VIA EPIA-M920

昨年9月に記事にしましたEPIA-M920、あれから既に半年経過していますが殆ど認知されていない様で、PC-Watchが昨日の記事でようやく取り上げ、しかも仕様が不確かな未確認情報として「どうやら」や「ようである」といった推測として掲載されていました。

そこで、昨年の時点で既に 2GHz版のEPIA-M920-20Qを購入していた筆者は、その不確かな点を可能な限り明らかにしてゆきたいと思います。
IMG007532.jpg

まず、PC-Watchには昨年9月に EPIA-M920 が登場し、その時点では1.2GHz版SKUしかなかった様に記載されていて、2GHz版SKUは最近(いつのまにか)追加されていた様に掲載されていますが、筆者が知る限り EPIA-M920 は遅くとも2012年には登場していました。2012年時点ではラインナップも EPIA-M920-12Q (EOL / 1.2GHz / 4Core) または EPIA-M920-10E (1.0GHz / 2Core) でしたので、PC-Watchは4年前の出来事を昨年の事と勘違いしていると思われます。

昨年9月5日に2GHz版がひっそり追加されていた記事 ( 速報 / 詳細 ) を掲載しましたが、遅くともその時点で既にオーダー可能でしたので、昨年7月8日~昨年9月5日の間に2GHz版SKUが追加販売されていた事に成ります(昨年7月8日に調べた時には2GHz版SKUは未だオーダーリストに無かった為)。

更に、エンジニアリングサンプルとしては最大16コア品が存在する可能性があり、8コア品に付いては C-OctaCore FC-1080OctoCore ENG 333 としてベンチマーク結果がリークされています。しかしFSB同様の仕組みを今でも採用していますから4コア以上に耐えられるメモリ帯域を確保できるか?と言えば疑問です(メモリスロットは2本ですがDDR3-1333シングルチャネルです)。とは言え8コア品の製品は登場して欲しいですね、願わくばECC付きで・・・

それと、これは余談ですが同PC-WatchにはNano X4はMCM構成として記載されていますが、VIAはMCM構成のCPU製品にはX4の命名をせずQuadCoreと命名していますので名前を間違っています。逆にMCMではない4コアCPUにはX4として命名されたCPUが有りますが、Nano X4ではなくEden X4ですから、PC-Watchが書いているNano X4という製品は存在しないと思います(製品には無くともエンジニアリングサンプルにはそういった物が有るかもしれません)。

こちらも余談ですが、ETX-8X90-10GRはEXTDB1に載せることでMini-ITXマザーボードへと変化すると書かれています。拡張スロット3本なのでMicroATXではないかとして当方ブログに書いていましたが、どうやらMini-ITXに3本詰め込んでいる変則的なスロット配置の様です。過去にもEPIA-M900が変則的なスロット配置でしたが、EXTDB1はそれにも増して変則的です。


本題に戻りまして、同じ EPIA-M920 でありながら 1.2GHz版SKU(EOL) と 2.0GHz版SKU の違いを明らかにしてゆきます。

1:CPUアーキテクチャが若干異なる
2:チップセット(オンボードNIC)が異なる


実際に利用する場合の注意事項として2GHz版SKUではWindows7グラフィックドライバが不安定で、時々BSODしますのでWindowsで利用する場合は現時点ではWindows8.1以上をインストールする必要があります。これはWindows7用のドライバが古過ぎて IsaiahII(CNR)アーキテクチャに未対応である為と思われ、2013年で更新がストップしています。しかしWindows8.1用とWindows10用はIsaiahII情報がリークされた2014年の末頃(つまり、ちょうどドライバを開発しているであろう時期)に更新されています。こういった状況の為、Windows7ユーザの筆者としては7用ドライバが更新される事を切望しつつ、あまり利用していなかった訳で、今後の対応に期待します。

2GHz QuadCore ( Isaiah II / CNR ) の特徴
前世代のIsaiah(CNQ:1.2GHz版)との大きな違いとして、前世代がSSE4.1対応であったのに対しIsaiahII(CNR:2GHz版)ではAVXとAVX2に加えSSE4.2やAESなどにも対応しています。詳しくはCoreinfoの結果を参照頂ければと思いますが、但しCoreinfoがAVX2未対応である為もどかしいです(CPU-ZではAVX2対応として表示されます)。注意事項としてAVX2には対応しているもののIntelがAVX2とセットでHaswellに搭載したFMA3には対応していない為、AVX2対応ソフトが動かない事があります。Windows7ではパッチを導入してもAVX2が無効のままで、Windows10で試した際にはAVX2が有効になりましたが、Windows10上であっても例えばAVX2対応の y-cruncher Airi は起動できませんでしたが、AVX版の y-cruncher Hina は起動出来ました

