正しい英語、正しい算数、正しい歴史


 CPUにGPUが統合された今となっては昔話かもしれませんが、『ミドルエンド』という“正しい英語”が自作PC業界の主にGeForceの性能や価格帯を示す呼び名として蔓延していた時期がありました。ハイエンドとローエンドの中間がミドルエンドだと言うのです。

 と言いますか、そもそも“正しい英語”がカタカナであるハズも無く、標準的な英国人が正しく発音する " Midle range " が、これを表現する正しい英語ではないかと思うのですが、それはまた別として、この『ミドルエンド』なるものは元々『ミドルレンジ』又はミドルレンジの中でもハイエンドに近い物を『ミドルハイ』(upper middle ではなかった)と言っていたものをNVIDIAの誰かが間違って『ミドルエンド』と発言してしまったものが、業界ライターによって記事にされ流布されて伝染病の様に蔓延していったのではないか?と思うのです(実際はどうか知りません)。

下図は筆者の想像図です、正解とは限りませんし、もう絶滅した言葉を今更掘り起こしてしまったのかもしれません。
MidleEndA.png

 しかし筆者は正しい英語の方も問題視しているのです。筆者はカナダに住んでいた事もあり学生時代には学校の代表として全国から集まった大勢の日本の学生達の前で英語でスピーチした事も有りますが、その際にレポートの様なものを日本語で書いて提出しなさいと先生に言われてタイトルに「レテーション」とカタカナで書いたところ、先生から「正しい英語はレテーションですから、『ス』を『シ』に修正して再提出しなさい」と言われて唖然とし愕然とし怒りと強烈な無力感を感じた事があります。
 たぶん私がカナダに住んでいた経験を語りながらカタカナは正しい英語ではないと述べても嫌味にとられるか、或いは予想だにしない突拍子も無い理由で“正しい英語”であるカタカナ表記の『レシテーション』の正当性を力説され反論を許されないのだろうと思っての無力感です。
 この時、もし仮に先生から「外来語をカタカナ表記する際に、日本では決まり事があります。英語のrecitationを日本語では『レシテーション』と書く決まりがあります」の様に言われたのであれば日本語を勉強する上で納得して受け入れらたかもしれませんが、「正しい英語は『レテーション』だから『ス』を『シ』に訂正して再提出しなさい」と言われ、当時は全く理解出来なかったばかりか、ツッコミどころ満載で、あんた本当に教員免許持ってるの!?自分こそ英語を勉強しなさいと逆に説教したくなるくらい怒りさえ感じていたのです。
 カナダも含め英語圏にも日本人が多く住む地域が有り、そこに住む日系人が話す日本語で使われているカタカナ英語には、日本で使われている物とは全く異なるカタカナに変換され、かつ、現地では広く使われているカタカナ単語が結構あります。
 例えばカナダの西海岸沿いにあるバンクーバーという都市は温暖な気候で芝生を植えている家庭が多く、HONDA製の芝刈り機が普及していましたが、バンクーバー一帯に住む日系人は芝刈り機の事を『パワーレイキ』というカタカナに変換した日本語を使っていました。もう少し一般的な用語では例えばガソリンスタンドの事は『ガスステーション』というカタカナに変換した日本語で話されていましたが、彼らはそれを“正しい英語”とは絶対に言いませんし、英語はカタカナでなくアルファベットで書いて(カナダ訛り&日系人訛りの)英語の発音で読みます。車の『チューンナップ』は改造ではなく整備点検(消耗品の交換とセッティングの調律)を意味しました。そして彼らは日本語の歌の中で時々登場するカタカナ英語はとても変で鳥肌が立つから辞めて欲しいといった事を日常的に言いますが、私も同感です。英語に耳が慣れている状態でカタカナ発音の英単語の歌詞を歌われると辞めてくれーと叫びたくなります。来日したばかりの外人が話すカタコトの変な日本語でプロの歌手としてカッコイイ振り付けとドヤ顔で歌っている様なものです。

