EPYCマザー 来ました!

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参考:
 EPYCターボクロックのグラフ

本文:
 執筆時点でEPYC対応のデュアルソケットマザーを公式発表したメーカは私の知る限りSupermicroのみです。AMDマザーで毎回先行してきたTyanからは未だシングルソケットしか登場していません。自作に使えそうなデュアルソケットは筆者が調べた限りSupermicroのH11DSiと、それに10GbEを搭載したH11DSi-NTのみです。
Supermicr H11DSi
H11DSiNT.jpg
※上の写真ではPCIeスロット脇に10GbE用のヒートシンクが装着されている事から、写真自体はバリエーションモデルのH11DSi-NTです。

来たと言ってもネット上の情報が来たに過ぎず、我が家には未だ到着していません。

読者の方に教えて頂きましたが、当面は発熱や電力事情などからマザーボートに乗らないCPUの組み合わせが有る様で、マザーとCPUの相性でセット販売からスタートする様です。

マザーボードのサイズは標準的な E-ATX ですから、既存のデュアルソケット向けPCケースに難なく収まるハズですが、自作する上での問題はソケットSP3に対応したCPUヒートシンク!が未だ市場に見当たらない事で、こちらはNoctuaが開発中のCPUヒートシンク(Computex Taipei 2017 で展示したプロトタイプ)です。
sp3_tr4_coolers.jpg


組み合わせる予定のGPUはVega待ち(6/27発売)で、見ての通りE-ATXではGPUの2枚挿しが限界です(とは言え、筆者は普段から2枚挿しで満足なので問題ありません)。

EPYCマザーの特徴と言いますか、既存のデュアルソケットマザーとの大きな違いは、マザーボード上にチップセットが無い!という事でしょうか。SoC化によるのですが、NICとコンソール用VGAの他はVRMと各種ソケットがちりばめられた板になっていると思います。筆者的には、ソケット間のインフィニティーファブリックが密結合しているであろう部位にノイズ源であるVRMを集中配置している様に見えるのが少し不安ですが、これで安定して高速動作するのであれば凄い技術力だと思います。

それと、想定していた事ですが現時点でのEPYCのベースクロックは未だ2GHz程度の物しか登場していないので、現時点での用途は並列演算か鯖です・・・けどこれ、32C/64T x 2CPU ですから、トータルで64C/128T @2.7GHz TC-ALL に成り、理論値で単精度2~3TFLOPS、倍精度1~1.5TFLOPS程度、MIPS換算で10,000,000MIPS(10TIPS)程度の並列演算性能になり倍精度で Tesla K40 に匹敵するかと。

加えて、PCIeスロット構成(Naplesなら5本全てをx16に出来るはず)から推察しますにNaplesのみでなくSnowyOwl(Threadripper同等品)搭載も視野に入れた設計が為されているのかもしれません。但し、その場合にはメモリスロットの扱いがどうなるのか?気に成ります。筆者的にはSnowyOwl版の [ 4Core/8Thread × 2CCX ] × 2die x 2Socket = 32C/64T でベースクロック2.8GHzが登場してくれたら満足ですが既に発表の有ったThreadripperのラインナップですとベースクロックで3GHz超の様ですから待てばEPYCでも2.8GHz以上が出るかもしれませんね。

色々総合的に考えると、インフィニティファブリックやPCIeの信号線が結構電力食いなのかもしれず、その結果として上のマザーでは電力的な事情から信号本数を削減しているのかもしれません。その事は合計88レーンを装備しているはずのH11DSU-iNのベアボーン構成からも類推されるかと。
 
こちらのEPYC対応GIGABYTE品はシングルソケットですが、メモリ容量的には上のマザーと同じ(公式には半分)で、PCIeスロットはブリッジを介さない為、過去のどのマザーよりも高帯域(CPU直結88レーン)が得られるのではないかと思われます。但し上のマザー同様にE-ATXサイズですからシングルソケットの自作経験しかない人は御注意下さい。
GIGABYTE MZ30-AR0
MZ30-AR0.png
R9-nanoの様なショートサイズのグラボと組み合わせると用途次第ではこちらの方が強力な物が作れるかもしれませんし、延長ケーブルと自作ケース(もしくは、こういった所に依頼してカスタムケース)を使えばフルサイズGPU4枚のフル帯域CPU直結やx8帯域でのGPU7枚直結も出来そうですからGPGPU重視の場合こちらの方が選択筋として向いているかと思います。延長ケーブルを使う場合はx16ソケット側のPCIe電源が不足する可能性が有るのでこういった給電改造を延長ケーブルに施す必要が有るかもしれません。
 
