPCとしての運用も可能です。これによりUSB扇風機やUSB充電器を安全に利用する事が出来るでしょう()
4:MicroCode
 Microcode Manipulation はMicrocodeの入れ替え機能を搭載しているIntel製(PentiumPro以降の全て)とAMD製(たぶんK7以降)及びVIA製(Nano、C7)で発生しうるセキュリティソフトでは回避不可能な脆弱性ですが、Vortex86 はMicoroCodeを入れ替える機能が無いSocket7時代のアーキテクチャですから、恐らくMicrocode Manipulationに対する脆弱性も無いものと思われます。

複雑な構造に対するアンチテーゼと成り得るか?
 Intelはムーア氏の法則に従って2年で2倍の集積を達成し続けてきましたが、それにより2年で2倍の複雑さを取り込みました。
 OSもそうですが、複雑に成れば成る程にバグやセキュリティホールを抱える可能性も同様に増加し、2年で2倍の集積密度は同時に瑕疵も累乗的に増加して行く可能性を内包していると思います。
 これに対し、Vortex86は15年前のアーキテクチャを職人の如く磨きあげる事でSoCによる集積密度の向上は有ってもシステム全体としての複雑さの変化は非常にスローであり、枯れたシステムとして逆に堅牢性を手にしているという考え方も有るのではないか?と思うのです。
 筆者が使う立場で考えますと、残念なのはECCを搭載していない事ですが、それ以外に付いては今の所は非常に興味を持って注目しています。


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Re: No title

> この手のはだいたいEmbedded向けで表にはなかなか出てこないでしょう。

その様ですね、
マザーの規格がETX(Embedded Technology eXtended)、VIAも同じ規格のマザー(モジュール)を出荷してる様です。
http://www.viaembedded.com/en/boards/modules/etx-8x90/

> 軽量なLinuxやWindowsでも一般向けではなくWESやWEC(CE)向けの部類ですね。

POSReady/7というのも有るらしいです。
私はPOSレジのソフト開発に誘われた事が何度かあり、でもタイミングが中々合わなくて毎回断ってたんですが、その時に参加してたら、こういった分野の知識も、もう少し有ったかも?

この会社、未だにDOS環境もターゲットOSに入れてるんですよ~

1GHz/2Coreですから、CPU的にはWindows7のシステム要件に適合しているので、ドライバさえあれば動くかも?

No title

今更古い記事に書込んで申訳ないんですけど私が触ったマザーボードではWindows7は使えませんでした。どうもACPIが使用できないとかいうエラーだったようで。
ACPIに対応していないとWindows7は使えないようですね。

Re: No title

> ACPIに対応していないとWindows7は使えないようですね。

そうですね。
たぶん、正確にはACPI 2.0aだと思います。
こちらで調べた時は筆者故にDual限定の話になっていますが・・・
http://dualsocketworld.blog134.fc2.com/blog-entry-337.html

ACPI起因でインストールを拒まれ痛い思いをしたのは9号機での体験が筆者としては最初でした。
http://dualsocketworld.blog134.fc2.com/blog-entry-27.html
プロフィール

DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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