y-cruncherの結果から判る通り、2GHz版ではSSE4.1用に設計された128Bit演算機をAVXでもそのまま流用して256BitのAVX命令をエミュレートしていると思われる結果になっています。但し Isaiah世代よりは改良され命令サイクルが短縮されている(つまりIPCが向上している)事も判ります。Isaiah世代(つまり1.2GHz QuadCore)では128Bit演算機が2サイクル又は3サイクル要したのに対し、IsaiahIIでは2サイクル以下に演算速度が短縮されている事が結果から判ります(でなければ、ここまで速度が向上しない)。逆に128Bit演算機を利用していないx86版のy-cruncherではIPCが数%しか向上していない為、基本的なアーキテクチャは同一と思われ、SSE4.1を使ったSIMD命令の速度向上につながる部分のアーキテクチャに改良が施されているものの、基本的な部分は概ね流用した様です。とは言え、先述の通りCoreinfoの結果から判る様に新命令セットに多数対応している為、Intel製CPUとの互換性向上の為の改良版といった趣であり、かつシュリンクして消費電力を削減しクロックを向上した・・・といった所でしょう。古い例えで恐縮ですがPentiumIIとPentiumiiiくらいの違いです。

それと、これはあえて記事に書く必要も無い事ですが、VIA製CPUは論理的にはマルチコアCPUではありません。何言ってるの?と思われるかもしれませんが、OS側からはマルチソケットCPUとして認識されます。従って4コア製品はシングルコア4ソケットとして認識される為、OSによってはコア数が少なく認識されます。Windows7以降ではマルチコア対応パッチをあてる事で4コア製品として認識される様に変更する事が出来ます。

オンボードNICが異なる
ドライバが違うので明らかに別物NICと判ります。
2GHz版SKU販売当初はNICが異なる事が公開されていませんでしたのでNICドライバが適用出来ない原因が全く判らず、仕方なく筆者は対応ドライバが最近登場するまではRealTek RTL8168/8111用ドライバで代用していました。なぜ同じ製品でありながらNICだけを変更したのか?は不明です。

EPIA-M920の細かい注意点
・電源が20Pinです。24Pinはインダクタに干渉して物理的に挿せません。
・デフォルトではD-SUB15ピンのアナログVGAのみ出力されます。
・消費電力は40W程度以下に抑えられていますが起動の瞬間に150Wくらいないと起動失敗します。
 起動の瞬間に必要な突入電流は個体差が有ると思いますが、筆者の手元に有る個体では120W電源で起動出来ませんでしたのでMINI-ITXケース付属電源では起動出来ない(或いは電源が故障する)可能性が有ります。PicoPSU160-XTであれば起動出来ましたが、この製品は24Pin仕様なので直挿しするには20Pin加工が必須です。


色々調べながら、この記事に追記してゆく予定です。

 
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No title

 このETX-8X90-10GRとかいうマザーボード、とても面白そうですね。正直MicroATXの方がうれしかったといえばうれしかったのですが。
 ところで、ここ数ヶ月、EPIA-P910で悪戦苦闘していました。例のバックプレーンについてVIAに直訴したところ、テックウインドからメールが返ってきました。さすがに正規代理店からは少数ロットでの購入は難しそうでしたが、画像の一枚にあのコネクタと一致しそうな物が写っており、MPCIE、MicroSD、USBなどが使えるようになるそうです。ただこれを使ってしまうと面積が2倍になってしまうのが難点ですね。

Re: No title

> このETX-8X90-10GRとかいうマザーボード、とても面白そうですね。正直MicroATXの方がうれしかったといえばうれしかったのですが。

ETXは合体するベースボードの規格があり、他社も製造している様です。
例えば、1例として、こちらはETXに対応したATX仕様のベースボードです
http://www.amazon.co.jp/dp/B000FHY0WW/

但し、他社製と組み合わせてBIOS等が正常動作するか?と言えばVIAだけに他社製との組み合わせには躊躇しますね。

こういった品でATXに成るのは、恐らくハードウエア開発に平行してソフト開発も行う場合の開発専用機ではないか?と思います。もしくは今でもISAスロットが欲しいFA系の業界で代用マザーになるのではないかと想像してます。

> ところで、ここ数ヶ月、EPIA-P910で悪戦苦闘していました。

楽しそうでなによりです。
私もEPIA-M920を本格始動しようかな?と迷っているところです。

> 例のバックプレーンについて

面積が2倍・・・確かに楽しそうで
構造が単純なら自作(プリント基板の設計と試作)という手もありそうですが、特殊なコネクタが流通してないと厄介ですね。

No title

 なるほど。ETXとはそういった物でしたか。ETX-8X90-10GRの方、入手できれば人柱覚悟で是非やってみたいところです。ベースボードにAT電源があるというのがなかなか面白いですね。
 それともう一つ、COMeという物が気になったのですが、COMe-8X80のベースボードがどう見てもATXなのですが、試してみたいところです。
 うーん、気になる。

Re: No title

> ベースボードにAT電源があるというのがなかなか面白いですね。

FA分野、具体的には工場などで昔から使い続けられている機械類の制御用コンピュータのマザーボードが故障した時に入れ替える用途なのだと思います。

制御用に特注されたISAボードや専用電源他周辺機器を使い続けられないとなると数千万の機械を買い直し、生産ラインや従業員の教育等も再考する必要があり、数万円でATマザーが交換出来るなら易いものです。

> COMe

ETXの後継でPCIe対応版ですね、工作用に楽しめそう
プロフィール

DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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