Tyanはサーバ向けに完全に特化していますね。欠けている部位には10GbEのNICがオプションで刺さるのだと推察致します。
Tyan S8026
S8026.jpg

EPYCは性能を盛り過ぎて電力バランスを保つのが課題なのかもしれず、K10世代の6コア品が登場した当時も似た様な問題が有りVRM強化版のリビジョンアップが登場したりと色々有りましたが、EPYCでも同様に(特に立ち上がり初期は)電力バランスが足枷になりそうですね(逆に言えば、そこを解決して行けば盛り過ぎている性能をフルに引き出せる・・・)。

自作業界で性能盛り過ぎて電力食い・・・の元祖は恐らくSIMDをx86に初めて搭載して当時としては性能を盛り過ぎたMMX-Pentiumではないかと思いますが、左記のMMX-Pentiumデュアルソケットに比べてEPYCデュアルソケットはTDPは10倍でも、演算性能は5千倍って事になろうかと・・・ つまり電力効率は500倍くらいですね。
 

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Re: No title

> 個人的には、GIGABYTE

シングルソケット版が出ていますね。GIGABYTEのデュアルソケットは今年の秋以降らしいです。

> 周辺の冷却も必要になることからこの手のタイプが
> http://www.dirac.co.jp/a-seriese/

サイドフロー型の空冷も似た様な配慮が必要なんですよね、ケース内エアフローはやっぱりサーモグラフで測定しないと駄目かも

いつも楽しく拝見させて頂いております。

追加情報ですが、本日秋葉原のとあるお店に行きまして情報を仕入れて来ました。

店員のM氏によりますと…
1.EPYCはそれ単体での販売は許可されていない。マザーとCPUセット販売のみ。

2.前項でのセットと見做されるマザーも未定。⚫︎にもAMDからの情報がおりてない状況らしい。

3.単体販売NGの主な理由はCPUが爆熱仕様らしく、下手なマザボでエアフローもいい加減だと故障する確率が高い。

らしいです。
今回はOpteronの時の様に簡単に自作がし難い状況にあると言えます。が、私は何としても組みますが。

Re: タイトルなし

情報、有り難う御座います。

時間が経てばeBay辺りにCPU単体が流通し始めるのではないかと思いますが、最初は厳しそう・・・

現在発表されているEPYCラインナップではTDPが最大180Wですね。

8PinのCPU用電源コネクタは規格上 12V x 16A x 2Lane(つまり最大380W)なのですが、GIGABYTEのシングルソケットマザーにはCPU用8Pinが2個搭載されていますので、ブースト時の瞬間最大は相当大きいのでしょうね・・・

逆に●のデュアルマザーには8Pinが2個なのでGIGABYTE品程にはブーストが効かない事が予想されます。

AMDのハイエンドは伝統的に2.8GHzでしたが、今回のEPYCも電力事情などから2.8GHzを出すにはThreadripper同等品を鯖向け安定志向化して 2.8GHz 16C/32T x 2Socket で TDP 120W 辺りに収めるのが色々なバランス的に最良ではないかと想像してます。そういった品が登場してくれる事を期待しています。

返信有難う御座います。
やはりTDPが高すぎるのがネックになっているようですね。
そして早速ツクモがシステム単位の受注を開始したようですので、明日見積りに行こうかと考えております。
正直ケースと電源は必要無いのですが…

Re: タイトルなし

> 正直ケースと電源は必要無いのですが…

同感です・・・

純正ケースと電源は信頼性が有り業務用としては文句なしですが、重過ぎて個人宅には似合いませんしね。

No title

お世話になっております。

昨日ツクモにて最小構成で見積もりをお願いしてきました。
どうやら同店でEPYCの見積もりを受けたのは私が最初だったようで、店員さんもCPUや製品のSKUを見ながらの案内でした。
数日中には連絡を頂ける事になっておりますので、分かり次第情報提供させて頂きます。

