Areca RAID カードの実力

 ここで紹介するRAIDコントローラは2012年2月にアレイを作成した物で、かつ初期リビジョンですので PCIe Gen2.0 x8 でマザーボードと接続している環境での測定です。論理的な帯域上限は片道4GB/s(4000MB/s)になりますが、実際には(RAID6を組んだアレイでは)キャッシュが効いた場合でも半分程度の2GB/sを少し超える程度が上限の結果に成っていますので、マザーとはGen2.0 x4での接続でも充分と言えるかもしれません。当然ですがRAID0ならオンキャッシュであっても、もう少し早いと思います。

 2012年に19号機として組んだ Areca ARC-1882i に接続している RAID6(ダブルパリティ構成) SSD の3年半経過した劣化後の現状です。他の機体で利用中の物も後ほど時間が有れば同様にベンチマークをとってみようと思います。

 19号機は当初は Intel SSD 520 で RAID-5 の計画でしたが、紆余曲折を経て Intel SSD 330 60GB品 4台 での RAID-6 構成になり、このRAIDは今年7月に20号機にそのまま引っ越して継続利用しています。

 利用頻度としては、17号機や15号機とともに頻繁に使っているので、概ね毎日数時間程度の使用といった感じですが、1台取り外して18号機でS.M.A.R.T情報を覗いた結果がこちらです。
20GCDI-20151002.jpg
 ほぼ毎日起動は休日を除いて考えればほぼ正解でしたが、利用時間が結構逝ってますね・・・起動したままエンコード等を走らせたまま放置したり仕事的な事を集中してやったり、NICが4個あった19号機時代にLinuxを入れた論理サーバを4台起動してクラスタ環境のシュミレーションをしていたりしたので4千時間2TB超の書き込みをしているのかもしれません。RAID全体だと5TBくらい書き込んだ様な計算になりますが、これで概ね劣化の程度が御分り頂けるかと思います。60GB品に2TBの書き込みかぁ・・・よくそんなに書き込んだな自分・・・

 ベンチマークは価格COMに掲載されている新品同種SSDの結果と比較する為に古いバージョンなどを利用しています。とは言えローカル保存に同一バージョンが無い場合は出来るだけ近いバージョンを利用しています。また、容量が93GBに成っているのはパーティションを若干小さく切ってある為で、緊急時の予備として20%ほどリザーブしてあります。

 3年半経過して劣化した状態かつ83%の利用率のRAID6ですが、概ね新品同種のSSD単機より早い結果に成っているのが判ると思います。

 CDMの4K-Writeが新品単機よりも若干遅い結果ですが、SSDの劣化によるものではないかと思われます。但し、1つ下のスクリーンショットを見ると判りますが、
20GCDM1G20151002.jpg
 下のスクショはARC-1882iのオンボードキャッシュ(1GB)に充分収まるサイズでの計測ですが、動画ファイルの様にGBクラスの巨大ファイル以外は、Writeが全てこのくらいの速度になりますし、動画ファイルであればランダム4Kではなくシーケンシャルファイルに成りますので、実質的には上のスクショの4Kの速度を体験する事はまず有りません。もし仮に実運用で4Kランダム書き込みがGB単位で瞬間発生するケースが有るとすれば、物理メインメモリの搭載容量が少ないPCで突如GB単位のメモリ不足に陥った際のスワップアウトか、数百冊以上のラノベをPDFではなく全頁モノクロ高圧縮JPEGで自炊して大量一括コピーするとか、或いは大容量データベースの一括リストアをする様な、そんな稀なケースでしか考え辛いですし、そういった稀なケースでも上のスクショの速度はとりあえず出るという事になります。
20GCDM100M20151002.jpg
 計測サイズを4GBにしますと、4K-Readが少々残念な感じに成っていますが、これは単機の劣化したSSDがこれくらいかもしれませんね・・・時間が有れば、単機で接続して計測してみたいのですがRAIDアレイを解体して同じ様なデータで80%くらい埋めないと比較出来ないので悩みます・・・
20GCDM4G20151002.jpg

 ATTO と AS SSD Comp の結果は Read と Write の傾向が全く逆転しているのが面白いですね。ATTOのWriteで700MB/s辺りに壁が存在するのは何が律速なのでしょう?
20GATTO20151002.jpg