 他にも日本の学校では不思議な事が起きます。数学(算数?)の授業ですが、例えば100円の林檎を10個買うと合計いくらですか?という問題が有ったとして、教科書的な正解は 100円 × 10個 = 1000円 なのです。この正答の何が不思議かと言いますと、 10個 × 100円 = 1000円 と回答すると、答えは正解でも式が間違っているとして減点されるか注意され訂正を強要されるのです。
 いやいや、ちょっと待ってくれよ、簿記ならその順番が正しいのかもしれない(しかし簿記なら合計金額には消費税も加算しなければですが)。けど数学において掛け算の前後を逆にしても同じでしょ? 10個 × 100円 は正解だよ?と言いたいのですが、なんとこの簿記でも数学でも無い不思議算数が教科書に記載されているらしく、先生は教科書の間違いを指摘する事が許されず、間違いであっても教科書通りに生徒を指導しなければいけないらしく、嫌々ながらも 10個 × 100円 は計算式として間違いだから掛け算の前後を逆にしなさいと指摘しなければいけないらしいのです。ホントかよ!?

 先生が歴史を教える際に教科書の間違いを指摘したら国際問題になるかもしれません(というか、筆者が通っていた中学の社会科教師は、国歌は歌うな、国旗は掲揚するな、警察には黙秘権を行使しろ、と教えていたので、今考えると逆に恐ろしいです)が、歴史は別問題として、数学の教科書に明らかな間違いがあるのに、間違ったまま教えなければいけない教育制度はとても変だと思いますし、カタカナ表記を正しい英語と言って教える風潮も変だと思うのです。そういったネジ曲がった教育で育った結果、冒頭の『ミドルエンド』が多数のIT専門誌などで堂々と書かれる様な状況が生まれてしまったのではないか?と危惧するのです。
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No title

かけ算を習った時点(小2らへん?)では乗算の可換則に言及しないので、100円×10個 と 10個×100円 は成り立たない、で数学的には正解だと思います。
その後、小5らへんで可換則が導入されて初めて、この2式は数学的に等号で結ばれます。
それなりに数学的に意味のある、理にかなった流れになっていると思います。

算数にそこまでの厳密さが必要か?という気はしますし、乗算順序の逆転を完全に間違いとする指導もどうかとは思いますが、どこかで割り切りは必要なので苦渋の選択なのかもしれません。
個人的には、乗算順序よりも算数では負数が無いもの扱いされている方が違和感を覚えます(日常で普通に目にする数だけに、小学生の時分に実際感じてましたw)。
今にして思えば、これも割り切りの一種なんでしょうけども。

理学系学問の学習は、特殊条件下から一般化への過程を学ぶ事に他ならないので、より一般化した知識を持つ者がある学習地点での限定的な事項を差して、殊更にああだこうだ言うのは何か違うんではないかと、乗算順序問題を見るたびに思ったりします。

英語の件は理不尽も甚だしいですね。
幸い、私の恩師は英語に一家言ありそうな人で、よくEngrishやカタカナ英語、デザイナーズイングリッシュをネタにしていたので、変な英語を使わぬよう気をつけるようになりました。

乱文失礼致しました。

Re: No title

> かけ算を習った時点(小2らへん?)では乗算の可換則に言及しないので、100円×10個 と 10個×100円 は成り立たない、で数学的には正解だと思います。

筆者が九九を習った時、前後逆にしても同じだから、九九をド忘れしたら式を逆に言い換えるといいよと教わって九九の暗記は半分でOKにして克服した記憶があります、たぶん私は掛け算を勉強した最初に逆にしてもOKと憶えてしまったのだと思います。逆にこの先生は間違い(本当は正解を先走って)教えてしまった事に成るのでしょうか?
そういえば筆者は1の段も憶える必要無しとして憶えませんでしたが、どうやら教科書には1の段が掲載されている様です。1の段に何の意味があるのだろう???