O(店名)の店員さんのお話では、EPYCはまだES品段階、Supermicroに至ってはまだロクにテストもしていない段階らしいです。
最近(?)の●は実際は製品としては出せない段階の物の製品情報のみ先出ししてしまって、販売店等に迷惑を掛ける事が多々あるようです。
そしてEPYCシステム全体的にまだまだテスト段階で、実用には程遠いとおっしゃっていました。
「EPYCは(現段階では)怖すぎて絶対にお勧めしません」と言われてしまう始末でしたので、現状ではOpteronを延命しつつ待つしか無いといった状態という事が分かりました。

MegaRAID9460についてもお聞きした所、凄まじく相性問題があるらしく現時点での導入メリットは皆無と分かりました。
broadcom側が小売に対して消極的らしく、コンパチリストも公開されていないので、購入は完全な銭失いになりそうです。
AsusのPCI-Ex16をM.2x4に変換するカードが近々出るそうですので、それが面白そうです。

・・と、全体的にネガティブな話ばかりになってしまいました。

Re: No title

> どうやら同店でEPYCの見積もりを受けたのは私が最初だったようで、

私は来週まで海外に居ますので先を越された感が否めません・・・

> 最近(?)の●は実際は製品としては出せない段階の物の製品情報のみ先出ししてしまって、

あぁ、たぶん昔も同じ事を言ってたと思います。
この8号機辺りでの出来事と全く同じ状況ですね。
http://dualsocketworld.blog134.fc2.com/blog-entry-529.html

BIOSやFirmwareが更新出来る仕組みになっているのは、初物はベータ版だからそうなのであって、それでなければBIOSやFirmwareの更新機能は Bad USB の温床に成るだけで百害あって一利なしです。

> そしてEPYCシステム全体的にまだまだテスト段階で、実用には程遠いとおっしゃっていました。

OSもアルファリリースやベータリリースを経てプレビュー後にリリースされますが、同様にマザーも初物はベーターリリースですよ。

> MegaRAID9460についてもお聞きした所、凄まじく相性問題がある

これも上記リンク先に書いてある様に10年前と状況が変化していないというに過ぎず、今迄と同じって事ですね・・・

速度は向上しても、初物の信頼性は永遠に向上しないと思います。

複雑になれば、それだけバグの温床が増える訳で、単純化しないと信頼性は向上しません。時代は逆向きです。
プロフィール

DualSocketTheWorld

Author:DualSocketTheWorld
自作を始めて20台目くらいになりますが、最初からデュアルソケット限定(始めた当時はデュアルスロット)で自作しており、近年になってAMD K6を試したくなりSocket7でK6-2+のシングル構成で組んだのがシングル初です。

シングルマザー(含:シングルソケットマルチコア)や4ソケット以上の自作は基本的にしませんし、メーカー製PCの改造も基本的にはしません(ノートPCのSSD化くらいはしますが・・・)

基本路線はワークステーションと呼ばれる分野での自作で、OSもWindows系であればProfesionalが主な対象に成ります。

ゲーマーの様なOverClockは行わず、WS路線としてハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせで定格或いはDownClockで発熱を抑えつつ、その時のアーキテクチャに置いて爆速かつ静音を目指し、30年以上の長期に渡り稼動状態をキープする事を目指します。

※基本的にリンクフリーです。どこでも自由にどうぞ。

※画像は時々変ります。

※お決まりの文章ですが、改造は個人の責任で行ってください。ここに記載された情報は間違いを含んでいる可能性が有り、それを元に製作や改造などをして失敗しても筆者は一切責任持てませんので悪しからず。

筆者略歴:
小学生時代にゴミ捨て場で拾ったジャンクテレビ数台を分解して部品を取り出し真空管アンプを自作、中学生時代にPC8801mkⅡsrでZ80アセンブラを始める。社会人になって初のプログラムは弾道計算、後に医療系・金融系プログラマ~SEを経て100~200人規模プロジェクトのジェネラルマネジャを数年経験、独立して起業。現在は不動産所得で半引退生活。
(人物特定を避ける目的で一部経歴を変更しています)

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