 AS SSD Comp の Read が時々落ち込み 140MB/s 辺りまで落ちていますが、原因は判りません。ボトルネックがCPU(Piledriverコア)ではないか?と思いタスクマネージャで確認もしてみましたが、CPU負荷は乱高下しつつも80%を超えるコアは無かった為、CPUがボトルネックではない気がします。RAIDコントローラの設定で Volume Data Read Ahead を Disable にすると、もう少しなだらかなグラフに変わりますが傾向は似ています。ARC-1882 は SAS(Serial Attached SCSI)RAIDコントローラですから、SASを挟む事で発生するSCSIプロトコル変換のオーバーヘッドの関係で若干のReadレイテンシが発生し、それが時々遅いと判断される原因に成っているかもしれません。これに付いては、後ほど ARC-1231ML ( SATA RAIDコントローラ ) で同様のテストを行ってみようと思います。
20GASSSD20151002.jpg

追記:
 ARC-1231ML(2007年製 PCIe Gen1.1世代のSATA-RAID製品)での AS SSD Comp 結果 @ Intel X25-M 120G 4台 RAID6
15GASSSD20151002.jpg
 やはり上記の通り SATA-RAIDカードの方が SAS-RAIDカードに比べ AS SSD Comp の Read 結果は良好でした。この傾向はARC-1231MLと同世代のSAS-RAIDカードである ARC-1680系でも同じでしたので、やはり SCSI プロトコル変換のオーバーヘッドに伴うReadレイテンシを拾って実際以上に遅いと判断しているのではないでしょうか?
 こちらの組み合わせのCDMは、この様な結果です。(こちらは2008年頃に組んだRAID6と思われ、組んだ当時はもっと早かったと思います・・・)
15GCDM1G20151002.jpg
 但し、冒頭のCDIで見たS.M.A.R.T情報と比較して、こちらは少し利用頻度が少ない(起動回数は同じくらいですが起動時間が1/3程度で書き込み量も1/3程度)事が判ります。
15GCDI-20151002.jpg


 と言うことで、これだけ劣化したSSDでも、それなりに高い性能で使い続けられるのがArecaのRAIDコントローラという結論で如何でしょうか?(筆者が長年愛用し使い慣れているからかもしれませんが・・・)
 他社のRAIDカード(3Ware/RaidCore/HighPoint/SiliconImageなどは性能でArecaに及ばなかった)や、速度面で直接競合するLSIのRAIDカードを試した事も有りましたが、LSIでWriteBack設定にするにはオプションのBBUが必須でしたし(BBUを付けないでWriteBackのアレイを組んで再起動すると当時は100%の確率でデグレードし再起動に失敗しましたのでベンチマークは取れますが、運用するにはWriteThrue設定かBBU必須でした)、加えてLSIのRAIDではSSDを接続してそれなりのランダム性能を出すには、オプションのSSD対応チップを別途購入し(しかもオプションチップの入手性が当時は非常に悪く、結局入手出来なかった)を搭載し・・・と色々なアップセールスの壁を越えなければ到達できない領域に、Arecaは単体のRAIDカードのみで到達出来ます。(LSIは最近アバゴに買収されましたので、LSI-Logicの流れをくむRAIDカードの現行製品がどの様な状況にあるか筆者は未だ知りませんが・・・)

 とは言え、近年中に登場予定のNVDIMM形式のSSDが市場に投入されれば、速度で対抗出来るRAIDカードは無くなると思います。しかしNVDIMMでの冗長性確保やホットスペア的な事をどうやって解決してゆくのか?そこが知りたいですね。

2017/02/05追記:
 アバゴは上記の記事を執筆後にブロードコムを買収し、社名をブロードコムに変更しました。
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No title

速くなるのは判っているんですが、
結局怖すぎてSSDは使わずに
HDDなんですよねえ

Re: No title

> 速くなるのは判っているんですが、
> 結局怖すぎてSSDは使わずに
> HDDなんですよねえ

確かにSSDは怖いので私はRAID6組んでますが、そのお陰で速いというのもあり
逆にHDDも回転したりヘッドが移動したりのメカ部分が故障しそうで怖い側面もあります

今迄に体験したSSDの故障は、30個以上購入して1個だけで、その故障した1個も既に消滅したMTRONというNAND SSDの創世期に壊れる物を売り逃げした企業が発売した投げ売り品の1個だけでした。
http://dualsocketworld.blog134.fc2.com/blog-entry-10.html
http://dualsocketworld.blog134.fc2.com/blog-entry-88.html
http://dualsocketworld.blog134.fc2.com/blog-entry-90.html
これが5年前の出来事ですが、このすぐ後に購入したIntelのX25-Mが10個くらい今でも健在です。
プロフィール

DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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