筆者は元々理数系が大好きで理数系と英語のみ学年トップの成績でしたが、親が得意科目を伸ばす為と称して公文○に通わされてから成績が急降下し並の成績まで落ちました。○文式で単純計算だけをやり続けた結果ケアレスミスは激減した実感が有ったのですが、文章問題や応用問題が解けなくなってしまい楽しいハズの理数系が苦痛になり成績も落ちたので公○式を退会したのですが、公文○を辞めてからは成績も元に戻り、また応用問題も解ける様になりました。

> 負数が無いもの扱いされている方が違和感を覚えます

負数は、もう少し上の学年で教わるから、それまで待っていてねと先生に言われて待ち遠しかったのを憶えてます。
無いものとして教えるのではなく、探究心をくすぐるくらいはしておいて欲しいですね。

歴史は、勝者が書く創作小説として教えてくれたら良いのですが、子供の頃は教科書の歴史を盲信してしまうのですよね~

No title

> 筆者が九九を習った時、前後逆にしても同じだから

このあたりは教科書でも言及されている事があるようです。
また、自分も逆順で覚えれば良いと言われたような気がします。

先のコメント投稿後に思ったのですが、順番問題は可換則云々という数学的な理屈ではなく、物事の考え方を見ているのではないかなと。
記事内の簿記の例のように順番が意味を持つ事もあるので、設問と式の順番を通して、考え方が正しく身に付いてるのか見てるんじゃないかと思いました。
式中に単位が書ければ正解に出来るんでしょうが、仮にも数学の勉強ではあるので、それは許されない。そこで模範解答と逆の式が来ると、乗数と被乗数の関係を理解してるか分からないので、結果バツとせざるを得ない的な。
完全な推測ですけども…

定期的に話題に上がる話なんですから、どこかのメディアが教科書監修の偉い先生に真意を聞いてみて欲しいものです。

> 教科書の歴史
自分の時はまともな先生しかいなかった事、またDualSocketTheWorldさんより2周り弱下の世代だと思われるので、そのあたりのセンシティブな話題は巧くはぐらかされたり、そもそも現代史の部分は軽く流されたりしてました。
噂に聞いた話だと、現代史をやらないのは教師の偏向思想植え付けを防ぐ目的もあったとか何とか…。
周りの雰囲気も「半世紀も経って何言ってんだ」という感じでしたね。

Re: No title

> 記事内の簿記の例のように順番が意味を持つ事もあるので、設問と式の順番を通して、考え方が正しく身に付いてるのか見てるんじゃないかと思いました。

私もそう思いましたが、簿記は簿記であって数学ではありませんから、とても中途半端な教え方だと思うのです。

では、『林檎が10個あります、値札には1個100円と書いてあります。合計金額は?』という問題に対する教科書的な正しい計算式は私には判りません。

> > 教科書の歴史
> 周りの雰囲気も「半世紀も経って何言ってんだ」という感じでしたね。

これですよね

偏向思想の元になった物が、米国メリーランド大学にあるゴードン・W・プランゲ文庫に大量保存されています。
http://www.lib.umd.edu/prange

ポツダム宣言には、言論の自由を達成すべきと書かれていながら、それは表向きで、実態は上記のプランゲ文庫に記録が残されている通りアメリカ主導で日本全体を言論封鎖して偏向思想を植えつけてきた事実が膨大な量の記録として残っているのです。

しかも一般には検閲している事実をも検閲して隠してきた為に、アメリカが日本の全ての情報を検閲して操作していた事実を多くの日本人は知りませんし、大量の記録が残っている事実を直視してもなお信用せず陰謀論的に扱われていますが、それ程に強力な秘匿検閲により思想を偏向させられてきたとも言えます。

自由の国である米国がなぜ?と思うかもしれませんが、それが事実ですし、その偏向思想に洗脳された教職員が多数居るのも事実です。

現代史にはタブーが多数存在します。

竹島問題(米軍占領期の日本から竹島を奪い占拠した韓国軍の最高指揮権は米軍にある)
尖閣問題(沖縄返還の直前に大量油田の可能性が国連から発表された、調査したのは米国)
北方領土問題(2島返還で決着予定だったものを米国が制止し未解決化)

これらは分割統治の為と考えれば納得です

しかし、これらを正確に歴史教科書に記載する事は、米軍に占領されたままの地域が多数現存している日本には難しい事でしょうね。

Decomoさんが、まともな先生と思っていた先生方が教えていた事にも、私が教わった当時より巧妙化して何らかの偏向思想が込められていたかもしれません。今の男子学生は草食男子に代表される様に、なんとなく弱々しく、牙を抜かれ去勢されたかの様に映るのは、雄々しく生きる事を否定される教育を受けて育ったからではないか?何らかの去勢教育を受けているのではないか?という気がしてならないのです。

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Re: No title

> アメリカの影響が強く時代と共に巧妙さと計略に満ち

ご存じの通り、アメリカと言ってもアメリカ国民の事ではなく、連邦準備制度を構築した人々の事で、アメリカは建前が民主主義で実態は資本主義=資産家が支配する国家です。

建前の民主主義では、選挙により選ばれた大統領が頂点ですが
実態の資本主義では、代々の資産を世襲してきた資産家が頂点です

その資産家の頂点に居るのはアメリカ人というよりヨーロッパ貴族の血統に他ならないのです。

アメリカは独立戦争でヨーロッパ植民地から独立した建前になっていますが、実態は政治支配から経済支配へ移行する過程を演出したに過ぎず、戦争は資産家が儲ける最大のチャンスでもあり、従って戦争を演出して儲ける歴史を繰り返してきました。

例えば、私が注目しているのは、リヒテンシュタイン公国のリヒテンシュタイン家、ルクセンブルク大公国のナッサウ家、モナコ公国のグリマルディ家などで、彼らは自国領土よりも広大な個人資産を国外に所有して、政治=国単位での支配ではなく、所有資産による経済支配構造の強化を推し進めているのです。もちろんロスチャイルド家なども含まれますが、しかし彼らは結局のところヨーロッパ貴族間での近親交配を数百年に渡り繰り返している為、皆が遠縁の親戚でもあり、英国王室の継承権を持っていたりします。

No title

所詮ネポティズムなんでしょうかねえ。
実力主義というのは幻想なんでしょうか。

Re: No title

> 所詮ネポティズムなんでしょうかねえ。
> 実力主義というのは幻想なんでしょうか。

もう20年前の話ですが、ビルゲイツに付いて調べていた時期が有りました。

彼の成功劇の最初のキッカケはBASICやMS-DOSですが、小規模ベンチャーソフト会社であったマイクロソフトと巨大企業IBMなどが、こぞって独占秘密契約を締結できたのは、ちょっと不思議じゃないでしょうか?

日本で成功したNECのPC88シリーズやPC98シリーズもマイクロソフトのBASICやMS-DOSとのセット販売でしたが、これも不思議な話です。

他社製のBASICやOSの方が高速で高機能、MS製は低速で低機能でしたが、なぜか大手に多数採用されて成功を収めます。

しかも、表向きは自社開発となっていますが、実態は権利まるごと他から買い取ってきたソフトにマイクロソフトのCopyright文言を埋め込んで、そのコピーの使用権のみを販売するという権利商売をしていただけのベンチャーがマイクロソフトの実態で、ビルゲイツはコンピュータ少年という伝記にもかかわらず、実態は法学部の学生であり、主に契約書の法的側面を勉強していた学生だったのです。

そして、私が、とある政府機関の所蔵する書籍を読んでいた際に、ビルゲイツの祖母がロックフェラーの血筋だという記載を見付けて全て納得したのを覚えています。ビルゲイツは祖母に教育されて育ったという逸話をよく目にしますが、これでもう確信的ですよね?

ロックフェラーのコネと資金を使い、自身が法学部で得た法律の知識による綿密に計画された契約書が、マイクロソフトによる支配構造的側面から見た実態だったのです。

Re: Re: No title

追記として・・・
https://www.youtube.com/watch?v=ABMntPCU_L0

上の動画が本当ならば、アメリカ在住の白人の祖先の多くは、元は黒人と同じ様に奴隷だったという事になる様です。

つまり、プランテーションを所有する非常に限られた少数のヨーロッパの資産家が開拓地を所有し、その資産家の下で働く白人や黒人の使用人や奴隷達がアメリカを耕し、その構図は独立戦争後も形を変えて今なお続いていると言えそうです。
プロフィール

DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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